トイレの便器交換はいくらかかる?相場や交換のタイミングの見極め方を解説

トイレは毎日使う設備のため、突然の不具合や老朽化は生活に大きな影響を与えます。「まだ使えるから……」と放置していると、水漏れや悪臭、思わぬ故障を引き起こすことも少なくありません。とはいえ、交換には費用がかかるため、なかなか踏み切れずにいる方もいるでしょう。

本記事では、便器交換にかかる費用相場や、交換を検討すべきタイミングを分かりやすく解説します。便器交換を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

【この記事で分かること】

  • 便器交換には、便器本体の購入費用と施工費用がかかり、便器の種類や工事内容で料金が変動する。
  • トイレの一般的な寿命は10年~20年だが、それ以前に寿命がくるケースも少なくない。
  • 不具合がまだ軽微であったり、目立った不具合が発生していない段階で修理や交換を行うことで、修理や交換にかかる費用を抑えられる可能性がある。

この記事の著者

住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

トイレの便器交換の費用相場は?

トイレの便器交換には、便器本体の費用と施工費用がかかります。それぞれの相場を見ていきましょう。

便器本体の相場

洋式トイレは大きく分けて3種類あり、種類によって相場が異なります。

種類相場特徴
組み合わせトイレ2万円~7万円便器・タンク・便座が独立している。構造上凹凸がある。
一体型トイレ5万円~15万円便器・タンク・便座が一体となっているタイプ。
タンクレストイレ10万円~20万円タンクがなく、便座と便器が一体になっているタイプ。

一昔前に主流だった「組み合わせトイレ」は、現在でも多くの家庭で使われています。このタイプのトイレは、価格が比較的安い傾向があります。ただし、同じ種類の便器でも、製品やグレードによって価格が異なるため、製品選びをする際は注意が必要です。

施工費用の相場

便器の交換には施工費用もかかり、施工内容によって費用が変わります。

一般的な施工費用の相場は以下の通りです。

施工内容相場
洋式便器→洋式便器への交換3万円~30万円
和式便器→洋式便器への交換18万円~40万円
洋式便器→洋式便器への交換 + 床の張り替え10万円~32万円
配管の移設を含む工事5万円程度
コンセントの増設を含む工事2万円~5万円

便器の一般的な寿命

便器の一般的な寿命は、10年〜20年とされています。

便器自体は陶器でできており、割れが起こるなどの不具合がない限り、使い続けることは可能です。ただし、タンクやパッキン、配管などは10年~20年で劣化します。長期間問題なく使用できるケースもありますが、適切なメンテナンスを行わなければ劣化が早まり、10年よりも早く寿命を迎えるケースもあるでしょう。

また、機能的には問題のない状況でも、使用頻度が高いトイレは汚れがこびり付きやすく、見えないところでカビや雑菌が繁殖していることもあります。

便器の交換を考えるべきタイミング

便器は、壊れない限り使い続ける方も多いでしょう。では、どのようなタイミングで、便器の交換を考えるべきなのでしょうか。

水の流れが悪い・止まらない

水の流れが悪い場合や、水が止まらない場合は便器の交換を考えるべきタイミングです。

このような不具合が出ている場合、タンク内部の部品が劣化している可能性があります。また、配管に不具合があるケースも多いです。

水の流れが悪かったり止まらなかったりといった故障があるにもかかわらず、そのまま使用を続けると、大きなトラブルが発生し、大がかりな工事が必要になるかもしれません。

パッキン・配管に劣化が見られる

パッキンや配管に劣化が見られる場合も、便器の交換を検討すべきタイミングです。

パッキンや配管の寿命は、約20年とされています。普段からパッキンや配管の状態をチェックする方は少ないかもしれませんが、パッキンのひび割れや配管の腐食が発生しているにもかかわらず、そのまま放置していると、水漏れが起こる可能性が高いです。掃除の際にはパッキンや配管も意識してチェックしましょう。

便器本体から水漏れが起きている

便器本体から水漏れが起きている場合も、便器の交換を考えた方が良いでしょう。

便器本体の水漏れといっても症状はさまざまで、便器と床の間に大量の水が染み出すこともあれば、温水洗浄便座からわずかな水漏れが起きるといったケースもあります。大量に水が漏れた場合は、多くの方が修理や交換を検討すると思います。しかし、わずかな水漏れであっても、そのまま放置するのはよくありません。

この場合も放置したまま使用し続けると、大がかりな工事が必要になることがあります。修理で対応可能なこともありますが、まずは業者に相談しましょう。

便器がひび割れた

便器がひび割れた際も、交換を考える方が多いです。

前述した通り、便器は陶器でできています。通常の使い方をしていれば、ひび割れることはあまりないかもしれませんが、何かを落として衝撃が加わると、ひび割れが起こることも珍しくありません。ひび割れが起こると、そこから水漏れが起きます。また、ひび割れができた時点で水漏れは起きていなくても、割れが少しずつ大きくなり、将来的に水漏れが起きるかもしれません。

わずかなひび割れであれば、市販されている補修剤を使用することもできます。しかし、将来のことを考えると、交換を考えた方が良いでしょう。

便器の汚れが落ちにくい

便器の汚れが落ちにくい場合も、便器の交換を考えるべきタイミングです。

毎日掃除をしていても、日々さまざまな汚れが付着する便器は、汚れが蓄積しやすいです。いつの間にか落としにくい黄ばみや黒ずみがこびり付いているケースもあるでしょう。汚れはにおいの原因になることもあります。

機能的な問題がなくても、家族や来客がより快適にトイレを使えるように、交換を検討するとよいかもしれません。

配管が詰まる

配管が詰まる場合も、便器の交換を検討すべきタイミングかもしれません。

大量のトイレットペーパーや、本来流すべきではない異物を流すと、配管で詰まりが発生します。完全に詰まっているわけではなくても、流れが悪い場合は、配管内部に何かがとどまっている可能性が高いです。

そのまま使用し続けると、完全に水が流れなくなる他、水漏れや逆流のリスクも出てきます。場合によっては床を剥がす工事が必要になることもあり、そのまま放置すると、さらに大がかりな工事が必要になる可能性もあります。

また、便器内の水位がいつもより少なかったり、便器の奥の方からゴポゴポと異音が聞こえる場合、排水管に詰まりが起きている可能性が高いです。その際は、便器や周辺の状態をしっかり確認しましょう。

なお、詰まりが原因で水の流れが悪くなっている場合は、熱湯や水、強力な薬剤を使って無理に流そうとするのは逆効果なため、行わないでください。

温水洗浄便座が故障している

温水洗浄便座が故障したときも、便器の交換を考えるのがおすすめです。

温水洗浄便座の寿命は約10年です。長期的に使用していると、内部の部品が劣化し、正常に動作しなくなることがあります。また、使用頻度が高かったり、間違った使い方をしたりすると、寿命よりも早く故障する場合もあります。例えば、便座が温まらなかったり、ノズルが動かなかったり、リモコンの反応が鈍くなった場合は、故障している可能性が高いです。

組み合わせトイレの場合、温水洗浄便座だけの交換もできますが、一体型トイレやタンクレストイレの場合、便器ごと交換が必要です。

使いにくさを感じる

機能的に大きな問題はなくても、使いにくさを感じる場合は便器の交換を考えるタイミングです。

便器は年々進化しており、近年は高機能モデルも多く登場しています。掃除のしにくさなど日常的な不便さを感じる場合や、自動洗浄機能・脱臭機能など新しい機能が欲しいと感じるようになった場合は、より快適で機能性の高い便器に交換するのもおすすめです。

大きなトラブルが起こる前に交換しておくことで、結果的に工事費用を抑えられる可能性もあります。

他の水回りのリフォームを考えている

キッチンやお風呂、洗面所など、トイレ以外の水回りのリフォームを検討している場合は、便器の交換も同時に行うとよいかもしれません。

同時に工事を行うことで、職人の手間や工期をまとめられるため、単体でリフォームするよりも人件費などの施工費を抑えられる場合があります。お得なセットリフォームプランを用意している業者もあります。

他の水回りも、トイレと同様10年~20年が一般的な寿命です。同じタイミングで寿命を迎える可能性も高いため、同時のリフォームを検討してみるとよいでしょう。

自分や親が高齢になってきた

自分や同居する親が高齢になってきたときは、便器の交換を考えるタイミングです。

狭いトイレ空間を安全で快適に使うには、センサー付きの温水洗浄便座への変更や、手すりの設置がおすすめです。手すりの設置だけであれば便器の交換は必要ありませんが、両方を同時に行うことで工事期間を短縮でき、リフォーム全体を効率的に進められます。また、タンクレストイレに変更すると空間が広く使えるため、介助が必要な方も利用しやすいです。

バリアフリー化を目的としたリフォームの場合、介護保険を利用して補助金を受けられることがあります。この機会に、使いやすいトイレへのリフォームを検討してみるのもよいでしょう。

便器は修理と交換どちらにすべき?

便器の交換と修理では、一般的に修理の方が費用を抑えやすいため、どちらを選ぶか迷う方も多いでしょう。しかし、修理をしても根本的な原因が解決せず、すぐに交換が必要になる場合もあります。

使用開始からそれほど年数がたっていなかったり、不具合が軽微であれば、修理で十分対応できる場合もあります。しかし、長期間使用している場合は、交換した方が結果的にお得に済むかもしれません。

以下で、便器を交換する3つのメリットをご紹介します。

1. 節水・節電効果が得られる

便器を交換すると、節水・節電効果が得られる可能性が高いです。

近年の便器は、少ない水量で効率よく洗浄できる製品が増えています。約10年前の便器では一回の洗浄に約13Lの水を使用していましたが、近年の製品では4L~5Lで流せるものが主流です。家族の人数が多いご家庭やトイレの使用頻度が高い場合、特に大きな節水効果が期待できます。

また、電気代の面でも、タイマー機能や自動節電モードを搭載した最新の便器は、従来の物より省エネ性能が高くなっています。

便器の交換にはまとまった費用がかかりますが、長期的に見ると水道代・電気代の節約につながるでしょう。

2. 掃除がしやすくなる

掃除がしやすくなることも、便器交換をするメリットの一つです。

近年の便器は、凹凸が少ないデザインやフチのない形状が主流になっており、自動洗浄機能を備えたタイプも増えています。また、汚れが付きにくい素材や、防汚コーティングが施された便器も多く、清潔な状態を保ちやすくなっているのが特徴です。

トイレは毎日使う場所のため、掃除のしやすさは大切なポイントです。お手入れが簡単になることで、日々の負担を減らし、気持ちよく使い続けられるでしょう。

3. 快適でスタイリッシュな空間になる

便器を交換することで、トイレを快適でスタイリッシュな空間へとリフォームできます。

近年人気の高いタンクレストイレは、タンクがない分だけ省スペースで、見た目もすっきりしています。空間を広げなくても、実際より広く感じられるのが特徴です。さらに、余裕ができたスペースにおしゃれな手洗い器を設置したり、キャビネットを設置してトイレットペーパーや生理用品、掃除用具などをすっきり収納したりすることもできます。

機能性だけでなく、デザイン面でも満足度の高いトイレ空間を実現できるでしょう。

不具合のある便器を使い続けるとどうなる?

不具合のある便器を使い続けると、水漏れや悪臭の原因になるだけでなく、思わぬトラブルを招く恐れがあります。

突然トイレが使えなくなるケースもあり、急な故障時にはすぐに修理してもらえない可能性も高いです。生活に欠かせないトイレが使えなくなると、日常生活に大きな支障が出るでしょう。

また、水漏れを放置すると短期間で被害が拡大し、床の腐食や漏電といった深刻な二次被害につながる可能性もあります。

軽微な不具合に見えても、そのまま使い続けることで他の部品に負担がかかり、故障箇所が広がるかもしれません。その結果、修理費用や工事費用が高額になることもあるため、早めの対処が大切です。

そろそろ寿命と思ったら便器の交換を考えよう

便器は10年〜20年で、部品の劣化や不具合が起こりやすくなります。水漏れや流れの悪さ、使いにくさを感じ始めたら、それは交換のサインかもしれません。使用して10年程度たったら、便器やその周辺を定期的にチェックしましょう。

近年の便器は、節水・節電機能の向上に加え、掃除がしやすく、デザイン性も優れています。また、介護保険や国・自治体の補助金が使える場合もあるため、不具合が大きくなる前に、早めの交換を検討しましょう。

便器の交換を検討中の方は、トイレをはじめとした水回りのリフォームの実績が豊富な住宅設備協同組合にご相談ください。2年ごとの無料点検や10年間の工事保証が付いているため、リフォーム後も安心です。また、毎週リフォーム相談会も開催しており、予約特典もご用意しています。さらに、各補助金のご案内や手続きの無料代行も行っています。

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