実家のリフォームで多く実施される工事内容は? 費用相場や贈与税対策などを解説

実家のリフォームで多く実施される工事内容は? 費用相場や贈与税対策などを解説

実家の老朽化や両親の高齢化をきっかけに、実家のリフォームを検討する家庭は少なくありません。しかし、どの工事を優先すべきなのか、費用相場はいくらなのか、贈与税がかかるのかと不安に思う方が多いのではないでしょうか。

本記事では、実家のリフォームで多く実施される工事内容を解説します。費用相場や、贈与税が発生するケースなども紹介するため、ぜひリフォームを進める前に確認してください。

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【この記事で分かること】

  • 実家のリフォームでよく行われる工事内容の特徴
  • 工事別の費用相場や予算を検討する際の目安
  • 贈与税が発生するケースと、負担を抑えるための対策方法
この記事の著者

住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

実家のリフォームの代表的な工事内容5つ

実家のリフォームの代表的な工事内容5つ

実家のリフォームの工事内容は、住宅の状態や予算によって異なるのが基本です。ここでは、代表的な工事内容を5つ紹介します。

1. バリアフリー化(段差の解消・手すりの設置など)

実家のリフォームでは、高齢の家族が暮らしやすい住環境を整えるために、バリアフリー工事を実施する場合があります。

年齢を重ねると、わずかな段差でもつまずきやすくなり、転倒事故につながる可能性もあるでしょう。バリアフリー工事で玄関や廊下の段差解消や手すりの設置工事を実施すれば、部屋間の移動がしやすくなり、転倒リスクの軽減が可能です。

バリアフリー工事には、開き戸から引き戸に変更したり、将来的な介護のためにトイレや浴室のスペースを拡張したりなど、さまざまなものがあります。

2. 耐震・断熱改修

実家の築年数が古い場合、地震への備えとして耐震補強を検討するケースも少なくありません。

国土交通省は、1981年以前に建築された住宅に対し、耐震診断・耐震改修を実施するように呼びかけています(※)。実家が該当する場合は、耐震診断を受けると良いでしょう。

また断熱性能を高めるリフォームを実施するケースもあります。高齢者は体温調節機能が衰えているため、室内の温度差が大きい環境では体への負担が大きくなりがちです。

壁や床に高断熱材を追加したり、内窓を設置して窓からの冷気を遮断したりする断熱リフォームによって、冬の寒さや夏の暑さを和らげる効果が見込めます。

※参考:国土交通省.「建築:住宅・建築物の耐震化について」.”(1) 昭和56年以前に建築された建物の耐震診断・耐震改修をしましょう。”

3. 水回り設備の新調・整備

キッチンやトイレ、浴室、洗面所といった水回り設備の新調・整備も、実家のリフォームで検討すべき工事の一つです。

水回りは毎日使用する設備であり、築年数が経過した住宅では老朽化や使い勝手の悪さが目立っている場合があります。例えば、トイレが温水洗浄便座でない場合、冬場に便座が冷たく感じる他、立ち座りによる体の負担も生じやすいでしょう。

古い設備をリフォームで新調し、必要に応じてレイアウトを見直すことで、日常生活で感じていた使いにくさを改善できます。設備を使用する際に家族が不便さやストレスを感じている場合は、水回り設備の新調やレイアウトの見直しを検討しましょう。

4. ヒートショック対策

室内の温度が一定に保たれていない実家のリフォームでは、ヒートショック対策を目的とした工事を行うケースがあります。主に浴室暖房乾燥機や床暖房、内窓の設置を通じて、急な温度変化を減らす工事を実施します。

ヒートショックとは、暖かい場所から寒い場所(浴室・トイレなど)へ移動した際などに、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、体に負担がかかる現象です。日本では11~4月を中心に、ヒートショックが多く発生しています。厚生労働省の調査では、特に高齢者に多く見られる事故として注意喚起が行われています(※)。

暖房設備は、浴室や脱衣所、廊下など温度が下がりやすい場所に設置するのが一般的です。暖房設備を使用しやすいように、コンセントを新設するケースもあります。

※参考:消費者庁.「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! -自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が増えています-

5. 二世帯住宅への改装

高齢になった家族の見守りや介護を行いやすくするため、実家を二世帯住宅に改装し、同居を検討するケースもあります。

二世帯住宅への改装で主に行われるのが、生活スタイルに合わせて間取りを見直す工事です。例えば、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備を世帯ごとに分けたり、玄関を分けたりすることで、それぞれのプライバシーを確保しながら暮らせます。既存の部屋を間仕切りで区切り、二世帯分の寝室や部屋をつくるケースも多いです。

また完全分離型ではなく、既存の間取りを生かし、玄関や水回りの一部を共有する部分共有型の二世帯住宅に改装することもあります。住宅の広さや家族の生活スタイルに合わせて、無理なく同居できる環境を整えることが重要です。

【工事別】実家のリフォームにかかる費用相場

【工事別】実家のリフォームにかかる費用相場

実家のリフォームにかかる費用相場は、工事内容やリフォーム規模によって異なります。以下に、工事別の費用相場をまとめました。

工事内容費用相場
バリアフリー工事手すりの設置:5,000~18万円
段差の解消:1万~30万円
引き戸への変更:3万~30万円
廊下の幅の拡張:30万~100万円
トイレ・浴室スペース拡張:10万~250万円
耐震・断熱性能の見直し【耐震】
壁の補強:150万~200万円
屋根の軽量化:200万~300万円
基礎部分の補強:20万~50万円
耐震診断:20万~40万円

【断熱】
壁の断熱:50万~300万円
屋根の断熱:40万~250万円
天井の断熱:15万~90万円
内窓の設置:8万~30万円
水回り設備の新調・整備キッチン交換:50万~150万円
トイレ交換:15万~60万円
洗面台交換:10万~50万円
ヒートショック対策浴室暖房:10万~40万円
床暖房:30万~100万円
内窓:4万~15万円
二世帯住宅への改装500万~1,000万円(※完全分離型の場合は800万~1,000万円以上)

このように、実家のリフォーム費用は一律ではなく、工事の種類によって大きく異なります。費用相場に幅が見られる背景には、住宅の築年数や傷み具合、工事する範囲、設備や建材の選び方など、さまざまな要素が関係しているためです。

あくまで目安として捉えた上で、実際には現地調査や見積もりを通じて総額を確認することが大切です。

【注意】実家のリフォーム費用で贈与税が発生するケース

親名義の住宅のリフォーム費用を子が支払うと、金額によっては贈与税が発生する可能性があります。

贈与税とは、現金や自動車、不動産などの財産を譲り受けたときに発生する税金です。子から親への贈与(逆贈与)であっても、1年間の贈与の合計が110万円を超えた場合に課税対象となります(※)。

そのため、110万円以上の実家のリフォーム費用を子世帯が負担すると、その金額が親への贈与と見なされ、贈与税が発生する可能性があります。

贈与税は財産を譲り受けた人、つまり親が支払わなければなりません。110万円以上のリフォームを実施する場合は、節税対策で税負担を抑えるか、非課税枠の範囲内で工事を実施しましょう。

※参考:国税庁.「財産をもらったとき

実家のリフォームで子世帯が費用を負担する際の贈与税対策

実家のリフォームの費用を子世帯が負担する際の贈与税対策を3つ紹介します。

親が実家を売却し、子が実家を購入する

贈与税対策の1つが、親が実家を売却し、子が実家を住宅として購入する方法です。

子の名義に変更した実家は子世帯の所有物となります。従って、リフォーム費用を子が負担しても贈与税が発生しません。将来的に同居や二世帯住宅へのリフォームを検討している場合は、この方法を検討すると良いでしょう。

なお、実家の築年数が経過している場合、売却時の評価額が下がり、比較的低い価格で購入できるケースもあります。

実家を親から子へ生前贈与する

実家を親から子へ生前贈与し、住宅の所有権を子の名義に変更するのも一つの方法です。

実家の築年数が古いと、建物の評価額が低くなっているケースが多く、贈与税の負担が想定よりも小さくなる場合があります。

贈与税がかからなくなるわけではありませんが、親名義のまま子世帯が費用を負担するのと比べて、贈与税額を抑えられる可能性があります。

相続時精算課税制度を利用する

高額なリフォーム費用を子世帯が負担する場合は、相続時精算課税制度の利用を検討しましょう。

相続時精算課税制度は、親や祖父母などから18歳以上の子・孫などに財産を贈与する際に、一定額まで贈与税を課さず、将来の相続時にまとめて課税する制度です(※)。

本制度を利用すると、累計2,500万円までの贈与が贈与税の課税対象外となります。そのため、高額なリフォーム費用を一度に負担する場合でも、贈与税をすぐに支払う必要はありません。

ただし、親から子へ贈与された実家は将来の相続財産として合算され、相続税の対象となります。贈与税がゼロになる制度ではないため、利用する際は仕組みを理解した上で慎重に検討しましょう。

※参考:国税庁.「No.4103 相続時精算課税の選択

【2026年最新】実家のリフォームで活用できる減税制度

実家のリフォームでは、一定の条件を満たすことで、所得税や固定資産税の負担を軽減できる減税制度を利用できる場合があります。

例えば、以下のような減税制度があります。

減税制度の名称概要減税内容
住宅ローン減税(※1)10年以上の住宅ローンを利用して条件に該当するリフォームを実施した場合に受けられる減税制度
各年末のローン残高の0.7%を所得税・住民税から控除する
最大控除額140万円
リフォーム促進税制(※2)耐震工事・バリアフリー・省エネ・同居対応工事などを実施した場合に受けられる減税制度
条件に該当すると、所得税・固定資産税の控除が受けられる
【所得税】最大控除額60万~80万円

【固定資産税】3分の1~3分の2に相当する額を減額

なお、上記の減税制度は、原則としてリフォーム後の住宅に本人が居住することが条件です。子世帯が実家に住まない場合は適用されません(※3)(※4)。

また制度の適用要件はそれぞれ異なるため、リフォームを計画する際は事前に確認しておきましょう。

※1参考:国土交通省.「リフォームをお考えの消費者の方」.”減税制度”

※2参考:国土交通省.「住宅のリフォームに係る税の特例措置

※3参考:国土交通省.「住宅:リフォーム促進税制【所得税・固定資産税】について (消費者のみなさまへ)

※4参考:国土交通省.「住宅ローン減税(増改築)の概要

【2026年最新】実家のリフォームで活用できる補助金制度

実家のリフォーム費用を抑えるには、国や自治体が実施している補助金制度を活用しましょう。ここでは、住宅リフォームに活用できる補助金制度を紹介します。

介護保険の住宅改修補助金

要支援・要介護の家族が暮らしている実家では、介護保険の住宅改修補助金が利用できる場合があります。

対象となる改修工事は、以下の通りです(※)。

  • 手すりの設置
  • 段差の解消
  • 滑りにくい床材への変更
  • 引き戸への変更
  • 洋式便器への交換
  • 上記の工事を実施するための付帯工事(壁面補強・排水溝の位置変更など)

補助額は、支給限度額(20万円)の9割である18万円です。また介護保険の住宅改修補助金を利用する場合、まずはケアマネジャーに相談し、必要書類を提出する必要があります(※)。

※参考:厚生労働省.「介護保険における住宅改修

住宅省エネキャンペーン2026

住宅省エネキャンペーン2026は、住宅の省エネ性能向上を目的として、国が実施している補助金制度の総称です。開口部のリフォームや断熱窓の設置、給湯器の設置工事などで条件に該当していれば、補助を受けられる可能性があります。

制度の詳細は、以下の通りです(※1)(※2)。

制度名補助対象となるリフォーム補助額
みらいエコ住宅2026事業開口部や躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置など
必須工事を組み合わせて実施する必要があります。
上限100万円/戸(対象住宅の基準に応じて決定)
先進的窓リノベ2026事業高性能の断熱窓の設置上限100万円/戸
給湯省エネ2026事業以下の高効率給湯器の設置工事
・ヒートポンプ給湯器
・ハイブリッド給湯器
・家庭用燃料電池
ヒートポンプ給湯器:10万円/台
ハイブリッド給湯器:12万円/台
家庭用燃料電池:17万円/台

補助対象の工事内容や補助額、申請条件が細かく決められているため、リフォームを進める際は最新情報を常にチェックすることが重要です。

※1参考:経済産業省.「住宅省エネキャンペーンにおける3省連携(リフォーム)

※2参考:みらいエコ住宅2026事業【公式】.「事業概要」.“リフォームについて”“補助対象”

実家のリフォームは費用相場と税金の仕組みを理解した上で進めよう

実家のリフォームでは、バリアフリー化や耐震・断熱改修、水回り設備の新調・整備など、住宅の状況や家族の生活に合わせて工事内容を決定します。

親名義の住宅のリフォーム費用を子世帯が負担する場合、金額によっては贈与税が発生するため、節税対策や税制上の制度を確認し、無理のない資金計画を立てましょう。

神奈川県住宅設備協同組合では、水回りのリフォームを始め、住宅のリノベーションにも対応しています。国や市からの補助金を使ったリフォームのご案内も可能です。「何から手を付けたら良いか分からない」とお悩みの方は、ぜひ当組合にご相談ください。

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