浴室暖房の後付けは可能?選択肢と選び方、気になる電気代を解説

「冬のお風呂場が寒くてつらい」「高齢の家族がいてヒートショックが心配」といった悩みを抱えている方の中には、浴室暖房の後付けを検討されている方も多いのではないでしょうか。浴室暖房を設置すれば、浴室の温度を快適に保てるため、寒さ対策やヒートショック防止にぴったりです。一方で「後付けできるのか?」「電気代がかさむのでは?」という不安を感じる声も少なくありません。

そこで本記事では、浴室暖房の後付けが可能かどうかを解説すると共に、取り付け場所や熱源の種類、浴室暖房の選び方についてまとめています。併せて、気になる電気代の目安についても紹介しています。浴室暖房の後付けを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

【この記事で分かること】

  • 浴室暖房の後付けはほとんどの物件で可能。ただし換気扇の有無や天井・壁のスペースによっては難しい場合もある
  • 浴室暖房を選ぶときは設置場所や費用、機能性、換気室数などをチェック
  • 電気代は機種によるが、1時間当たり約34~40円が目安
この記事の著者

住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

浴室暖房はほとんどの物件で後付け可能

浴室暖房はユニットバスに元々付いていることも多く「後付けできるのか不安」という方もいるでしょう。結論として、浴室暖房は戸建て・マンションを問わず、ほとんどの物件で後付けできます。特に天井に換気扇が付いているケースでは、既に電気配線や換気ダクトが備わっているため、浴室暖房本体を取り付けるだけで比較的簡単に施工できます。

浴室暖房を後付けできないケース

ほとんどの物件で後付け可能な浴室暖房ですが、浴室の状況によっては設置が難しい場合もあります。具体的には以下のようなケースです。

  • 天井に換気扇が付いていない
  • 取り付け位置のすぐ近くに照明がある
  • 取り付けスペースがフラットでない

天井に換気扇が付いていない場合、新たに壁に穴を開けて配線工事や換気ダクトの設置などを行えば後付け可能になります。ただし、マンションの場合は注意が必要です。賃貸の場合は原状回復が原則のため、壁に穴を開けるのは難しいケースが多いです。また分譲マンションの場合でも、管理規約により天井への穴開けは制限されている場合があります。そのため、マンションに浴室暖房を設置したい場合は、まず天井に換気扇が付いているかどうかを確認するとよいでしょう。

また浴室暖房を取り付けたい場所のすぐそばに照明がある場合も、要注意です。浴室暖房からは熱風が出るため、近くに照明があるとカバーが溶ける危険性があります。位置を変えるための配線工事を行えば設置できますが、その場合は別途工事費用が発生する点に注意が必要です。

さらには、取り付け場所の形状も確認しておきましょう。浴室暖房は原則としてフラットな場所に設置する必要があるため、天井がドーム型になっていたり、凹凸があったりすると取り付けられない場合があります。その場合は、後述する壁掛け型を検討するというのも一つの方法です。

浴室暖房の取り付け場所

浴室暖房は、取り付け場所複数の種類に分かれます。ここでは、浴室暖房の主な取り付け場所とそれぞれの特徴をまとめています。

天井埋め込み型

天井埋め込み型は、浴室の天井に本体を埋め込むタイプの浴室暖房です。比較的スタンダードなタイプで、出っ張りがないため浴室がすっきり見えるところがメリットです。また天井から熱風を送り出す構造のため、浴室全体を均一に温めやすいという利点もあります。天井に元々換気扇が付いている場合は、この天井埋め込み型に交換するのが一般的です。

ただし、設置には天井裏に浴室暖房機を埋め込めるだけの十分なスペースが必要です。換気扇がない場合は別途穴開け工事を行わなければなりません。特にマンションで構造上換気扇がないケースでは、後付けが難しい可能性があります。

天井取り付け型

天井取り付け型は、浴室の天井に吊り下げる形で設置するタイプの浴室暖房です。天井に埋め込む必要がないため、穴開け工事を行う必要がなく、工事の手間と費用を抑えられる点が魅力でしょう。

また天井裏に十分なスペースがなくても設置できるため、建物の構造上、埋め込み型の設置が難しいマンションなどでも対応しやすいのが利点です。一方で、埋め込み型に比べて本体が出っ張るため、人によっては圧迫感が気になるかもしれません。さらに、埋め込み型に比べるとバリエーションが少なく、本体価格もやや高めの傾向がある点には注意が必要です。

壁掛け型

壁掛け型は、浴室の壁に設置するタイプの浴室暖房です。壁面に取り付けるため、天井取り付け型と同じく、穴開け工事が不要で、設置費用を抑えやすいのがメリットです。

天井に換気扇がない場合や、十分なスペースを確保できない場合に特におすすめのタイプですが、排気ダクトの関係で、外に面している壁にしか取り付けられません。外に面している壁には窓が設けられているケースが多いため、窓の位置や大きさによっては浴室暖房を取り付けられないこともあります。

浴室暖房の熱源

浴室暖房は、熱源によっても3つの種類に分かれます。ここでは、浴室暖房の主な熱源とそれぞれの特徴をまとめています。

ガス温水式

ガス温水式は、ガス式の給湯暖房用熱源機でつくった温水を循環させ、その温風で浴室を暖めるタイプの浴室暖房です。後述する電気式に比べるとパワーが強く、短時間で効率的に浴室を暖められます。またガスを熱源としているため、電気代をそれほど気にせず使用できるのもメリットの一つです。

ただし、専用の給湯暖房用熱源機が必要となるため、給湯器ごと交換する必要があります。本体代や配管工事といった費用が別途かかるため、初期費用が高くなりやすい点はデメリットです。

電気式

電気式は電気を熱源としたタイプの浴室暖房で、構造によってヒーター式とヒートポンプ式の2種類に区分されます。

ヒーター式は、浴室暖房機の中で発生した熱を利用して温風を送るタイプです。比較的簡単に取り付けられるため、初期導入費を安く済ませやすいのがメリットになります。ただし、温まるまでにやや時間がかかる点や、パワーはさほど強くない点には注意が必要です。

一方、ヒートポンプ式は外気の熱を利用して浴室内を暖めるタイプです。ヒーター式に比べてパワーが強く、予備暖房時間が短い、ランニング費用が低いなどのメリットがあります。ただし、ヒーター式よりも取り付けに手間がかかる点がデメリットです。

電気式の大きなメリットは、ガス式より初期費用を抑えられる点にあります。しかしいずれのタイプも、パワーはガス式におよびません。

灯油式

灯油式は、熱源に灯油を使用する浴室暖房です。3種類の熱源の中でもパワーが強く、広い浴室でも短時間で暖められるのが特徴です。

特に寒冷地に適したタイプですが、排気ガスを屋外に排出するための排気設備を取り付ける必要があります。また自動で供給される電気やガスとは異なり、灯油式は定期的な給油が必要です。給油を怠ると使用できなくなる点や、手間がかかる点には注意が必要です。

4つのポイントをチェック! 浴室暖房の選び方

続いて、ご自身やご家族のニーズにぴったり合った浴室暖房を選ぶ際に、チェックしておきたいポイントを4つご紹介します。

設置場所をチェック

まずは浴室暖房を取り付ける場所をチェックしましょう。天井に十分なスペースがあり、かつフラットな部分がある場合は、天井埋め込み型または天井取り付け型がおすすめです。見た目をすっきりさせたいなら天井埋め込み型、取り付け費用を抑えたいなら天井取り付け型が向いています。天井開口部のサイズや天井裏の寸法を、浴室暖房本体のサイズと照らし合わせて、問題なく設置できるのかどうかを確認してください。

浴室暖房のサイズには、開口部に応じて標準サイズとコンパクトサイズの2種類があります。コンパクトサイズは主要メーカーでサイズが共通している場合が多いですが、標準サイズはメーカーごとに寸法が異なるため、注意が必要です。天井に取り付けできない場合は、壁掛け型の選択となります。壁掛け型もメーカーや製品によってサイズが異なるため、取り付け可能な場所の寸法を測った上で、設置可能な製品を選び、比較検討することをおすすめします。

初期導入費とランニング費用をチェック

浴室暖房を後付けする際は、初期導入費とランニング費用の両方をチェックしましょう。初期導入費を抑えたい場合は、天井取り付け型や壁掛け型で、熱源が電気のタイプを選ぶのがおすすめです。特に電気を熱源としたヒーター式のものは初期導入費がさらに安くなる傾向にあります。

ただし、ヒーター式はヒートポンプ式に比べてランニング費用が高くなりやすいため、初期導入費を抑えても、長年使用するうちにランニング費用の増加でトータルコストがかさむ可能性も十分あり得るでしょう。特に浴室暖房を冬場だけではなく、洗濯物の乾燥など一年を通して使用する場合は、ランニング費用を重視して浴室暖房を選んだ方が良いかもしれません。ランニング費用を重視する場合は、ガス式か灯油式の浴室暖房も検討してみましょう。

機能性をチェック

浴室暖房は、機種によって搭載されている機能が大きく異なります。浴室を暖めるだけのシンプルなタイプもあれば、乾燥機能や換気機能などさまざまな機能を備えた多機能タイプもあります。そのため、自分のニーズに合った機種を選ぶことが大切です。

主な浴室暖房の機能は以下の通りです。

  • 乾燥機能
  • 換気機能
  • 涼風機能
  • 予備暖房機能
  • ミスト機能
  • 空気清浄機能

例えば、浴室で衣類を乾燥させたい場合は乾燥機能付きの機種を、夏場の快適性を高めたい場合は涼風機能付きの機種を選ぶと、より満足度が高くなります。冬場のヒートショック対策を重視する場合は、入浴前に浴室を暖めてくれる予備暖房機能付きのものがおすすめです。

ただしこれらは、多くの機能が搭載されているほど本体価格は高くなります。「多機能タイプを設置したが、実際には暖房以外ほとんど使わなかった」というケースも少なくありません。そのため、自分のライフスタイルや現在の悩みを整理した上で、必要な機能が搭載された浴室暖房を選ぶことが大切です。

換気室数をチェック

換気室数とは、一台の浴室暖房で換気できる部屋の数です。浴室のみを換気するタイプは1室換気、浴室に加えて1~2室(洗面所やトイレなど)を換気できるタイプは2室換気、さらに3室を換気できるタイプは「3室換気」と呼ばれます。

戸建ての多くは1室換気ですが、マンションなどの集合住宅では2室換気や3室換気を導入しているケースも少なくありません。

その場合は、対応した換気機能を持つ浴室暖房を選ぶ必要があります。通気口やダクトの関係上、換気室数を後から変更することは基本的にできないため、あらかじめ自宅の換気室数をチェックしてから機種を絞り込むようにしましょう。

なお、換気室数は換気扇メーカーのWebサイトで本体型番などから検索できます。また洗面所やトイレに換気扇があるにもかかわらず、それぞれのスイッチが見当たらない場合は、2室または3室換気の可能性が高いと考えられます。

浴室暖房の気になる電気代

浴室暖房を初めて導入する方にとって、毎月の電気代がどのくらいになるのか気になるポイントでしょう。実際には契約している電力会社によって異なりますが、浴室暖房の電気代は、基本的に以下の式で計算できます。

電気代 = 消費電力量(kWh) × 電力量料金(円/kWh)

電力量料金は、カタログ上では全国家庭電気製品公正取引協議会が定めた目安単価(現在は31円/kWh)が採用されています。消費電力量は浴室暖房の機種ごとに異なりますが、仮に1.1~1.3kWhとした場合、1時間当たりの浴室暖房の電気代は以下が目安です。

1.1~1.3kWh × 31円/kWh = 約34.1~40.3円

なお、乾燥機能や涼風機能、換気機能などを搭載した多機能タイプでは、使用するモードによって消費電力量が変わります。多機能タイプを選ぶ際は、機能ごとの電気代もチェックしておくと良いでしょう。

※参考:全国家庭電気製品公正取引協議会.「・よくある質問 Q&A

浴室暖房を後付けしてバスタイムを快適にしよう

浴室暖房を後付けすることで、寒さ対策やヒートショック対策ができ、快適なバスタイムを楽しめるようになります。浴室暖房は戸建て・マンション共に後付け可能ですが、換気扇の有無や天井・壁のスペースなどによっては取り付けが難しい場合もあります。まずはご自宅の浴室をチェックし、浴室暖房が取り付けられるかどうかを確認してみましょう。

自分で判断が難しい場合は、リフォーム会社に相談してプロのアドバイスを受けるのがおすすめです。「うちでは難しいかも」と思えるケースでも、機種や施工方法によっては後付けできる可能性があります。

神奈川県住宅設備協同組合では、これまでお風呂やキッチン、洗面所といった水回りのリフォーム・リノベーションを数多く請け負ってきた実績があります。浴室暖房の取り付けについても、お客さまのニーズや予算に応じた適切な施工プランを提案することが可能です。また各種リフォームに関する補助金や助成金の活用についても、サポートできます。寒さ対策やヒートショック対策として浴室暖房の後付けを検討されている方は、ぜひ神奈川県住宅設備協同組合までお気軽にお問い合わせください。

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