浄化槽の費用は?大きさごとの費用やメリットを徹底解説

「浄化槽を設置したい」「浄化槽の種類が知りたい」などと考える人は多いのではないでしょうか?浄化槽は、生活排水を浄化して再利用できる水にするための設備です。公共の下水道が整備されていない地域にお住まいの方は、浄化槽を設置することをおすすめします。

今回は、浄化槽ついて、工事費用や補助金、メリットについてなどを徹底解説します。

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住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

浄化槽とは

浄化槽とは?

浄化槽とは、生活排水を浄化して再利用できる水にするための設備のことです。

主に3つの構成要素から出来ています。

  1. 沈殿槽:水を静置させて、浮遊物や沈殿物を取り除きます。
  2. 嫌気槽:沈殿槽で取り除かれなかった汚泥を分解するための槽です。
  3. 好気槽:嫌気槽で分解された汚泥を完全に分解するための槽です。

これらが連動して排水を浄化することにより、再利用できる水にすることが出来ます。

また、浄化槽を設置する場合には、地方自治体の条例に基づいて設置する必要があり、定期的な点検や清掃を怠ると、機能不全を引き起こすことがあります。そのため、使用方法については、取扱説明書を確認し、専門業者による定期的なメンテナンスを行うことが重要です。

単独処理浄化槽

単独処理浄化槽とは、トイレからの汚水のみを処理する浄化槽です。

単独処理浄化槽は、台所や風呂などの排水は処理されることなく、水路などに流されており、河川などの水質汚染の原因になっています。この影響を受けて平成12年に浄化槽法が改正され、平成13年4月1日以降は単独浄化槽の新設が原則として禁止されました。

現在もまだ単独処理浄化槽を使用している方は、合併浄化槽の設置に心掛けなければいけません。また、劣化などにより浄化槽を交換する際には、合併処理浄化槽の設置が原則義務となります。

合併処理浄化槽

合併処理浄化槽は、全ての生活排水を浄化してきれいな水を放出するタイプの浄化槽です。
現在一般的に使われている浄化槽は、この合併処理浄化槽になります。

トイレのからの排水のみ処理する単独処理浄化槽よりも環境に配慮しており、性能としても下水処理場の2次処理と同等の処理が可能になっています。

汲み取り式

汲み取り式はボットン便所ともいわれ、浄化槽とは異なり便槽と呼ばれるタンクに汚水をためる仕組みです。

基本的には単独処理浄化槽と同じくトイレのみにしか対応しておらず、便槽には汚水をきれいにするための処理機能がありません。また、排水することができないため、バキュームカーでの定期的な汲み取り作業が必要です。

汲み取り式は、一切の処理をしないまま便槽にためるため、汚水の臭いがひどい場合が多いです。臭いを抑えるために、水だけを流して臭いを抑える仕組みの簡易水洗式がありますが、汲み取り頻度が高くなってしまいます。

浄化槽のメリット

浄化槽の最大のメリットは、水処理を行うことで環境保護に貢献することができる点です。

浄化槽を使用することで、下水が地下水に流れ込んで水質汚染を引き起こすことを防ぐことができます。また、一定の水量を確保することができるため、水不足に陥ることが少なくなります。

下水道使用料金は水道水の使用量によって算出されています。そのため、下水道を使用しない場合には使用料金を安く抑えられるメリットもあります。

浄化槽のデメリット

浄化槽のデメリットは、維持費がかかることです。

定期的な清掃やメンテナンスが必要であり、専門の清掃業者に連絡して実施してもらいます。また、浄化槽の設置には、地盤調査や施工費用も発生します。

浄化槽本体は20年程度、ブロアーは5~10年程度と寿命があるため、時期が来たら交換しなければなりません。

浄化槽の費用相場

浄化槽は、処理人数でサイズを定めており◯人槽という表記をし、一般住宅で主に使われているのは「5人槽」「7人槽」「10人槽」の3種類です。

ここでは、サイズごとの設置・撤去にかかる費用について解説していきます。

5人槽の設置・撤去にかかる費用相場

5人槽の大きさの浄化槽を設置すべき住宅は、延床面積が約130平方メートル未満です。

5人槽の設置・撤去費用の相場は、約80〜100万円です。

工事期間中は水を使用できない時間帯が発生するため、注意しましょう。
単独処理浄化槽から合併浄化槽に切り替える場合や、トイレの改装工事と一緒に行う場合の付帯工事を行う場合には費用がさらにかかります。

7人槽の設置・撤去にかかる費用相場

7人槽の大きさの浄化槽を設置すべき住宅は、延床面積が約130平方メートル以上です。

7人槽の設置・撤去費用の相場は、約100〜130万円です。

工事内容は5人槽の場合と変わりありませんが、7人槽を導入する場合には延床面積が広い住宅であるため、浄化槽までの配管工事が長くなる可能性があります。

10人槽の設置・撤去にかかる費用相場

10人槽の大きさの浄化槽を設置すべき住宅は、2世帯住宅かつ風呂や台所が両方に備わる大きな住宅です。

10人槽の設置・撤去費用の相場は、約120〜150万円です。

10人槽の場合は二世帯住宅であることから、つなぎ込みをする配管の量が多くなります。また、施工条件によっては費用が変動する可能性があるといえます。

浄化槽設置の補助金

浄化槽の設置の際に、国や自治体から補助金を受けられる可能性があります。年度毎に予算を組んでいる場合が多く、予算に達してしまった場合には締め切られる可能性があるため、注意が必要です。

また、自治体ごとに補助金額や補助内容が異なる場合が多く、施工業者が制限されることもあるため、補助金を申し込みする際に確認することをおすすめします。

国や自治体の補助金の予算額の残りの金額がいくらなのか、申し込みをする上での制限や条件、準備しなければならない書類などを確認しておくと、補助金に関する手続きを円滑に進められます。

浄化槽の設置・撤去まとめ

浄化槽は、生活排水を浄化して再利用できる水にするための設備です。浄化槽は、沈殿槽、嫌気槽、好気槽の3つの要素から構成されています。適切なメンテナンスが必要であり、不適切に運用されると環境に影響を与える可能性があります。
また、サイズによって費用が大きく変わります。ご自宅にあったサイズを選びましょう。
浄化槽を設置して快適な住まいづくりを実現しましょう。