キッチンの寿命は20年?故障のサインやリフォームすべきタイミングを紹介!

システムキッチンの寿命は20年、換気扇などの設備機器は10年程度です。古いキッチンを使い続けると、水漏れやガス漏れなどのリスクにつながるため、不具合があれば早めに交換やリフォームを検討しましょう。

ここでは、キッチンの寿命や故障のサイン、古いキッチンを使用するリスク、修理とリフォームそれぞれのメリット・デメリットについて紹介します。

【この記事で分かること】

  • キッチンの寿命は20年程度。寿命が近づくと汚れが落ちない、電源がつかない、水が漏れるなどの不具合が目立ってくる。
  • 古いキッチンを使い続けるとさまざまなリスクが生じる。修理もできるが他の設備も故障しやすいのでリフォームを検討するとよい。
  • システムキッチンの交換費用の相場は100万円程度。ただし、リフォーム会社による差もあるので相談しやすいリフォーム会社を見つけるのが大切。
この記事の著者

住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

キッチンや周辺設備の寿命一覧

キッチン本体や周辺設備の寿命(耐用年数)の目安は以下の通りです。

キッチン設備寿命
システムキッチン本体 (シンク、天板、キャビネットなど)約20年
レンジフード(換気扇)、水栓(蛇口)、ガスコンロ、IHクッキングヒーター、食器洗い乾燥機などの設備機器約10年

キッチンのように毎日使う水回りの設備は、消耗や劣化が早く10年~20年が寿命の目安です。一般的にキッチン設備は寿命が近くなると、汚れや不具合など、使いにくい点が目立ってきます。

ただし、寿命を迎えたからといってすぐに壊れるわけではありません。また、使用頻度や手入れの仕方によっても劣化のスピードは異なるため、20年が経過する前に壊れることもあります。

【設備別】キッチンの寿命や交換のサイン

キッチン設備は寿命や替え時が近づくと、さまざまな不具合やトラブル、軽微な故障などの交換のサインが現れます。これらのサインが現れたときは、本格的に動かなくなる前に対処するのがおすすめです。

シンク

シンクの素材はステンレスが一般的ですが、ホーローや人造大理石などが使われているタイプもあります。素材により耐久性が異なるものの、表面の汚れやサビが目立ったり、ヒビが入ったりしたら変え時です。なお、シンク下から水漏れしているときは、早急に対処しましょう。

天板

天板とは、システムキッチンで調理などを行うカウンター面で、ワークトップとも呼ばれます。材質はステンレスや人工大理石の他、メラミン樹脂などがあります。落ちない汚れや傷・サビ、へこみなどが目立ったときが交換の目安です。

キャビネット

キャビネットは、システムキッチンに付属する収納部分で、扉タイプや引出しタイプが多いです。扉のガタつきの他に、湿気の影響でキャビネット内部にカビや腐食があるときは、衛生的にも早めに交換しましょう。

レンジフード(換気扇)

レンジフードは寿命が近くなると動作が不安定になります。電源が入らない、換気能力が低下している、運転中に異音がするときは注意しましょう。また、運転中の振動は、ファンの歪みが原因の可能性があります。

水栓(蛇口)

ハンドルが操作しにくい、水を流すと異音がする、水が漏れるなどの症状があるときは、水栓の交換を検討しましょう。本体や蛇口がぐらつくときは、固定する部品が破損している可能性があります。

ガスコンロ

ガスコンロは軽微な不具合でも、ガス漏れや火災などにつながるため特に注意が必要です。点火まで時間がかかる、異臭や異音がする、炎の色がオレンジ色になるなどの徴候があるときは、速やかに点検や修理を依頼しましょう。長年使っている物はゴム管やバーナーの劣化、本体に亀裂がないかも確認が必要です。

IHクッキングヒーター

IHクッキングヒーターも、不具合から事故に発展する可能性があるため、少しでも違和感があるときは点検を依頼しましょう。トッププレートの破損、電源が入りにくい、加熱しにくい、温度が調整しにくいなどが主なサインです。また、使用中に異音がするときも注意が必要です。

食器洗い乾燥機

電源が入らない、水が漏れる、エラーコードが何回も表示されるなどが、食器洗い乾燥機の主な不具合です。他にも、運転中の振動や動作音が大きくなった、扉が開かなくなることが増えたなどがあれば早めに点検を依頼しましょう。

古いキッチンを使い続けるリスクとデメリット

古いキッチンを使い続けると、住宅や健康にも悪影響を及ぼすリスクや、作業効率が下がるなどのデメリットがあります。

キッチンワークの効率が下がる

水が出にくい、火がつきにくいなど、キッチンの寿命が近づき不具合が目立ってくると、キッチンワーク全体の効率が下がります。また、古いキッチンでは「使いにくい」「気分が上がらない」など、心理的寿命を迎えているケースも少なくないでしょう。

キッチンや家電などの住宅設備は、年々機能が向上しています。古いキッチンを使い続けるよりも、新しい物に交換した方が家事の効率が上がり、気持ち的にも楽しくなるでしょう。

住宅全体に悪影響を及ぼす恐れがある

シンク下からの水漏れや、換気が不十分で家の中に臭いが広がるなど、古いキッチンは住宅にさまざまな悪影響を及ぼすことがあります。

特に、キッチンの水漏れを放置すると、床材のカビや腐食につながります。床からさらに浸透すれば、戸建てであれば基礎部分の劣化、マンションなら下階への水漏れが発生するかもしれません。

経年劣化によって徐々に故障が広がると、初期段階では不具合を見落とす可能性もあります。そのため、寿命を目安に部品や設備を交換するとよいでしょう。

健康被害につながる可能性がある

寿命を迎えて壊れかけたキッチンを使い続けていると、健康や命に関わる被害が発生する可能性があります。

例えば、腐食が進んだガスコンロをそのまま使い続けると、下部に穴が開いてガスが漏れ、引火する危険性があります。また、油やほこりがたまった古い換気扇の場合、コンセント付近から発火するケースも少なくありません。

壊れたときはもちろんですが、まだ使えるうちに早めに交換するのがおすすめです。

キッチンは修理とリフォームどっちがよい?

寿命が近いキッチンの場合、設備ごとに修理するよりもリフォームで全て新しくする方がおすすめです。それぞれ、メリット、デメリットを解説します。

修理のメリット・デメリット

修理のメリットは、慣れているキッチンを使い続けられる点です。購入時から大切に使っているのであれば、部品が壊れるたびに修理を繰り返すことでさらに愛着も湧くでしょう。

デメリットは、寿命の近いシステムキッチンの場合、一カ所修理しても別の部品が壊れる可能性が高い点です。また、対応する部品の生産が終了している可能性もあります。その結果、修理を繰り返すことでリフォームよりも手間やコストがかかるかもしれません。

リフォームのメリット・デメリット

リフォームでは、キッチン全体を一新でき、機能性の向上だけでなく心理的な満足も期待できます。システムキッチンを交換するだけでなく、間取りを変更して使いやすい動線へ変更できます。全体を一新すれば、他の設備が壊れる心配もありません。

デメリットは、修理よりも一回にかかる費用が大きい点です。また、建物の構造によっては希望するリフォームができないこともあります。

キッチンリフォームのおすすめのタイミング

キッチンのリフォームは以下のタイミングがおすすめです。

  • システムキッチンの寿命が近いとき
  • ライフスタイルが変わったとき
  • 親の持ち家を相続したとき
  • マンションの大規模改修の前後

それぞれ解説します。

システムキッチンの寿命が近いとき

システムキッチンの寿命に合わせてキッチンをリフォームすれば、定期的なメンテナンスを兼ね合わせられるためおすすめです。特にキッチンの場合、本格的に故障すると食事が作れないなど、生活にも影響が出ます。古いけれどまだ使える状態でリフォームすれば、急なトラブルの防止にもつながります。

ライフスタイルが変わったとき

結婚した、子どもが生まれた、親の介護が必要になったなど、ライフスタイルが大きく変わったときもキッチンリフォームのタイミングです。

家族の人数が多くなると、食器や食事の用意、片付けの手間も増えます。そのため、広い天板や収納スペース、効率よく作業ができる大型の食器洗い乾燥機があると、炊事が楽になるでしょう。

子どもの様子を見守りながら家事をしたい場合は、壁付けキッチンよりも対面式キッチンの方が使いやすいかもしれません。

親の持ち家を相続したとき

親の持ち家を相続した場合、リフォームをすると住みやすくなるだけでなく、親がリフォーム費用を支払うことで現金や預金が減り、その分相続税の節税にもつながります。

バリアフリーリフォームにすると、高齢の両親がより快適に暮らせるようになるでしょう。また、相続した住まいに自分で住む予定がない場合でも、費用対効果をよく考えた上でリフォームを施し、賃貸物件として貸し出すという方法もあります。

マンションの大規模改修の前後

マンションに住んでいる場合、大規模改修のタイミングに合わせてリフォームすると、キッチン周りを定期的に新しく保つことが可能です。また、給水・給湯管の更新とリフォームを同時に行うと、工事が効率的にできるため費用を抑えられることがあります。

ただし、専有部分のリフォームとマンションの大規模改修が同時に行われる場合、大規模改修工事が遅れる可能性があります。そのため、リフォームを同時に進めても問題がないか、事前に管理組合に確認しましょう。

キッチンリフォームの費用相場

キッチン全体をリフォームするときの費用相場は、50万円~200万円です。

システムキッチンの交換であれば、50万円~100万円が相場です。場所の移動をせず、現在のグレードと同程度のキッチンに交換するのであれば、100万円前後で済むこともあります。

キッチンのレイアウトを壁付けから同じ壁付けタイプへの変更な、多少変更するときの費用相場は50万円~150万円、壁付けから対面のように大幅に変更するなら60万円~200万円が相場です。特に、配管の移動を伴うリフォームは、費用が高額になりやすいため、見積もりの際によく確認しましょう。

設備機器の交換は、それぞれ価格が異なります。

例えば、レンジフードや換気扇の交換は4万円~8万円、ガスコンロの交換は3万円~18万円、IHクッキングヒーターの交換は5万円~22万円が目安です。

リフォーム会社の選び方

リフォーム会社を選ぶときは、キッチンリフォームの実績が豊富か、自分のやりたいリフォームを得意としているか確認しましょう。また、リフォーム後の保証やアフターサービスが充実していること、リフォーム会社と自宅の距離が近いこともポイントの一つです。

キッチンリフォームの実績が豊富か

まずは、キッチンリフォームの実績が豊富かどうか確認しましょう。リフォームには、外壁塗装や内装工事、水回りの工事など、さまざまな種類があります。

キッチンリフォームの実績があまりないリフォーム会社に依頼すると、思うような仕上がりが期待できないかもしれません。

また、戸建てかマンションかによっても、リフォームの仕方が異なります。自分がリフォームしたい住宅の種類(戸建てなのかマンションなのか)について、リフォーム会社が十分なキッチンリフォームの実績を持っているか確認しましょう。実績は、多くの場合リフォーム会社のWebサイトに記載されています。

目的とするリフォームが得意か

内装や動線、収納など、リフォームを考え始めるとやりたいことがたくさん出てきます。どのポイントを重視するかによって、依頼すべきリフォーム会社の選び方も変わってきます。

例えば、見た目や機能よりも、予算を優先してキッチンのリフォームをしたい場合は、コストプランニングが得意なリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。

リフォーム後の保証は充実しているか

リフォーム後の保証が充実しているかどうかもリフォーム会社を選ぶ際のポイントの一つです。アフターサービスの内容は、それぞれのリフォーム会社によって異なります。水回りや電気系統など、工事が原因のトラブルも発生しやすいため、どのような保証があるか確認しましょう。

10年間の長期保証や、2年ごとの点検、掃除などのアフターメンテナンスなど、保証が充実しているほど長く付き合いやすくなります。

リフォーム会社と自宅の距離は近いか

リフォーム会社とは、打ち合わせや工事完了後のメンテナンス、不具合の点検などで、長期間にわたって付き合うことが多いです。そのため、リフォーム会社が自宅から遠い場合、相談に行くにも時間がかかり、水漏れなどの不具合が生じてもすぐに対応ができません。

自宅に近いリフォーム会社であれば、困ったときにすぐに相談できます。

キッチンの寿命が近いときはリフォームがおすすめ!

システムキッチンや周辺設備の寿命は10年~20年です。20年以上使っており、ガスコンロや換気扇などに不具合が目立ってきているなら、全体的にリフォームするのがおすすめです。