キッチンの高さの選び方3選|90cmは後悔する?

「キッチンリフォームしたいけど高さのおすすめはある?」「どのように決めたらいい?」などと考えたことがある人は多いのではないでしょうか? 日々多くの時間を過ごすキッチンの高さが合わないと、使用の不便さだけでなく、長期間にわたる体の疲労や健康不調の要因となる可能性もあります。

今回は、キッチンの高さについて、選び方や高さを適切にしないといけない理由、高さ90cmのよくある後悔を徹底解説します。

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住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

キッチンの高さの選び方

ここでは、使いやすいキッチンの高さの選び方をご紹介します。

「身長÷2+5cm」で高さを割り出す

キッチンの使いやすい高さを求める一般的な計算式は、「身長÷2+5cm」です。

この計算式は日本国内のシステムキッチンメーカーのカタログなどでもよく紹介されています。

例えば、身長が160cmの場合は「160cm÷2+5=85」となります。この計算により、身長に応じた適切なキッチンの高さを見積もることができます。

「肘高−10cm」で高さを割り出す

もうひとつの計算式は、「肘の高さ−10cm」です。

この計算式は海外でよく使われており、近年日本でも広く知られるようになりました。

料理や洗い物などの作業において、肘を起点に腕を動かす動作が多いことから考えられたものです。

ドイツなどの国では、この計算式を「−15cm」とする場合もあるようです。この計算により、キッチンの高さを肘の高さに基づいて調整することが可能です。

ショールームなどで実際に見てみる

前述したふたつの計算式は目安であり、キッチンの使いやすい高さには個人差があります。

実際のキッチンで快適に作業するためには、ショールームで実際に確認することが重要です。

包丁で食材を切る下ごしらえやシンクで洗い物をするなど、キッチンでの動作をシミュレーションしてみると、自分にぴったりの高さが分かりやすくなります。実際に動いてみることで、自分の体格や動きに合った最適なキッチンの高さを見つけることができるでしょう。

計算式を参考にしつつも、実際の動作で確認することでより満足のいく結果を得られることでしょう。

キッチンの高さを適切にすべき理由

ワークトップの高さはキッチンの使い心地に大きく影響するだけでなく、誤った高さを選択することで悪影響を及ぼす可能性もあります。

ここでは、キッチンの高さを適切にすべき理由を徹底解説していきます。

包丁が扱いづらい

キッチンの高さが高すぎると包丁を使う際に注意が必要です。

特に大きな野菜類や固いものを切るときに力が入りづらく、無理に力をかけると滑ったり勢いが余ってケガをする危険性があります。

調理をする際のイメージを考慮して、安全に作業ができる高さのキッチンを選びましょう。

腰痛や肩こりの原因になる

適切な高さのキッチンでない場合、毎日の作業によって腰痛や肩こりを引き起こす可能性があります。

例えば、シンクがワークトップよりも一段下がっている場合、低すぎるキッチンを選択すると洗い物の際に腰に負担がかかり、腰痛の原因となることがあります。

逆に、高すぎるキッチンは作業中に肩に力が入り、肩こりを引き起こす可能性があります。

キッチンは毎日利用する重要な設備なので、適切な高さを選択することで身体への負担を最小限に抑えましょう

水はねが起きてしまう

ワークトップよりも一段低いシンクは、高さが低ければ低いほど水はねの影響が大きくなります。

洗い物をする際には前屈みの体勢になるため、低い位置での水はねは衣服のお腹部分を濡らしやすくなります。

肩こりや腰痛、ケガといった身体的なストレスはないかもしれませんが、毎日洗い物で衣服が濡れることは精神的なストレスになります

キッチンの高さが90cmで後悔?

ここでは、キッチンの高さを90センチにした場合のよくある後悔を厳選して紹介します。

後悔①:圧迫感から部屋が狭く見えてしまった

高さが90cmのキッチンは、一部の人には圧迫感を与え、部屋全体を狭く感じることがあります。

壁に取り付けるキッチンでは、高さを上げても圧迫感を感じにくいですが、ペニンシュラ型やアイランド型などの対面キッチンでは、思ったよりも存在感が強く感じることが多いようです。

同様に、少し低めの85cmのキッチンを選ぶことで、目線の範囲が広がり、部屋全体を広く感じるという話も聞かれます。

たった5cmの違いでも、部屋全体の開放感に影響を及ぼすことから、キッチンの高さを検討する際には部屋全体のバランスを考慮しましょう。

後悔②:調理の勝手が悪かった

高さ90cmのキッチンを選んで後悔する理由の中で最も多いのは、調理が予想以上に難しいということです。

高すぎるキッチンでは包丁を扱う際に力を入れにくくなります。特にかぼちゃなどの固い食材や、キャベツやスイカなどの大きな野菜の切り分けが困難になることがあります。

刃物による事故は大怪我につながる可能性もあるため、慎重に選択することが重要です。

また、フライパンや鍋を使う際にも肩が上がって振りにくくなるという声もあります。IHクッキングヒーターはワークトップと同じ高さですが、ガスコンロの場合はゴトクがあるため少し高くなります。

後悔③:収納スペースと水栓や卓上食洗機が干渉してしまった

大型の吊り戸棚を設置し、その下に水切り棚を追加する際に、キッチンの高さによっては水栓のハンドルとの干渉が問題となる場合があります。

この状況では、水栓の可動範囲と吊り戸棚のサイズのどちらを優先すべきか、選択を迫られることになります。その結果、水栓や収納の使用感に不満を抱く可能性も考えられます。

同様に、シンク隣に卓上食洗機を設置する場合も、高さや扉の開閉について計画的に考慮しておかないと、工事が完了してから設置や操作に問題が発生する恐れがあります。

これらは見落としがちな重要なポイントであり、周辺機器の有無や仕様も考慮しつつ、適切な高さを決定することが大切です。

後悔④:肩や腕に負担がかかってしまった

キッチンの高さが高すぎると、肩が上がって緊張が続くため、多くの人が肩や腕に負担を感じることがあります。

毎日の使用を考えると、キッチンの高さが適切でないと、身体に負担がかかり、長期的には慢性的な肩こりの原因になる可能性もあります。

キッチンのリフォームは長期間使用することを前提にしており、身体に無理のない高さを考えることが重要です。

キッチンの高さまとめ

キッチンの高さは、「身長÷2+5cm」や「肘高−10cm」で決めることができます。また、ショールームなどで実際に触れてみて決めることも重要です。キッチンの高さを適切にしないと、調理しづらかったり、腰痛や肩こりの原因になったりすることがあります。
どの高さにも良い点と悪い点があるため、施工経験が豊富な業者に相談し、ご自身に合ったプランや製品を提案してもらうとよいでしょう。
自分に合った高さのキッチンを選び、快適に使うことが出来るキッチンを実現しましょう。