トイレの耐用年数は何年?交換時期や買い替えのサイン、費用相場を解説

トイレの耐用年数は何年? 交換時期や買い替えのサイン、費用相場を解説

「そろそろトイレを買い替えた方が良いのか」「トイレの寿命は何年なのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。長年使用しているトイレは、内部の部品が劣化していたり、水漏れやひび割れなどが発生したりする可能性があります。

本記事では、トイレの耐用年数や部品ごとの寿命、買い替えを検討すべきケース、費用相場を解説します。

【この記事で分かること】

  • 国税庁が公表しているトイレの耐用年数は15年だが、実際は10年程度で何らかの不具合が出てくる可能性がある
  • 水漏れや詰まり、汚れの蓄積などが目立つようなら、修理か買い替えを検討した方が良い
  • 現在のトイレが設置から10年以上経過しているなら、買い替えた方がトータルコストを抑えられる可能性がある

この記事の著者

住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

目次

トイレの耐用年数は15年だが不具合が出ていれば交換した方が良い

結論として、トイレの耐用年数は15年とされています。しかし、耐用年数は減価償却で用いられる基準であり、15年を過ぎたからといって急にトイレが使用できなくなるわけではありません。特に問題がなければ、そのまま使い続けられます。

ただし、水漏れや老朽化、黄ばみなど何らかの不具合が出ているなら早めの交換をおすすめします。耐用年数はあくまで目安に過ぎないため、10年を経過したら必要に応じて交換を検討しましょう。

【トイレの寿命】部品ごとの耐用年数と交換時期の目安

トイレは部品ごとに寿命が異なり、劣化のスピードにも差があります。本項では部位ごとの交換時期の目安を紹介しているため、メンテナンスやリフォームの際に役立ててください。

便器・タンク:ひび割れや汚れが気になったら交換する

便器・タンクは主に陶器でできており、特に問題がなければ100年以上使用できるとされています。しかし、長年の使用でひびが入っていたり、除去できない汚れが目立ったりしている場合は交換を検討しましょう。

劣化した便器・タンクを使用し続けると、ひび割れが拡大して水漏れにつながる恐れがあります。見た目の清潔感や衛生面を保つためにも、早めに交換すると良いでしょう。

タンク内の部品:10年~15年

タンク自体は特に問題がなければ使用できますが、タンク内の部品は10年~15年で交換を検討しましょう。

タンクの中には、パッキンやボールタップ、フロートバルブなどの細かな部品があります。これらの部品は、10年~15年経過すると汚れの付着や摩耗によって機能が低下する可能性があります。

劣化が進むと水が止まらなくなったり、流れが悪くなったりする可能性があるため、状態を確認して寿命を迎えていれば、部品交換を検討しましょう。

温水洗浄便座:7年~10年

温水洗浄便座は、7年~10年を目安に交換を検討しましょう。

温水洗浄便座には、洗浄ノズルや便座保温機能などの電気系統の部品が多く使用されています。部品に不具合が生じると、洗浄ノズルが出てこない、センサーが反応しないなどのトラブルが発生するケースも少なくありません。

放置すると修理費が高額になる可能性があるため、7年を経過したら一度業者に点検を依頼しましょう。

内部部品(パッキン・配管):20年程度

パッキンや配管などの内部部品は、20年を目安に交換を検討しましょう。これらは普段目に見えない場所にありますが、長年の使用で劣化し、水漏れや詰まりなどを起こす可能性があります。

トラブルが起こって初めて内部の部品の劣化に気が付くケースもあるため、20年を超えたら業者の点検を受け、必要に応じて新しいものと交換しましょう。

トイレの買い替えを検討した方が良い4つのケース

トイレは頻繁に交換する必要がない設備ですが、状況によっては早めの買い替えが必要になる場合があります。

特に以下のような症状が見られる場合は、交換を検討しましょう。

  • 何らかの不具合が起きている(水漏れ・詰まりなど)
  • 便器やタンクにひび割れが生じている
  • 汚れや臭いが蓄積している
  • 温水洗浄便座の動作不良が見られる

何らかの不具合が起きている(水漏れ・詰まりなど)

水漏れや詰まりなどの不具合が発生している場合は、症状が悪化する前に交換を検討しましょう。特に水漏れはトイレの快適性が下がるだけでなく、フローリングや壁材が傷んでしまいます。放置すると住宅の構造部分にまで水が染み込んで、腐食や劣化が進みやすくなるため、早めに交換しましょう。

また、タンクや便器から異音がしたり、水の流れが悪くなったりしていれば、内部の部品が劣化している可能性があります。放置せず、できるだけ早く交換しましょう。

便器やタンクにひび割れが生じている

便器やタンクにひび割れが生じている場合、水漏れのリスクが高まるため買い替えを検討しましょう。

地震の揺れや物を落とした衝撃などが原因で、便器やタンクにひびが入ることがあります。浅いひびでも、時間が経てば拡大して水が漏れてくる可能性があります。早めに本体を交換し、水漏れリスクを軽減しましょう。

汚れや臭いが蓄積している

便器の汚れやトイレ全体の臭いが蓄積している場合は、買い替えを検討しましょう。

長年使用している便器には、掃除では落とし切れない黄ばみがこびりついている場合があります。また、便器と床の接合部から漂う臭いは、シーリング材の劣化による密閉性の低下が原因の可能性があります。

便器の自動除菌機能やセルフクリーニング機能を搭載した最新型トイレに買い替えれば、汚れや臭いの蓄積を防ぎ、掃除の負担を軽減できるでしょう。

温水洗浄便座の動作不良が見られる

温水洗浄便座の動作不良が見られた場合も、買い替えを検討しましょう。

例えば便座が温まらない場合、内部のヒーターが経年劣化している可能性があります。他にも洗浄ノズルが出てこない、ボタンを押しても反応しないなどの不具合が頻繁に起こった場合、電気系統の故障が疑われるため早めの交換が必要です。

耐用年数を過ぎたトイレは買い替えか部分修理どちらが良い?

トイレの耐用年数が過ぎて不具合やトラブルが発生した場合、部分修理か買い替えで対応する必要があります。

ここでは、どのような状態なら部分修理が適しているのか、どのような場合に買い替えを検討すべきかを紹介します。

修理箇所が限定的なら部分修理がおすすめ

トイレの不具合が特定の部品だけに限られている場合は、部分修理で対応するのがおすすめです。例えば、設置からあまり年数が経っていないにもかかわらずトラブルや不具合が発生した場合は、本体を買い替えるまではいかず、修理で対応できる可能性があります。

部分修理のメリットは、買い替えよりも費用を抑えられる点です。ただし、修理箇所が複数に及んだり、修理しても別の箇所で不具合が頻発したりする場合は、買い替えた方が費用が安くなる可能性があります。

まずは専門業者に点検を依頼し、修理で対応できるのかどうかをチェックしてもらいましょう。

10年以上使用しているなら買い替えを推奨

使用しているトイレが設置から10年以上経過している場合、買い替えを検討しましょう。

10年以上使用したトイレは、部分修理を行っても別の箇所で不具合が発生する可能性があります。不具合が出るたびに修理すると、その都度費用がかかって本体交換よりも高額になるケースがあります。

最新型トイレに買い替えれば、節水や節電機能によってランニングコストを抑えられる上、防汚加工で掃除の手間を減らすことが可能です。

トイレの部分修理・買い替え(交換)・リフォームにかかる費用の目安

トイレの修理や交換にかかる費用は、修理内容や選ぶトイレの種類によって大きく変わります。ここでは、部分修理と買い替え・リフォームに分けて費用の目安を解説します。

【トラブル別】部分修理にかかる費用の目安

以下は、よくあるトラブル別の修理費用の目安をまとめたものです。

詰まり除去トイレの詰まり除去:4,000円~8,000円
配管の詰まり除去:8,000円~1万8,000円
高圧洗浄1万円~10万円
水漏れ修理4,000円~1万8,000円
パッキンの交換1万5,000円程度
タンク内の部品交換1万円~3万円
止水栓の交換1万円程度
温水洗浄便座のトラブル対応電源の不具合:2万円~5万5,000円
洗浄ノズルの不具合:2万円~6万円
リモコンの不具合:1万5,000円~5万円
便座の保温機能の不具合:2万円~7万5,000円

部分修理は数千円~数万円が目安ですが、配管の高圧洗浄は10万円程度になる場合があります。

上記はあくまで目安のため、正確な金額は見積もりで確認してください。

【タイプ別】本体の買い替え(交換)にかかる費用の目安

トイレ本体を買い替える場合、どのタイプの便器を選ぶかによって費用が変動します。

以下は、トイレのタイプ別の交換費用をまとめたものです。

タイプ交換費用の相場特徴
一体型トイレ14万円~35万円便器・便座・タンクが一体になっている掃除がしやすい
組み合わせ型トイレ5万円~30万円便器・便座・便座がそれぞれ独立している4タイプの中では比較的リーズナブル
タンクレストイレ20万円~50万円タンクがなくて省スペーススタイリッシュでデザイン性が高い
システムトイレ30万円~80万円収納・手洗いカウンターが一体化した高機能タイプ設置費用は高めだが、統一感のあるトイレ空間になる

上記は目安であり、交換費用は業者やメーカーによって異なるため、見積もりで金額を確認しましょう。

それぞれのタイプには特徴があり、ライフスタイルや目的によっておすすめの人が異なります。例えば、掃除の手間を減らしつつ空間を広く見せたい方は、一体型トイレがおすすめです。価格重視で選ぶのであれば、便器・タンク・便座がそれぞれ独立している組み合わせ型トイレが良いでしょう。デザイン性を求めるのであれば、初期費用は高めになりますがタンクレス・システムトイレの設置を検討してみましょう。

リフォームするなら数十万~数百万円かかる場合がある

トイレの本体交換と合わせて、壁や床などをリフォームするのであれば数十万円~数百万円かかる可能性があります。相場は14万円~32万円ですが、国土交通省のアンケート調査には、タンク式トイレの設置と全面改装には20万円~100万円かかると明記されています(※)。

以下は、リフォームの工事内容ごとの費用相場をまとめたものです。

床の改装1万円~8万円
壁・天井の改装1万円~6万円
手洗い器の設置4万円~25万円
新たなトイレの設置40万円~100万円
トイレの移動30万円~60万円
バリアフリー化手すり設置:1万円~18万円
引き戸への変更:5万円~15万円

このように、リフォームの内容によって価格差が大きいため、複数社に見積もりを依頼して費用やサービス内容を比較しましょう。

※参考:国土交通省.「リフォームの内容と価格について」

トイレの耐用年数を過ぎてリフォームする際に気をつけること

トイレをリフォームする際は、以下の点に注意して施工プランを計画しましょう。

  • 自宅の排水方式を確認する
  • 節水型トイレは水圧が足りなければ設置できない場合がある
  • マンションは管理規約を確認した上で依頼する

自宅の排水方式を確認する

トイレをリフォームする前に、自宅の排水方式を確認しましょう。排水方式を確認せずにトイレのタイプを選ぶと、取り付けができない可能性があります。

トイレの排水方式は、以下の2タイプに分かれます。

  • 壁排水:排水管がトイレの後ろの壁側に接続されている方式
  • 床排水:排水管が床に向かって接続されている方式

戸建て住宅では床排水が主流ですが、マンションや集合住宅では壁排水が多く採用されています。排水方式に応じたトイレを選ぶためにも、リフォーム前に確認しましょう。

節水型トイレは水圧が足りなければ設置できない場合がある

節水型トイレを設置する際は、自宅の水圧が機種の基準を満たしているか確認する必要があります。節水型は少ない水量で効率良く流す仕組みのため、一定以上の水圧がなければ十分に排水できず、流れ残しや詰まりが発生しやすくなります。

特に古い住宅やマンションの高層階などは水圧が足りない場合があるため、事前に基準を満たしているかを確認してもらいましょう。

マンションは管理規約を確認した上で依頼する

マンションでトイレのリフォームをする場合、事前に管理規約を確認した上で工事を依頼しましょう。

マンションでは、個人の判断で自由に工事を進められないケースが多くあります。規約に違反したまま工事を進めると、原状回復を求められて追加費用がかかる可能性があります。そのため、事前に管理規約で工事に関する取り決めが記載されていないかチェックしましょう。

トイレの耐用年数を知って適切なタイミングで買い替えよう

トイレの法定耐用年数は15年ですが、10年を目処に何らかの不具合が出てくる可能性があります。ただし、使用環境や頻度によってはそれより早く劣化する場合があります。水漏れや詰まりが頻発したり、掃除しても汚れや臭いが取れなかったりする場合は、修理や買い替えを検討しましょう。

トイレのリフォームを検討している方は、年間工事件数500世帯以上の住宅設備協同組合にお任せください。お客さまのご要望やお悩みに合った施工プランを提案し、快適な使い心地と安心して使用できる空間づくりをサポートいたします。

補助金制度のご案内や手続き代行にも対応していますので、費用を抑えてトイレをリフォームしたい方もお気軽にお問い合わせください。