
お風呂は一日の疲れを癒す大切な場所です。しかし、排水口から下水のようなにおいがすると不快な気持ちになり、ゆったりとバスタイムを楽しめなくなります。なぜ排水口から嫌なにおいが漂ってくるのでしょうか。
本記事では、排水口から嫌なにおいがする理由を掘り下げ、自分でできる効果的な対策方法を解説します。自力では解決できない場合に取るべき行動についても解説するので、本記事を参考に、心からリラックスできるバスタイムを取り戻しましょう。
【この記事で分かること】
- お風呂で下水のにおいが気になる場合、排水トラップのパーツ外れや封水の減り、排水口・排水管への汚れの蓄積などが原因として考えられる。
- ただし、複数の原因が重なっていることもあるので、においを改善するには徹底した掃除を行うのが効果的。
- 掃除をしても改善しない場合、お風呂のリフォームを検討するのがおすすめ。
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住宅設備協同組合
東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。
お風呂の排水口が臭いのはどうして? 原因別の対処法

お風呂の排水口が臭い場合、どのような理由が考えられるのでしょうか。まずは排水口が臭い場合の原因と、原因別の対処法をご紹介します。
排水トラップのパーツが外れている
排水トラップのパーツが外れていることは、お風呂の排水口が臭い原因の一つです。
排水口には、下水のにおいが上がってくるのを防ぐための排水トラップがあります。掃除をした際などに、この排水トラップのパーツが緩み、外れると、下水のにおいをシャットアウトする効果が落ちてしまい、ドブのような臭いにおいが浴室内に漂います。
お風呂掃除をした後から排水口のにおいが気になりはじめた場合は、排水トラップがきちんとはまっているかをチェックしてみましょう。
排水トラップの封水が減っている
お風呂で下水臭がする場合、排水トラップの封水が減っている可能性もあります。
封水とは、排水トラップにたまっている水のことで、排水管の嫌なにおいが浴室内に上がってこないようにするためのものです。また、害虫が室内に侵入するのを防ぐ役割もあります。しかし、長期間お風呂を使用していなかったり、気圧が変化したりすると封水が減り、下水のにおいが上がってくることがあります。
このような場合は、封水を補充すれば短時間で下水のにおいが収まることがほとんどです。一般的に、封水は5〜7cmの水位を保つことが推奨されています。
排水口・排水管に汚れが蓄積している
排水口・排水管に汚れが蓄積していることも、お風呂が下水臭くなる原因です。
体や髪の毛を洗うときに出る抜け毛や皮脂、せっけんかすなどは、排水口を通って、排水管に流れていきます。ただし、流れきらなかった汚れは次第にたまり、悪臭やカビの発生原因になってしまいます。
一見排水口に汚れがない場合でも、その奥の排水管に汚れが蓄積し、詰まりが起こっているケースも珍しくありません。排水管が詰まり、排水がうまく流れなくなると、たまった汚れや水が原因で嫌なにおいが発生することがあります。排水口はヘアキャッチャーなどのパーツを外して、小まめに掃除しましょう。
また、排水口を掃除してもにおいが改善しない場合は、長いワイヤーブラシを使い、排水口から差し込んで、排水管を優しくこすり洗いするのが効果的です。ただし排水管のメンテナンスは専門知識が必要になるため、無理に行わず、必要に応じて業者に相談しましょう。
洗面所や洗濯機の排水からにおいが上がってくる
浴室内の排水口や排水管に問題がなくても、洗面所や洗濯機の排水からにおいが上がってくることがあります。
お風呂の排水管は見えないところで他の空間の排水管とつながっています。そのため、洗面所や洗濯機の配管に汚れが蓄積していたり、詰まりによって水がたまっていたりすると、排水管を通って、浴室まで臭いにおいが漂ってくることがあるのです。
お風呂を徹底的に掃除しても、においが改善しない場合は、洗面所や洗濯機まわりの排水管を確認する必要があります。ただし、前述した通り、排水管の点検やメンテナンスには専門的な知識が欠かせません。無理に作業を行うのは避け、専門業者に相談するのが安心です。
また、においの原因が排水管ではなく洗濯機そのものにあるケースもあります。その場合は洗濯槽のクリーニングを試すか、必要に応じて買い替えを検討すると良いでしょう。
集合住宅の共有排水管に問題がある
集合住宅では、各部屋からの排水が共有排水管を通って流れます。そのため、この共有排水管が詰まったり、破損や劣化が進んだりすると、そこから悪臭が発生し、各部屋にまでにおいが広がることがあります。他の住民も同じように下水のにおいに悩まされている可能性が高いのも、このケースの特徴です。
共有排水管は、各部屋の所有者が対応できるものではありません。この原因が疑われる場合は、管理会社や管理組合に相談し、適切な対処を依頼しましょう。
お風呂の排水口の嫌なにおいを改善する掃除の方法

お風呂の排水口から嫌なにおいがする場合は、原因に応じて前述の方法で対処できます。ただし、においの原因が一つとは限らないため、排水口周辺の掃除をしっかりと行うことが効果的です。
ここからは、お風呂の排水口の嫌なにおいを改善するための徹底的な掃除方法を、順を追ってご紹介します。掃除の手順は以下の通りです。
- 必要な道具を用意する
- ヘアキャッチャーをこすり洗いする
- 排水口周辺の汚れやぬめりをこすり洗いする
- 重曹&クエン酸で排水管洗浄を行う
- 市販の排水管用洗浄剤でさらに洗浄する
- 排水口周辺を殺菌・消毒する
それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
必要な道具を用意する
まず必要な道具を用意しましょう。排水口掃除におすすめのアイテムは、以下の通りです。
- ゴム手袋
- マスク
- ワイヤーブラシ(曲がりやすく長いもの)
- 歯ブラシ
- スポンジ
- 重曹
- クエン酸
- 中性洗剤
- 排水管用洗浄剤
- 除菌スプレー・次亜塩素酸系消毒剤など
- LEDライト
以上を参考に、掃除グッズをそろえておきましょう。
ヘアキャッチャーをこすり洗いする
道具がそろったら、ゴム手袋とマスクを付けて、さっそく掃除をはじめていきます。
まずは排水口のふたを開けて、ヘアキャッチャーを取り外しましょう。ヘアキャッチャーは、浴室で発生する汚れが排水管に流れないように堰き止める役割があるため、小まめに掃除をしていない場合、日々さまざまな汚れが蓄積していきます。
取り外したらたまっている汚れを取り除き、中性洗剤をスプレーしましょう。少し置いたら汚れが浮いてくるので、歯ブラシやスポンジを使ってしっかりとこすります。裏面や側面にも汚れが付着しているため、全体的にこするようにしましょう。
ヘアキャッチャーがかなり汚れ、劣化しているのなら、このパーツだけを取り替えることもできます。メーカーのオンラインショッピングサイトなどで販売されているので、ご自宅の排水口に合うものを買い替えることも検討しましょう。
排水口周辺の汚れやぬめりをこすり洗いする
次に排水口周辺の汚れをこすり洗いしましょう。
中性洗剤もしくは重曹を使うと、汚れやぬめりを効果的に落とせます。重曹を使う場合は、排水口全体に振りかけた後、スポンジで気になる箇所を優しくこすりましょう。その後、40度程度のお湯をかけて、洗い流します。細かい部分は歯ブラシを使ってこすり洗いしてください。
その後、ワイヤーブラシを使用し、排水管の内部も掃除します。ただし、ワイヤーブラシを奥まで突っ込むことはせず、10cmくらいの範囲にとどめましょう。強くこするのはNGです。汚れをかき出すイメージで、上下に動かしながら優しくこすります。
仕上げとして60度程度のお湯を流すことで、取り切れなかった汚れや雑菌を取り除く効果が期待できます。ただし、配管の材質によっては劣化につながる恐れもあるため、材質が分からない場合は、50度以下のお湯で代用しましょう。
重曹&クエン酸で排水管洗浄を行う
次に重曹とクエン酸を使い、ワイヤーブラシでは掃除できない排水管の奥の方まで洗浄します。
まず排水口に重曹大さじ2、クエン酸大さじ1を振りかけます。重曹とクエン酸、水が反応して泡が出てくるので、そのまま15分ほど放置しましょう。時間がたったら40度程度のお湯2〜3Lを一気に流します。
こうした作業を行うことで、下水臭やカビの原因となる雑菌の繁殖を防ぐことができます。月1〜2回を目安に定期的に行うと、排水管内の汚れの蓄積を防ぐことが可能です。泡があまり出ない場合は、重曹とクエン酸を増やしてみると良いでしょう。
市販の排水管用洗浄剤でさらに洗浄する
排水口を徹底的にきれいにするためには、市販の排水管用洗浄剤を使用するのもおすすめです。排水管用洗浄剤には酸性・アルカリ性・塩素系といった種類がありますが、お風呂の排水管の掃除には、アルカリ性もしくは塩素系の洗浄剤を選んでください。
また、洗剤の形状も液体・錠剤・顆粒などさまざまです。詰まりがかなりひどい場合、発泡効果で汚れをさらに落としやすくする錠剤や顆粒などを選ぶと良いでしょう。ただし、排水管全体に洗剤の成分を行きわたらせるためには、液体タイプがおすすめです。排水管の状態に応じて、使い分けるようにしましょう。
異なる性質の洗剤を使用する際は同時に行わず、別々に行います。また、必ずゴム手袋やマスクを着用しましょう。説明書の指示に従って掃除を行ったら、排水口にお湯を流して完全に洗剤を洗い流します。
なお、古い配管の場合、洗剤の使用により劣化が進んでしまう恐れがあります。築年数がたっている場合は、自己判断で無理に行わず、まずは業者に相談してみましょう。
排水口周辺を殺菌・消毒する
最後に排水口周辺を殺菌・消毒します。こうすることで、下水臭いにおいやカビの原因となる雑菌の繁殖を防ぐことが可能です。
殺菌・除菌には、消毒用エタノールや除菌スプレー、次亜塩素酸系消毒剤などを使用します。日々の掃除の後には消毒用エタノール、週1・2回程度の掃除の後は除菌スプレーの使用がおすすめです。月1回程度の徹底した掃除の際は、次亜塩素酸系消毒剤を使用すると良いでしょう。ただし、次亜塩素酸系消毒剤を使用した後は、スプレー後にしっかりと洗い流すことを忘れないようにしてください。
また、異なる消毒剤を混ぜるのは危険です。必ず単体で使用しましょう。
殺菌・消毒は雑菌の増殖を防ぐのに効果的ですが、やり過ぎると浴室や排水口を傷める可能性があります。使い過ぎには注意しましょう。
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その臭いにおいは排水口以外に原因がある可能性も
排水口から嫌なにおいがすると思っても、実はそれ以外の場所に原因がある可能性もあります。下水臭であれば排水口の可能性が高いですが、生臭いにおいやカビ臭いにおいがする場合は、他の箇所の汚れも疑ってみましょう。
生臭いにおいがする場合、風呂釜に蓄積した皮脂汚れやせっけんかす、入浴剤などの成分などが混ざり、それをエサにして、風呂釜の配管に雑菌が繁殖している可能性があります。
特に追い焚き機能を頻繁に使っている場合は注意が必要です。便利な機能ですが、浴槽内のお湯を循環させて温め直すので、配管内にお湯に含まれる汚れや菌が吸い込まれ、蓄積しやすくなります。風呂釜は専用洗剤を使って定期的に掃除し、汚れや菌の付着を防ぎましょう。
カビ臭いにおいがする場合は、換気扇に蓄積したほこりをエサに、カビが増殖している可能性が高いです。浴室は湿気が多い箇所なので、カビが繁殖する好条件となっています。放出されたカビ胞子を吸い込むと、健康被害が出る恐れもあります。換気扇を定期的に掃除し、浴室使用後は換気を徹底しましょう。
自力で排水口のにおいが改善しない場合はリフォームを検討しよう
徹底した掃除をしても、なかなか下水臭さが改善しないこともあります。この場合、自分では掃除できない場所に汚れがたまっている可能性が高く、それが嫌なにおいの原因となっていることが考えられます。
業者にクリーニングを依頼する方法もありますが、何度も頼むと費用がかさんでしまいます。そこで選択肢の一つとなるのが、お風呂のリフォームです。お風呂をリフォームすると、においの原因となる部分をまとめて改善できます。近年では、汚れが付きにくい素材や加工が施された製品も多いので、日々のお手入れも楽になるでしょう。
お風呂のリフォームは、使用開始から10〜20年が目安とされています。10年以上使用している方で、においが気になる場合は、リフォームも検討してみると良いでしょう。
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排水口の臭いにおいは小まめな掃除で防ごう
排水口からドブ臭いにおいがすると、せっかくのバスタイムが不快なものになってしまいます。嫌なにおいがするときは、今回ご紹介した方法を参考に、適切な対処をしてみてください。
お風呂は汚れがたまりやすいので、においを防ぐには小まめな掃除が肝心です。日々の入浴前後に簡単な掃除を行い、汚れの蓄積を防ぎましょう。
何をしても下水のにおいが改善されないなら、お風呂のリフォームの検討がおすすめです。内容によっては補助金制度の対象になることもあるため、お得にリフォームができる可能性もあります。
住宅設備協同組合は、お風呂を含めたリフォームに10万件の施工実績があります。見た目が一新されるだけでなく、メンテナンスの手間も軽減されるため、においに悩まされている方は、お気軽にご相談ください。











