
キッチンが水漏れする原因は、蛇口やシンク下にある設備の劣化や、設備の老朽化が考えられます。自分で直すこともできるものの、難しいときはプロに依頼しましょう。
また、キッチンの寿命は10年~20年ほどです。全体的に老朽化しているなら思い切ってリフォームするのもおすすめです。
本記事では、キッチンが水漏れする原因と対処法、水漏れを放置するリスク、キッチンリフォームのメリットを紹介します。
【この記事で分かること】
- キッチンの水漏れの原因はパッキンや内部の部品の劣化が多い。簡単な交換であれば自力でも可能。
- 水漏れを放置するとカビや建材の腐食につながるため、自力での修理が難しいときは早めにプロに依頼が必要。
- キッチン設備の寿命は10年~20年。老朽化が進んでいるのであれば全体をリフォームするのもおすすめ。

住宅設備協同組合
東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。
キッチンで水漏れする5つのケースと対処法

キッチンの水漏れは、さまざまな原因が考えられます。ここでは、主な5つのケースと対処法を紹介します。
- 蛇口の水漏れ
- 給水管の水漏れ
- 排水トラップの水漏れ
- 排水ホースの水漏れ
- 下水パイプの水漏れ
自分でできる対処方法も紹介していますが、難しいときは迷わずプロに依頼しましょう。
1. 蛇口の水漏れ
蛇口から水が漏れる原因は、蛇口本体の劣化以外に、接続部分のパッキンの劣化、ナット部分の緩みなどが考えられます。蛇口の場合、構造により対処法が異なるため、まずは自宅の蛇口がどのタイプか確認しましょう。
【対処法1】シングルレバー混合水栓の場合
シングルレバー混合水栓は、一つのレバーで水温と水量を調節できるタイプで、現在多くのキッチンで使われています。パッキンやバルブカートリッジなど内部の部品は10年程度で劣化するため、水漏れするときは止水栓を閉めてこれらを交換しましょう。
【対処法2】ハンドル混合水栓の場合
ハンドル混合水栓は、水とお湯、2つのハンドルで温度を調整するタイプで古い住宅に多く使われています。ハンドル下のナットや、内部のパッキンやケレップパッキン(コマのような形状のゴムパッキン)などの部品の劣化が原因である場合が多いため、止水栓を閉めて新しい物と交換しましょう。
2. 給水管の水漏れ
水道から屋内に水を運ぶ給水管から水が漏れている場合、ナットの緩みの他にパッキンやシールテープの劣化が考えられます。給水管はシンクの下にあることが多いため確認してみましょう。
【対処法】
ナットが緩んでいるときは、モンキーレンチを使い締め直します。
パッキンは蛇口と給水管の接続部分にあるため、専用の「水栓レンチ」を使ってナットを外し、古いパッキンを新しいパッキンと交換しましょう。
シールテープは、給水管と蛇口を接続するネジ山部分に巻かれています。このため、給水管と蛇口を止めているナットを外し、古いシールテープを剥がして新しいシールテープを巻き直します。
3. 排水トラップの水漏れ
排水トラップとは、シンク下にある円筒型の部分です。ここに水をためて悪臭や害虫が排水管から登ってくるのを防いでいます。シンクや排水ホースとのつなぎ目のパッキンの劣化により水が漏れることが多く、キッチンの水漏れの中でも頻度が高いです。
【対処法】
つなぎ目のゴムパッキンを交換しましょう。バケツと排水栓専用のスパナを事前に用意しておくとスムーズです。手順は以下の通りです。
- 排水トラップとつながるシンク・排水ホースのナットを緩める
- 排水トラップを持ち上げて外す
- 排水トラップのパッキンを交換する
- ナットを締めて水が漏れないことを確認する
排水トラップ内には水がたまっているため、バケツなどに捨ててから作業しましょう。
4. 排水ホースの水漏れ
排水トラップとつながる蛇腹状の排水ホースから水が漏れている場合、劣化によりヒビが入っている可能性があります。また、包丁をしまうときに当たって穴が開いたなどのトラブルが原因のケースもあります。
【対処法】
排水ホースが劣化しているときは、新しい物と交換しましょう。手順は以下の通りです。
- 排水ホースに付いている防虫カバー・防臭キャップを外す
- 排水管から排水ホースを引き抜く
- 排水トラップから排水ホースを外す
- 新しいホースと交換する
- 排水管と排水トラップに排水ホースを付け直し、水を流して問題がないか確認する
排水ホースは排水トラップ・排水管の両方と接続しているため、どちらからも引き抜いて交換します。また、交換する前に新聞紙を敷いておくと床を汚さずに処理できます。
5. 下水パイプの水漏れ
床下にある下水パイプが詰まると、その上の排水ホースの接続部分から水が漏れることが多いです。下水パイプが詰まる原因は、油や食べ物のかすの蓄積以外に、スプーンなどの異物を流していることもあります。
【対処法】
汚れが原因であれば、液体式や真空式のパイプクリーナーを用いたり、ワイヤーブラシで掃除したりすると流れることがあります。異物が原因であれば取り除きましょう。
なお、異物の除去などは分解が必要なため、難しいときはプロに依頼し、高圧洗浄と併せて処理するとよいでしょう。
どこで漏れてる? 故障箇所を特定する手順

キッチンで水が漏れているときは、上から順番に確認し故障箇所を特定しましょう。
- 蛇口やシンクを確認する
- シンク下を確認する
- 排水管・給水管の接続部分を確認する
- 排水ホースが壊れていないか確認する
- 水を流してみる
もし水漏れが激しいなら、止水栓や元栓を止めてから確認するとよいでしょう。
1. 蛇口やシンクを確認する
まずは、蛇口からチョロチョロ水が出ていないか、シンクにヒビや穴はないか確認します。これらの水漏れであればすぐに見つけられるため、適切に対処しましょう。
2. シンク下を確認する
シンク上部に問題がないときは、シンク下を確認しましょう。先に、収納している物を全て取り出します。
その上で、水が伝っている跡はないか、水が一カ所にたまっていないか確認しましょう。それらの痕跡から上の方にたどっていくと、水漏れしていそうな場所が見つかることがあります。
3. 排水管・給水管の接続部分を確認する
水が漏れていそうな場所を発見したら、その付近の排水管や給水管の接続部分を見てみましょう。キッチンの水漏れは、接続部分のパッキンや部品の劣化が原因で起こることが多いです。
4. 排水ホースが壊れていないか確認する
接続部分に特に問題がない場合は、排水ホースが壊れていないか確認しましょう。また、ホースのつなぎ目がずれていないかどうかも含めて、全体をくまなく確認します。
5. 水を流してみる
排水ホースにも問題が見当たらない場合は、蛇口をひねって水を流し、どこから水が漏れているのかを目視で確認しましょう。
排水管や給水管、止水栓も確認し、それでも故障箇所が分からないときは、プロに依頼して水漏れ場所を特定し、修理してもらいましょう。
キッチンの水漏れは自分で直して大丈夫?
キッチンの水漏れの多くは正しい手順を確認すれば自分でも直せます。しかし、中には力作業や分解が必要な場合もあるため、少しでも難しいと感じたらプロに依頼した方が良いでしょう。
簡単に直せるものであれば問題なし
以下のように、構造が単純で簡単に直せるものであれば、問題なく修理できるでしょう。
- 水栓のパッキンを交換する
- 水栓の固定ねじやナットを締める
これらの修理方法はメーカーのWebサイトにも記載されています。専門性の高い道具も必要ありません。
複雑な修理はプロに依頼した方が無難
一方で、排水トラップを外すなど、部品の大幅な分解が必要になる複雑な修理はプロに依頼した方が無難です。専用のナットやスパナが必要なことも多く、分解したものの元に戻せなくなる可能性もあります。
応急処置後はすぐに修理を
なお、キッチンの水漏れの応急処置として、ダクトテープを巻く方法があります。水漏れ場所が分かっている場合は、ダクトテープを巻き付ければ一時的に水は止まります。
しかし、根本的な水漏れの解決ではないため、すぐに修理を依頼するのがおすすめです。
キッチンの水漏れを放置するリスク
「少しだから大丈夫だろう」と、キッチンの水漏れを放置すると以下のようにさまざまなトラブルに発展するリスクがあります。
- カビが広がり健康上のリスクになる
- 床材の張り替えが必要になる
- 基礎部分が腐食する
- 下階に浸食する
以下でそれぞれ解説します。
カビが広がり健康上のリスクになる
水漏れを放置すると、湿度が上がって黒カビが発生しやすくなります。カビはアレルギーの原因になるだけでなく、キッチンなど食品を扱う場所では、健康への悪影響が心配されます。
床材の張り替えが必要になる
水漏れがクッションフロアやフローリングまで達すると、床材が水分を吸って膨張し、浮き上がったり、剥がれたりします。キッチン全体の床材を張り替える場合、7万円~18万円の費用がかかることもあります。
基礎部分まで腐食する
戸建ての場合、床の水漏れを長期間放置すれば、水分やカビが柱を腐らせ、基礎部分まで腐食が進む可能性があります。また、シロアリが増殖したり、構造部分が腐食したりすることで、住宅に深刻なダメージが及ぶ恐れもあります。
下階に浸食する
集合住宅では、水漏れが発生すると下階にまで被害が広がる可能性があります。明らかに修理を怠るなどの過失があった場合には、水漏れを起こした部屋の入居者が責任を問われることがあります。
キッチンが水漏れするならリフォームもあり!
水栓や排水トラップなど、キッチンで水漏れが発生した場合は、思い切ってリフォームを検討するのもおすすめです。なぜなら、キッチンには耐用年数(寿命)があり、一部が壊れると他の部分も不具合が連鎖して発生し、修理が続いてかえって出費がかさむ可能性があるためです。
以下にキッチンの寿命をまとめました。
| キッチン設備 | 寿命 |
| ・シンク ・天板 ・キャビネット | 約20年 |
| ・水栓 ・ガスコンロ ・IHクッキングヒーター ・レンジフード・換気扇 ・食器洗い乾燥機 | 約10年 |
キッチンを新調して10年~20年経過しているのであれば、リフォームして全体を刷新するのもおすすめです。
システムキッチンのリフォーム費用の相場
システムキッチンのリフォーム費用は50万円~200万円が相場です。
間取りを変えずに、今あるシステムキッチンと同グレードの物と取り換えるのであれば、100万円以下でリフォームできることが多いです。
一方で、壁付けタイプから対面式に変更するなど、レイアウトや間取りを大きく変える場合は、100万円~200万円かかることもあります。
ただし、費用はシステムキッチンの種類や間取り、依頼する業者によって変わってきます。費用が気になる場合は、事前に見積もりを依頼しましょう。
キッチンをリフォームするメリット
キッチンをリフォームするメリットは、設備の性能が上がることだけではありません。レイアウトや内装も変えられるため、おしゃれで使いやすい理想のキッチンを実現しやすくなります。
設備の性能が向上し家事がしやすくなる
キッチン設備の多くは年々機能が向上しています。例えば、シンクやコンロは汚れが付きにくく、掃除がしやすくなっています。また、収納スペースについても、デッドスペースを省き、より多くの物をしまえるようになっているものが多いです。
また、食洗機は洗浄力が増しており、IHクッキングヒーターは定番メニューの火加減の操作パネルが設置されているものもあります。
10年前~20年前のモデルと比べると、同価格帯でも性能は大きく向上しているため、家事がしやすくなるでしょう。
レイアウトや間取りを使いやすくできる
キッチンのレイアウトや間取りを使いやすく変えられる点も、リフォームのメリットです。キッチンが狭くて使いにくいのであれば、壁や柱を撤去して収納スペースを増やしたり、レイアウトを見直してもよいでしょう。
また、予算に余裕がある場合は、キッチンそのものの場所を変更することも検討できます。
ただし、間取りの大幅な変更は、建物の構造上難しいケースもあります。特にマンションやアパートでは、規約上変更できないこともあるため、リフォームを検討するときは事前に確認しましょう。
好みの内装にしてキッチンの雰囲気を変えられる
好みの内装にリフォームすることで、キッチン全体の雰囲気を変えられるのもメリットの一つです。
リフォームではキッチンだけでなく、天井や壁紙、床材などの内装も変更できます。キッチン全体が一昔前の雰囲気の場合は、内装も一緒にリフォームすると、全体の雰囲気を変えられるためおすすめです。
壁紙や床材には、汚れが目立ちにくいものや、汚れ防止機能・消臭機能が付いたものもあります。こうした素材を選ぶことで、掃除がしやすくなり、快適な住環境を保てるでしょう。
キッチンリフォームで今ある不便を解消しよう!
キッチンの水漏れは自分で修理できる場合もありますが、難しければプロに依頼した方が良いでしょう。水漏れを放置すると、カビや腐食の原因になるため、早めに対処するのがおすすめです。また、キッチンの新設や交換から10年~20年経過しているのであれば、リフォームして一新すると見た目や機能も大きく向上します。
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