
自宅のトイレが和式の場合、洋式へのリフォームを検討している方もいるでしょう。現在のトイレは洋式が主流ですが、和式から洋式に変更すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
本記事では、和式から洋式へのリフォームで得られるメリット・デメリットから、費用相場、工期の目安、注意点まで、分かりやすく解説します。トイレのリフォームを検討中の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
【この記事で分かること】
- 和式から洋式に交換すると、排泄時の姿勢の負担や転倒リスクの軽減、節水効果、においの改善といったメリットがある。
- 和式から洋式へのリフォームの費用目安は18万円~40万円で、工期は1日~5日。
- 工事の際は周囲への配慮が必要。また、マンションの場合は管理規約を読み、必要な手続きを行うことが大切。
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東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。
和式トイレから洋式トイレに変えるメリット

和式トイレから現在主流の洋式トイレに変えると、さまざまなメリットがあります。
まずは、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
排泄時の姿勢が楽になる
和式から洋式に変える大きなメリットの一つは、排泄時の姿勢が楽になることです。
洋式トイレは便座に腰をかけて使用するため、足腰への負担が少なく、高齢者や小さなお子さんでも使用しやすいです。安定した姿勢で用を足せる上に、立ち座りの動作もスムーズに行えるため、将来在宅介護が必要になった場合でも介助がしやすくなるでしょう。
一方、和式トイレでは深くしゃがんで両足で体を支える必要があり、足腰に大きな負担がかかります。現在は問題なく使用できていても、加齢や筋力の低下によって、将来的に排泄自体が負担やストレスになるかもしれません。
椅子に座るような姿勢で使える洋式トイレなら、より快適にトイレの時間を過ごせるようになるでしょう。
転倒などのリスクを軽減できる
転倒などのリスクを軽減できることも、和式から洋式へ変える大きなメリットです。
和式トイレで排泄後、立ち上がったときに立ちくらみを経験したことがある方も多いのではないでしょうか。この立ちくらみは、しゃがんだ姿勢から急に立ち上がることで血圧が一時的に下がり、その結果、脳への血流が不足するために起こる症状です。
洋式トイレと比べて姿勢の変化が大きい和式トイレでは、このような立ちくらみによる転倒の危険性が高くなります。また、立ちくらみがなくても、加齢や筋力の低下によって、しゃがんだり立ち上がったりするときにバランスを崩し、転倒する危険があります。
万が一転倒した場合、壁やトイレタンクに頭をぶつけて重大なけがをする可能性もあるため、安全面の観点からも洋式トイレへの変更がおすすめです。
節水効果が期待できる
節水効果が期待できることも、和式から洋式に変えるメリットの一つです。
和式トイレの場合、排泄物を便器の後方から前方に勢いよく流す必要があるため、多くの水を勢いよく流す必要があります。製品によっても異なりますが、一回の洗浄で、16L~20Lの水が必要です。
一方、近年の洋式トイレは節水性能が大きく向上しており、大洗浄の場合でも一回あたり3.2L~4.8Lの水で済むものが主流です。トイレは毎日よく使われるため、年間を通して見ると大きな節水効果が期待できます。
トイレのにおいが改善しやすくなる
和式から洋式に変えることで、トイレ内のにおいを改善しやすくなります。
構造上、和式トイレは排泄時に尿や便が便器の外へ飛び散りやすく、フチや床に付着した汚れがにおいの原因になります。掃除をしないと、時間が経つにつれてにおいが染み付き、完全に取り除くのが難しくなるケースも少なくありません。
一方、洋式トイレは便座に座って使用するため、排泄物の飛散を抑えやすく、においの発生を防ぎやすい構造なのが特徴です。また、近年の洋式トイレには、脱臭機能や除菌機能を搭載したものもあります。自動洗浄機能を兼ね備えたものもあるため、においだけでなくトイレ全体の清潔さも維持しやすくなるでしょう。
和式から洋式に変えるデメリットはある?

和式から洋式に変えるメリットは多いですが、デメリットもいくつかあります。リフォームした後に後悔しないように、デメリットも把握しておきましょう。
トイレが使いにくいと感じる可能性がある
洋式トイレに変えることで、最初のうちは使いにくさを感じる場合があります。
これまで自宅で和式トイレを使い続けていた方は、外出先で洋式トイレを使用していても、体の動かし方や姿勢の取り方が和式トイレに慣れていることが多いでしょう。排泄時の動作は無意識に行うため、使い方や感覚が変わることで違和感を覚えることがあります。
ただし、この使いにくさは一時的なものです。トイレは日常的に何度も使用するため、自然と洋式トイレの使い心地に慣れていくでしょう。
掃除が手間に感じる可能性がある
掃除が手間に感じる可能性があることも、和式から洋式に変えるデメリットの一つです。
和式トイレは凹凸やつなぎ目が少なく、全体的にシンプルな構造のため、比較的掃除がしやすい傾向にあります。タンクは壁に付いているため、床の掃除もしやすいです。
一方、洋式トイレは構造上、凹凸やつなぎ目が多く、細かい部分の掃除が面倒に感じるかもしれません。しかし、近年は掃除がしやすい形状のトイレや、自動洗浄機能付き、汚れが付きにくい素材を使用した製品も増えています。
リフォーム費用が高い
リフォーム費用が高いことも、和式から洋式に変えるデメリットです。
和式トイレを新しい和式トイレに変える場合の費用相場は、同じサイズの便器の場合で15万円~25万円とされています。一方、和式から洋式に変える場合、費用相場は18万円~40万円が多く、和式トイレへの交換よりも高くなる傾向にあります。
費用が高額になるため、トイレの交換をためらう方もいるでしょう。例えば和式トイレでも、サイズが異なるものに変更する場合は、25万円~35万円かかることもあります。
また、洋式トイレでも製品の種類やグレードによって費用に大きな差があります。そのため、複数のメーカーやモデルを比較し、予算に合った商品を見つけることが大切です。
電気代が高くなることがある
電気代が高くなることがあるのも、和式から洋式に変更するデメリットです。
洋式トイレで温水洗浄便座を設置すると、温水の加熱や便座の保温のために電力が必要になります。そのため、電気代が今までより高くなるかもしれません。
しかし、近年は省エネ性能に優れた温水洗浄便座が多く発売されています。節電モードや自動オフ機能を備えた製品を選ぶことで、電気代の増加を抑えつつ、快適さと省エネを両立できるでしょう。
トイレのスペースが狭く感じることがある
トイレのスペースが狭く感じることがあることも、和式から洋式に変えるデメリットです。
和式トイレに比べて、洋式トイレは便器に高さがあります。また、タンク付きの場合、便器の後ろにタンクがあるため、その分設置面積も広くなります。これまでよりも場所を取るため、トイレのスペースに圧迫感を感じるかもしれません。
しかし、近年はタンクを省いた「タンクレストイレ」も普及しており、従来よりもスッキリとしたデザインのものが増えています。限られたスペースを広く見せたい場合や、開放感を重視したい場合には、タンクレストイレを選ぶのがおすすめです。
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和式トイレを洋式トイレに変えるときの費用相場
和式トイレを洋式トイレに変える場合の費用相場は、前述した通り、18万円~40万円です。
ただし、選ぶトイレの種類によって、費用相場は変動します。トイレの種類ごとの本体の費用相場を見てみましょう。
| 種類 | 相場 | 特徴 |
| 組み合わせトイレ | 3万円~30万円 | 独立した便座・便器・タンクをそれぞれ組み合わせて構成される。 |
| 一体型トイレ | 6万円~30万円 | 便座・便器・タンクが一体になっている。 |
| タンクレストイレ | 10万円~40万円 | タンクがなく便座・便器が一体になっている。 |
このように、同じ種類のトイレでも費用には幅があります。一昔前に主流だった組み合わせトイレが安価で、タンクレストイレが高価になる傾向があります。
また、和式から洋式に変える場合は、本体価格に加えて工事費が必要です。工事費は実施する内容によって異なりますが、一般的には既存のトイレを解体する作業は必須です。
さらに、コンセントがない場合は電気工事が発生し、トイレットペーパーホルダーや手洗い器が設置されていない場合は、それらの設置工事費用も追加で必要になります。
どのような費用が発生するかは、現在のトイレの状況にもよるため、業者に相談して見積もりを出してもらいましょう。
和式トイレを洋式トイレに変えるときの工期の目安
和式トイレを洋式トイレに変えるときは、1日~5日の期間がかかるのが一般的です。ただし、配管や床・壁の状態によって工期が変わるため、費用の見積もりと一緒に工期の確認もしておきましょう。状況によっては、5日以上かかる場合もあります。
工事期間中は自宅のトイレが使用できません。そのため、近隣の商業施設などのトイレを利用するなど、あらかじめトイレの利用方法について考えておくことが大切です。
仮設トイレを設置してくれる場合もありますが、通常は仮設トイレの設置費用が別途必要となるため、費用がさらにかさみます。工事が長期間にわたる場合は、一時的にホテルなどへの宿泊も検討するとよいでしょう。
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和式トイレを洋式トイレにリフォームするときの流れ
和式トイレを洋式トイレにリフォームする際の一般的な流れは、以下の通りです。
- 設置するトイレを選ぶ
- リフォーム業者を選ぶ
- 見積もりを依頼する
- リフォーム業者と打ち合わせを行う
- 契約を結び、工事の日程を決める
- 着工する
- 工事後の検査が行われる
- 引渡し
後悔しないトイレのリフォームを行うためには、まず複数の業者を選び、相見積もりを取るのがおすすめです。同じリフォーム内容でも、業者によって費用が異なるため、見積もりを比較し、適正な料金の業者に依頼しましょう。業者選びをする際は、実績や評判を確認しておくことも大切です。
また、トイレを含む水回りは、複数箇所を同時に施工すると、費用が安くなることがあります。リフォームが必要な箇所が他にもある場合は、同時に行うことも検討するとよいでしょう。
和式トイレを洋式トイレにリフォームする際の注意点
最後に和式トイレを洋式トイレにリフォームする際の注意点をご紹介します。
希望する洋式トイレに変更できないケースがある
希望する洋式トイレに変更できない場合があることも、あらかじめ理解しておきましょう。
例えば、洋式トイレの設置に必要なスペースが確保できない場合、希望する機種のサイズによっては設置が難しいことがあります。間取りの変更で対応できるケースもあるため、まずは業者に相談してみるとよいでしょう。
また、省スペースなタンクレストイレですが、一般的な洋式トイレよりも高い水圧が必要になります。ほとんどの戸建てやマンションでは設置できますが、高台に建つ住宅や、古いマンションの高層階などでは水圧が不足し、設置が難しい場合もあります。この点に関しても、事前に確認しておくことが大切です。
近隣への気配りをしておく
和式トイレから洋式トイレに変更するリフォームを行う際は、近隣への配慮を忘れないようにしましょう。
トイレのリフォームを行う際は、古い便器の取り外しや新しい便器・資材の搬入が必要です。撤去作業時に工具による音や振動が発生したりする可能性があります。また、工事車両の出入りによっても、近隣の方に迷惑をかける場合があります。
騒音や振動、車両の出入りによるご近所トラブルを避けるためには、あらかじめ近隣の方に工事の実施を知らせておくことが大切です。
マンションの場合は管理規約の確認と申請を忘れずに
マンションにお住まいの方がトイレをリフォームする場合は、管理規約を確認し、必要な手続きを行うことが大切です。
マンションによっては、管理規約で工事の内容や時間帯、使用できる資材などに制限を設けていることがあります。規約の範囲内であっても、管理組合への事前申請や許可が必要なケースがほとんどです。
スムーズにリフォームを進めるためにも、事前に管理規約を確認し、必要書類をそろえて正式に申請しておきましょう。
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和式トイレから洋式トイレへのリフォームで快適なトイレ空間を手に入れよう
和式トイレを洋式トイレにリフォームすると、姿勢への負担が軽減し、節水や安全性の向上など、日常生活がより快適になるさまざまなメリットがあります。
ただし、和式トイレから洋式トイレへの変更は、一般的に費用が高くなることが多いです。しかし、一定の条件を満たせば、補助金を利用できる場合もあります。工事費の一部が補助対象となることもあるため、事前に利用できる制度がないか調べておくとよいでしょう。
リフォームを検討するときは、まず現在のトイレの状態を確認し、複数の業者から見積もりを取って比較することが重要です。また、費用・機能・デザインのバランスを考えて選ぶことで、予算内で理想的なトイレ空間を実現できるでしょう。
東京・神奈川・大阪・兵庫でトイレのリフォームを検討している方は、住宅設備協同組合にご相談ください。当組合は、年間500件近いリフォーム・リノベーションを手がけており、豊富な経験を生かしてご家庭に合ったリフォームをご提案します。また、各補助金のご案内や手続きの無料代行も行っています。










