
トイレの水漏れは突発的に発生するため、どう対処して良いのか分からない方が多いのではないでしょうか。
水漏れの症状は、便器と床の間からじわじわと水がしみ出したり、タンクやレバーからポタポタと水が落ち続けたりとさまざまです。放置すると床材の腐食やカビの発生、下の階への漏水などのトラブルにつながる可能性があります。
被害を広げないためには、水漏れの原因を知り、早めの修理やリフォームの検討が大切です。本記事では、水漏れの症状別の原因や応急処置の仕方、自分で修理する方法を解説します。
【この記事で分かること】
- トイレの水漏れの原因には、タンク内の部品や便器のひび割れなどが挙げられる
- トイレで水漏れが起こったら、まずは止水栓を閉めるなど応急処置を行う
- 古い便器を使用している場合は、リフォームで対応すると良い

住宅設備協同組合
東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。
トイレの水漏れが起きたらどうする?まずは応急処置で対応

トイレの水漏れが起こったら、まずは以下の手順で応急処置を行いましょう。
- 止水栓を閉める
- タオルや雑巾で濡れた箇所を拭き取る
- 乾いたタオルや雑巾を敷き詰めて水の広がりを防ぐ
1. 止水栓を閉める
まずは止水栓を閉め、水の流れを遮断しましょう。水漏れが続いたままだと床や壁まで広がり、被害が大きくなります。止水栓を閉めるとタンクへの給水が止まり、新たに水が流れ出すのを防げます。
止水栓はトイレタンクの横や便器の後ろ側にあり、ハンドルを回して閉めるか、マイナスドライバーで回して閉めるタイプが一般的です。止水栓が見つからない場合や硬くて回らない場合は、水道の元栓を閉めましょう。
2. タオルや雑巾で濡れた箇所を拭き取る
次に、タオルや雑巾で濡れた箇所を拭き取りましょう。水が残ったままだと床材が傷んだり、カビが発生したりする可能性があります。汚水が漏れている場合は、衛生面のためにもアルコール消毒などで除菌しましょう。
このとき、どこから水が漏れているのか確認しておくと、後から管理会社や修理業者に状況を説明しやすくなります。
3. 乾いたタオルや雑巾を敷き詰めて水の広がりを防ぐ
最後に、乾いたタオルや雑巾を水漏れ箇所の周りに敷き詰めておきましょう。こうすることで水の広がりを抑えられ、床材の傷みや2次被害の拡大を防げます。
水漏れがひどいとタオルがすぐに濡れるため、小まめに交換しながら敷き詰めるのがポイントです。
【症状別】トイレの水漏れの主な原因

トイレの床やタンク、配管などから水が漏れている場合は、まずは原因を特定し、症状に応じて適切に対処する必要があります。
ここでは、トイレの水漏れの原因を代表的な症状別に分けて紹介します。
- 便器と床の間からじわじわ水が漏れている
- タンクから水が漏れている
- 配管(給水管・排水管・止水栓)から水が漏れている
便器と床の間からじわじわ水が漏れている
便器と床の間からじわじわと水が漏れている場合、いくつかの原因が考えられます。代表的なものは、以下の通りです。
- パッキンが劣化している
- 便器にひび割れが生じている
- 床下の排水管が壊れている
- 業者の施工不良で水漏れが発生している
パッキンが劣化している
便器と床の間からの水漏れの原因で多く挙げられるのが、パッキンの劣化です。
パッキンは便器と床の間や止水栓、配管の接合部分などに取り付けられています。部品同士の隙間を密閉し、内部から水が漏れないようにする役割を果たしているものです。
しかし、経年によって硬化やひび割れが起こると密閉性が失われ、少しずつ水がしみ出します。設置当初もしくは10年以上同じパッキンを使用している場合は、専門業者に依頼して、新しいものに交換してもらいましょう。
便器にひび割れが生じている
便器にひび割れが生じると、そこから少しずつ水がしみ出して床に広がる場合があります。便器は耐久性に優れた陶器などで作られている場合が一般的ですが、経年劣化や落下物との接触、温度変化によって表面にひびが生じる可能性があります。
ひび割れを放置すると、汚水が床に広がって衛生面の問題を引き起こすリスクがあるため、早めに本体の交換を業者に依頼しましょう。
床下の排水管が壊れている
茶色く濁った汚水が床に広がっている場合、床下の排水管が壊れている可能性があります。悪臭が漂っているときも、床下の排水管の破損を疑いましょう。
排水管の故障は自力での修理が難しく、放置すると床材の腐食が加速する可能性があります。早急に水道修理業者やリフォーム業者に連絡し、原因を特定してもらいましょう。
業者の施工不良で水漏れが発生している
パッキンの劣化やひび割れ、排水管の破損ではなく、業者の施工不良で便器と床の間から水漏れが起こるケースもあります。
通常、正しい手順で設置されていれば水漏れは発生しません。しかし、便器の取り付け位置がずれていたり、接合部がしっかり密閉されていなかったりすると、わずかな隙間から水がしみ出します。
施工不良は部品交換では解決できないため、施工した業者や修理業者に連絡し、再度取り付けや補修を依頼しましょう。
タンクから水が漏れている
タンクからの水漏れは、主に以下のような原因が挙げられます。
- タンク内の部品に不具合が起きている
- タンク下の密結パッキンが劣化している
- タンクにひび割れが生じている
タンク内の部品に不具合が起きている
タンク内のゴムフロートやオーバーフロー管、ボールタップなどの部品に不具合が起きていると、タンクの外に水が漏れ出す可能性があります。
例えば、タンクからチョロチョロと水が流れる音がする場合は、ゴムフロート(フロートバルブ)が劣化している可能性があります。ゴムフロートとは、タンクの水をせき止めるために排水口をふさいでいるゴム製の弁です。経年劣化で硬くなったりひびが割れたりすると隙間ができ、水が便器内に流れ続けます。
その他、ボールタップが劣化して給水管の弁が閉まっていなかったり、オーバーフロー管が折れてタンクの水位が保てなくなっていたりする可能性があります。
自分で交換しても良いですが、タンク内は細かい部品が多く失敗しやすいため、業者に依頼した方が良いでしょう。
タンク下の密結パッキンが劣化している
タンク下の密結パッキンが劣化していると、そこからポタポタと水が流れる可能性があります。
密結パッキンとは、タンクの下側と便器をつなぐ接合部に取り付けられたゴム製の部品です。経年劣化でパッキンが傷むと、密閉性がなくなってタンクの水が少しずつ漏れ出します。
この場合、タンクの水を抜いて各部品を取り外し、タンク本体を一度持ち上げて密結パッキンを交換する必要があります。手順を間違えると破損や水漏れの悪化につながる可能性があるため、無理をせず業者に依頼しましょう。
タンクにひび割れが生じている
タンクのひび割れが原因で水漏れが発生している可能性があります。前述の通りタンクは一般的に陶器などで作られていて耐久性は高いですが、経年劣化や衝撃でひびが入る場合があります。表面にひびが入っていないかを確認し、軽度であれば補修用の接着剤で修繕しましょう。
ひびが深く入っている場合は、タンク本体を交換する必要があるため、専門業者に依頼しましょう。
配管(給水管・排水管・止水栓)から水が漏れている
配管から水が漏れている場合、内部の接続部のパッキンが劣化していたり、ナットが緩んでいたりする可能性があります。
ナットを締め直しても改善しない場合、内部のパッキンや配管自体の劣化が原因と考えられます。配管の劣化はDIY修理では対応できないため、業者に修理を依頼しましょう。
具体的なDIY修理の方法は、次の章で解説しているため、併せて参考にしてみてください。
【ケース別】トイレの水漏れを自分で修理する方法と注意点
トイレの水漏れを改善するには、配管や部品に関する知識が必要です。しかし、中には「修理費用を抑えるために自分で修理したい」と思っている方もいるのではないでしょうか。軽度な水漏れであれば、ナットの締め直しやパッキン交換で対応できる場合があります。
ここでは、以下のケース別に、自分でできる応急修理の方法と作業時の注意点を紹介します。
- 給水管・止水栓から水漏れする場合
- タンク下から水漏れする場合
給水管・止水栓から水漏れする場合:ナットの締め直し・パッキンの交換
給水管・止水栓から水が漏れている場合、接合部のナットが緩んでいる可能性があります。内部のパッキンの劣化で水が漏れている可能性がありますが、まずはナットを締め直して症状が改善するかを確認しましょう。
やり方としては、まずは止水栓を閉め、給水管と排水管を接続しているナットを締めます。締める際は、モンキーレンチを使用すると便利です。
締め直しても水漏れが続く場合は、パッキンを交換してみましょう。交換手順は、以下の通りです。
- 止水栓を締める
- 給水管と排水管をつないでいるナットをモンキーレンチで外す
- 排水管を取り外す
- 中に入っている古いパッキンを取り出す(黒いゴム製のもの)
- 新しいパッキンを取り付ける
- 取り外した排水管を固定し、ナットで締めて元通りに戻す
パッキンはホームセンターで販売されているため、取扱説明書などで適合するサイズを調べ、新しいものを購入しましょう。
タンク下から水漏れする場合:密結パッキンの交換
タンク下から水漏れしている場合、タンク本体と便座の間に設置されている密結パッキンを交換してみましょう。
作業手順は、以下の通りです。
- 止水栓を閉める
- トイレを流してタンク内を空にする
- ウォーターポンププライヤーでタンク本体と便座の間のナットを外す
- タンクを取り外し、バスタオルの上に横倒しで置く
- 底部の密結パッキンを取り外し、新しいものと交換する
- タンクを元に戻し、ナットで固定する
- 止水栓を開けて水を流す
タンクは重量があるため、落としたり角にぶつけたりしないように注意しましょう。作業に不安がある場合は、無理をせず専門業者へ依頼しましょう。
トイレの水漏れが発生したらリフォームを検討しよう
トイレの水漏れは、部品の交換や修理で改善する場合があります。しかし、便器が古かったり、床材が水を吸って傷んでいたりする場合は、修理だけでは対応できない可能性があります。
メーカーにもよりますが、トイレの交換目安は10年程度です。長く使用していると、内部の部品が劣化して水漏れを繰り返す可能性があります。10年以上同じ便器を使用している場合は、本体交換やリフォームを検討しましょう。
最新型の節水型トイレは、少ない水量で流せるように設計されているため、水道代の節約につながります。床材が傷んでいる場合は、本体交換と併せて内装リフォームを検討しましょう。
トイレの水漏れ修理・リフォーム費用の相場
トイレの水漏れ修理・リフォーム費用の相場は、業者や工事内容によって異なります。
以下は、主な修理内容ごとの費用相場をまとめたものです。
| 修理内容 | 費用相場 |
| パッキンの交換・調整 | 6,000円~1万5,000円 |
| タンク内の修理 | 8,000円~2万5,000円 |
| 便器の本体交換(洋式→洋式) | 3万円~20万円 |
| タンクレストイレへの交換(※) | 30万円~50万円 |
| 止水栓の修理 | 8,000円~1万8,000円 |
| 床材の張り替え | 2万円~4万円 |
| 内装リフォーム(タンク式トイレ交換込)(※) | 20万円~100万円 |
部分修理なら、数千円~数万円で依頼できるケースが多いです。便器の交換は数十万程度が目安ですが、タンクレストイレは従来型より本体価格が高い傾向があるため、30万円~50万円かかる場合があります(※)。
内装リフォームは大規模工事になるため、20万円〜100万円かかる可能性があります(※)。
ただし、正確な金額は業者によって異なるため、まずは複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
賃貸物件でトイレで水漏れが起こったときの対応
賃貸物件でトイレの水漏れが起こった場合まずは応急処置を行い、応急処置が終わったら管理会社やオーナーに連絡し、今後の対応を仰ぎましょう。個人の判断で修理した場合、後から費用負担を巡ってトラブルになる可能性があります。
応急処置では、冒頭で紹介した通り止水栓を止め、濡れている箇所をタオルや雑巾で拭き取ります。温水洗浄便座の場合はコンセントを抜き、水漏れによる漏電を防止しましょう。
個人所有のマンションの場合、階下への漏水を防ぐためにも早めに修理業者に相談しましょう。必要に応じて部分修理やリフォームを検討し、被害の拡大を防ぐことが大切です。
トイレの水漏れは原因特定が難しい! 早めに業者に修理を依頼しよう
トイレの水漏れは、便器やタンク、配管、パッキンなど原因が多岐にわたるため、自分で原因を特定するのは簡単ではありません。構造部分に原因がある可能性もあるため、早めに修理やリフォームを依頼しましょう。
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