お風呂をリフォームするときに、給湯器も一緒に交換すべきか迷う方は少なくありません。結論として、浴室を新しくするだけなら給湯器の交換は必須ではなく、既存機器を使い続けられる場合があります。
ただし、給湯器の劣化が進んでいたり、追い焚きなど新しい機能を使いたかったりする場合は、同時交換を検討する価値があるでしょう。工事をまとめるメリットがある一方、機器代や追加工事費も必要です。
本記事では、同時交換の判断基準、給湯器の選び方、費用の目安、工事の流れ、注意点を解説します。ご自宅の設備に合う方法を検討する際の参考にしてください。

住宅設備協同組合
東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3463号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。
お風呂リフォームで給湯器の同時交換は必要?
お風呂リフォームをしても、給湯器を必ず交換する必要はありません。設備の状態と新しい浴室との適合を踏まえて判断します。まずは、交換しなくてよい場合と交換が必要になる場合の違いを整理しましょう。
浴室をリフォームしても給湯器の交換は必須ではない
ユニットバスを交換しても、既存の給湯器に不具合がなく、新しい浴室設備と適合していれば、使い続けられる場合があります。浴室の交換と給湯器の交換は別の工事であり、必ず同時に行うものではありません。
例えば、浴室の壁・床・浴槽を更新するだけで、給湯方式や必要な機能が変わらない場合は、給湯器を残す選択肢があります。ただし、給湯器の使用年数が長いと、リフォームから間もなく故障する可能性もあるでしょう。本体の型番や使用状況を調べ、施工業者に交換の必要性を判断してもらうことが大切です。
新しい浴室設備によっては給湯器の交換が必要になる
新しい浴室で使いたい機能が既存の給湯器に対応していない場合は、給湯器の交換が必要になることがあります。例えば、給湯専用の機器を使用している家庭で、追い焚きや自動湯はりの機能を導入したいケースです。
ただし、給湯器を対応機種に替えるだけで希望する機能が使えるとは限りません。追い焚きには循環配管や浴槽側の設備が必要で、建物の構造によっては施工が難しい場合もあります。浴室リモコンの互換性も含め、既存設備の型番を伝えて適合を調べてもらいましょう。
お風呂リフォームと給湯器の同時交換を検討したいケース
給湯器が現在動いていても、使用年数やお湯の使い方によっては同時交換が適していることがあります。ここでは、交換を検討する際に押さえておきたい4つの状況を紹介します。
給湯器の使用年数が10年を超えている
給湯器を10年以上使っている場合は、お風呂リフォームに合わせて交換を検討する目安になります。長く使用すると内部部品の劣化が進み、今は問題なく動いていても、故障が起こる可能性が高まるためです。
ただし、10年を過ぎたら必ず交換しなければならないわけではありません。機種によって設計上の標準使用期間などが異なる場合があり、その期間は実際の寿命を保証するものでもありません。銘板や取扱説明書、メーカー資料を調べ、点検結果や使用状況と合わせて判断しましょう。
お湯の温度が安定しないなどの不具合がある
お湯の温度が急に変わる、設定温度まで温まらない、エラー表示が繰り返されるなどの症状があれば、給湯器の点検を検討しましょう。異音や水漏れが見られる場合も、故障を疑うきっかけになります。
もっとも、温度の不安定さは水栓や配管が原因となることもあり、給湯器本体の交換だけで解消するとは限りません。まず専門業者に原因を調べてもらうことが大切です。ガス臭や異常燃焼が疑われるときは使用を中止し、ガス事業者など適切な連絡先に相談してください。
追い焚きなどの機能を追加したい
浴室リフォームを機に追い焚きや自動湯はり、保温などの機能を追加したい場合は、給湯器を同時に見直すとよいでしょう。既存機器が給湯専用タイプなら、希望する機能に対応した機器への交換が必要になる場合があります。
機能の追加には、浴室側の循環口や追い焚き配管、リモコンなどの条件も関係します。特に追い焚きは、配管経路を確保できないと実現できない場合があるため、機種選びだけで決めないことが大切です。使いたい機能を先に整理し、施工できるか現地調査で見極めてもらいましょう。
家族の人数やお湯の使用量が変わった
家族が増えたり、浴室とキッチンで同時にお湯を使う機会が増えたりした場合は、給湯能力を見直すきっかけになります。現在の機器で湯量が不足しているなら、新しい生活に合う能力を選ぶことが大切です。
ガス給湯器では号数、エコキュートなどの貯湯式設備ではタンク容量が主な検討項目です。能力の示し方が異なるため、単純に数値を比較することはできません。家族の人数だけではなく、お湯を使う時間帯や同時使用の頻度を伝え、無理のない仕様を選びましょう。
お風呂リフォームと給湯器交換を同時に行うメリット
浴室と給湯器の工事をまとめることで、工事計画や設備選びの負担を減らせる場合があります。ただし、現場条件によってメリットの大きさは異なります。主な4つの利点を紹介します。
工事費用を抑えられる場合がある
同時交換では、養生や搬入・搬出、施工管理などの共通工程をまとめられる場合があります。浴室の解体に合わせて必要な給湯配管工事を行えば、別の時期に工事するより作業を効率化できることもあるでしょう。
一方、給湯器本体の購入費や設置工事費は別途かかるため、浴室だけのリフォームに比べると総額は増えます。共通化できる工程が少ない現場では、同時施工による節約効果が小さい場合もあります。見積もりでは設備費と工事費を分けて、どの費用をまとめられるのか見ておきましょう。
工事の日程や手間をまとめられる
浴室リフォームと給湯器交換を別々に行うと、その都度、打ち合わせや工事日の調整、立ち会いが必要になります。同時に施工すれば、これらの予定をまとめられることがメリットです。
工事のために設備を使えない期間が一度にまとまれば、日常生活の予定も立てやすくなるでしょう。ただし、配管の変更や新しい設備の設置条件によっては工期が延びる場合があります。同時施工だから必ず短期間で完了するとは限らないため、工程表で具体的な日程を把握しておくと安心です。
新しい浴室に合った給湯設備を選べる
浴室と給湯器を同時に選ぶと、必要な給湯能力や入浴機能を一体的に検討できます。例えば、追い焚きや自動湯はりを希望する場合、浴槽側の設備と給湯器の仕様を合わせて計画できる点が利点です。
浴室リモコンや循環配管の適合も事前に調べられるため、設置後に希望した機能が使えないといった行き違いを防ぐことにつながります。ただし、メーカーやシリーズによって接続条件は異なります。製品を購入する前に、施工業者と仕様をすり合わせることが大切です。
給湯器の故障による再工事を避けられる
既存の給湯器が交換時期を迎えているなら、浴室リフォームと一緒に更新することで、近い将来の交換工事を一度にまとめられます。リフォーム後に給湯器が故障して、再び工事日を調整する負担を避けられる可能性があるでしょう。
もっとも、使用年数が短く、状態も良好な給湯器まで無理に交換する必要はありません。予防的な交換には追加費用がかかるため、故障リスクと当面の予算の両方を考慮して決めましょう。
お風呂リフォームに合わせた給湯器の選び方
給湯器を同時に交換するなら、今までと同じ機種を選べばよいとは限りません。新しい浴室の機能、家庭のお湯の使用状況、設置条件に合うかが選定の基準です。
給湯器の種類と熱源を確認する
家庭用の給湯設備には、ガス給湯器、石油給湯器、電気温水器、エコキュートなどがあります。ガスや石油を燃焼させる方式、電気ヒーターやヒートポンプでお湯を作る方式など、仕組みや設置条件はさまざまです。
まずは現在使っている給湯器の種類と型番を把握しましょう。同じ熱源の機器へ交換する場合と、ガスから電気など別の熱源へ変更する場合では、必要な工事が異なります。熱源を変えるなら、機器の設置場所に加え、電源・配管・給排気の条件まで含めた検討が必要です。
家族の人数に合った給湯能力を選ぶ
給湯能力は家族の人数だけではなく、お湯を同時に使う頻度も踏まえて選びましょう。例えば、誰かがシャワーを使っている間にキッチンでもお湯を使う家庭では、必要な供給量が増えます。
ガス給湯器の能力は一般に号数で表され、貯湯式の給湯設備ではタンク容量などが検討項目です。どちらも大きければよいわけではなく、機器の仕様や設置条件によって適切な選択が変わります。現在の使用状況や将来の家族構成を施工業者に伝え、メーカーが示す選定条件と照らして決めるとよいでしょう。
追い焚き・自動湯はりなどの機能を選ぶ
給湯器には、お湯を供給する給湯専用タイプの他、追い焚き、自動湯はり、保温などに対応した機種があります。家族の入浴時間がばらばらなら追い焚きを重視するなど、使い方に応じて必要な機能を選びましょう。
同じ機能名でも、自動で行う操作の範囲は機種によって異なる場合があります。さらに、浴室側の循環口や配管、リモコンの仕様との組み合わせも関係します。カタログの機能表示だけで判断せず、設置後に希望する操作ができるか具体的に確かめておくことが大切です。
設置場所や配管・リモコンの適合を確認する
新しい給湯器を設置するには、機器の寸法、取付方法、給排気条件、配管の接続位置などが現場に合っている必要があります。壁掛け・据置き・パイプシャフト設置など、方式が異なると選べる機種も変わります。
浴室リモコンについても、新しい給湯器と適合する製品を選ばなければなりません。特にマンションでは設置スペースや排気方式が限られ、管理規約上の制約がある場合もあります。既存機器の型番と設置状況を業者に伝え、必要な工事を含めて選定しましょう。
お風呂リフォームと給湯器の同時交換にかかる費用
費用は浴室リフォームと給湯器交換を分けて考え、その合計に必要な追加工事費を加えて見積もります。価格は設備の仕様や現場条件によって異なるため、参考額と実際の見積もりを区別しましょう。
浴室リフォームの費用相場
国土交通省が公表した「部位別リフォーム費用一覧」では、システムバス交換の参考価格として、マンションは50~100万円、戸建ては60~150万円が示されています。設備・材料費と工事費を含む金額ですが、過去の調査に基づく参考値であり、現在の見積価格を保証するものではありません。
実際の費用はユニットバスのサイズやグレード、解体・設置工事、給排水管の調整などによって変わります。在来浴室からユニットバスへ変更する場合は、下地補修や土間工事などが必要になることもあるでしょう。浴室側の工事範囲を明確にして費用を把握することが大切です。
給湯器交換の費用相場
同じ国土交通省の資料では、ガス給湯器の交換費用は20~50万円、高効率給湯システムの設置費用は55~100万円が参考値として示されています。いずれも設備・材料費と工事費を含みますが、過去の調査による目安です。実際の価格は機種や施工条件によって変わります。
給湯器はガス・石油・電気などの種類、給湯能力、追い焚き機能の有無、設置方式によって価格差があります。標準交換工事に含まれる範囲も異なるため、見積もりでは本体価格と工事費を分け、配管変更などが必要なら別途示してもらいましょう。
同時交換で追加費用が発生するケース
既存の配管を利用できない場合や、給湯器の熱源・設置位置を変える場合には、追加工事費が発生することがあります。追い焚き配管の新設、電源の変更、給排気設備の工事なども費用を左右する要因です。
浴室を解体して初めて下地の傷みや配管の劣化が分かることもあります。追加補修の必要性は現場ごとに異なるため、一律の金額を見込むことはできません。契約前には、見積もりに含まれる工事と、状況に応じて追加になる工事を区別しておくと安心です。
※参考:国土交通省.「部位別リフォーム費用一覧」.https://www.mlit.go.jp/common/001023470.pdf ,(参照2026-10-28).
お風呂リフォームと給湯器交換を同時に行う工事の流れ
同時交換では、現地調査から撤去・設置・試運転へと進むのが基本です。ただし、浴室の構造や給湯器の設置場所によって施工順序は変わります。ここでは一般的な流れを紹介します。
1. 既存設備の調査と交換内容の決定
着工前に浴室の寸法や構造、給湯器の型番、配管経路、機器の設置場所などを調べます。追い焚きや自動湯はりを追加したい場合は、浴室側の設備と給湯器が対応するか、この段階で検討します。
調査結果を踏まえ、新しいユニットバスと給湯器の機種、工事範囲、日程を決定します。設置場所や配管の変更が必要なら、必要な追加工事も見積もりに含めてもらいましょう。
2. 浴室・給湯器の撤去と配管工事
工事では既存の浴室設備や交換対象の給湯器を撤去し、新しい設備に合わせて配管を調整します。必要に応じて給水・給湯管、排水管、追い焚き配管などを施工する流れです。
給湯器の種類によってはガス配管や電気設備の工事も伴います。浴室を解体した後に下地や配管の劣化が見つかった場合は、必要な補修を行います。解体後に工程が変わる可能性もあるため、追加作業が生じたときの連絡方法を決めておくとよいでしょう。
3. 新しい浴室・給湯器の設置
撤去と必要な下地・配管工事が終わったら、ユニットバスの部材を組み立て、給湯器本体を設置します。設備の仕様に応じて給湯管や追い焚き配管、電気配線などを接続します。
浴室リモコンや循環口なども、選んだ製品に合わせて設置することが必要です。作業の順番は機器の種類や現場の条件によって変わるため、浴室と給湯器の施工担当者が連携して進めます。
4. 接続・試運転と動作確認
設備の設置後は通水や漏水の点検を行い、給湯器を試運転します。お湯の温度や出湯量、湯はり、追い焚き、リモコン操作など、導入した機能が正常に動くかを調べる工程です。
工事完了時には、施工業者から操作方法や使用上の注意点の説明を受けましょう。保証書や取扱説明書、施工内容が分かる資料を保管しておくと、将来の点検や修理を依頼する際に役立ちます。
お風呂リフォームと給湯器を同時交換する際の注意点
同時交換では、機器の選択だけではなく既存設備の状態、設置条件、工事中の生活への影響も考える必要があります。後悔を防ぐために押さえたい4つの注意点を紹介します。
既存の給湯器を使い続けられるか判断する
既存の給湯器が正常に動き、新しい浴室設備にも対応しているなら、交換を見送る選択肢があります。今後の使用予定や家計の負担を考え、必要な工事だけを行う方法も検討しましょう。
一方、長年使用している場合は、浴室リフォーム後に故障する可能性も考慮したいところです。機器の状態や点検結果、補修用部品の供給状況などを踏まえて判断します。交換の必要性が不明なら、現地調査の際に施工業者へ相談してください。
給湯器の設置条件やマンションの規約を確認する
給湯器は設置場所の寸法や給排気方式によって、交換できる機種が制限されることがあります。特にマンションのパイプシャフト内などでは、既存機器と異なる方式の製品を自由に設置できるとは限りません。
さらに、管理規約で機種の条件や工事時間、管理組合への申請手続きが定められている場合もあります。給湯器だけではなく、配管の移設や浴室交換も含めて施工可能な範囲を把握しましょう。希望する機種が設置できるか、規約と現地条件の両方を踏まえて判断することが大切です。
工事中にお湯や浴室を使えない期間を把握する
浴室の交換工事中は入浴できない期間が生じます。給湯器を交換する際は、一時的にキッチンや洗面所でもお湯を使えなくなることがあるため、生活への影響を考えておきましょう。
給湯器単体の交換であれば比較的短時間で済む場合もありますが、浴室工事や配管変更を伴うと日程が変わります。施工業者に工程表を示してもらい、入浴できない日と家の中でお湯を使えない時間帯を具体的に把握すると、必要な準備ができます。
浴室と給湯器の工事に対応できる業者を選ぶ
浴室と給湯器を同時に交換するなら、両方の設備に対応でき、工事の順序や接続条件を調整できる業者に相談しましょう。給湯器の種類によって必要な資格や施工体制が異なるため、対応できる工事範囲を聞いておくことが大切です。
見積もりでは浴室工事と給湯器交換の内容を分け、追加工事の条件や保証・アフターサービスも把握しておきましょう。設備をまとめて依頼できる場合でも、施工後の不具合についてどこに連絡するのかを明確にしておくと安心です。
お風呂リフォームと給湯器交換は設備の状態に合わせて判断しよう
お風呂をリフォームするとき、給湯器の交換は必須ではありません。既存機器が正常に使え、新しい浴室設備にも適合するなら、引き続き使用できる場合があります。一方、使用年数が長い、温度が安定しない、追い焚き機能を追加したいといった場合は、同時交換を検討するとよいでしょう。
同時施工には工事の手間をまとめられるメリットがありますが、機器代や追加工事費がかかります。必要な機能と工事範囲を明確にし、設置条件に合う設備を選ぶことが大切です。
住宅設備協同組合では、東京・神奈川・大阪・兵庫を中心に、お風呂リフォームの無料相談・見積もりを受け付けています。お風呂の設備選びや給湯器の交換でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。









