お風呂が寒くてつらい!今すぐできる対策や効果的なリフォームを解説

お風呂が寒くてつらい! 今すぐできる対策や効果的なリフォームを解説

冬場のお風呂が寒いと、せっかく浴槽で温まっても、体や髪を洗う間にすぐ体温が下がってしまいます。その結果、お風呂に入るのが億劫になる方も少なくないでしょう。お風呂の寒さを改善するには、どのような対策が効果的なのでしょうか。

本記事では、お風呂が寒い原因やリスク、すぐにできる対策や効果的なリフォームの種類を解説します。寒さを放置すると重大な健康リスクにつながることもあります。本記事を参考にして、適切な方法で寒さを改善し、快適で安心して入浴できる空間を整えましょう。

【この記事で分かること】

  • お風呂が寒い原因は、浴室の気密性・断熱性の低さ、換気扇から入り込む外気、床に使用されている材質などがある。
  • お風呂が寒いとヒートショックのリスクが高まり、最悪の場合は死亡事故につながる恐れも。
  • お風呂の寒さを改善するには、入浴中に換気扇を使用しないことや窓に断熱シートを貼る方法があるが、根本的に寒さを改善したいなら、リフォームがおすすめ。

この記事の著者

住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

お風呂が寒い原因

お風呂が寒い原因は、主に3つあります。まずは寒さの原因から見ていきましょう。

窓やドアの気密性や断熱性が低い

お風呂が寒い原因の一つは、窓やドアの気密性や断熱性が低いことです。

窓やドアの立て付けが悪いと、わずかな隙間からでも外気が入り込んでしまいます。特に一昔前の住宅は、近年建てられた住宅よりも気密性能が低いため、窓やドアから暖かい空気が逃げ、冷たい空気が入り込んできやすくなっています。

また、窓の隙間をなくす工夫をしても、断熱性が低い場合、窓周辺の空気が外気の影響で冷やされ、浴室の温度が下がってしまいます。

換気扇から外気が入り込む

換気扇から入り込んだ外気によって、浴室の温度が下がることもあります。

お風呂のカビ対策に欠かせない換気扇ですが、作動させると冷たい外気が入り込み、暖かい空気が逃げる原因となってしまいます。

床にタイルを使用している

床にタイルを使用している場合、足元周辺の空気が冷え、寒さを感じてしまいやすいです。

耐久性が高く、デザイン性もあるタイルですが、保温性には優れていません。そのため、タイルの床の場合、浴室全体の温度は暖かくても、床は冷えやすいです。冷たいタイルの上に立つことで足の裏から熱が奪われ、全身がすぐに冷えてしまうこともあります。

また、壁にもタイルを使用している場合は、浴室全体がより一層冷えやすくなります。

お風呂や脱衣所が寒いとヒートショックのリスクが高まる

お風呂が寒いと快適に入浴できないのはもちろん、ヒートショックの危険性も高まります。ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が急上昇・急降下し、身体に大きな負担がかかることを指します。めまいや立ちくらみといった症状の他、失神を引き起こすこともあり、最悪の場合は命を落としかねません。

冬場などお風呂が冷えていると、浴槽に入った際に体温が急上昇し、湯船から出た直後には体温が急降下します。その結果、ヒートショックを起こしやすくなるため、寒い浴室には早めの対策が欠かせません。

高齢者がいるご家庭の場合は、特に注意が必要です。厚生労働省人口動態統計(令和3年)によると、65歳以上の方の入浴中の死亡件数は4,750人となっており、これは交通事故死亡者数の約2倍の数字となっています(※)。

また、その多くが11月から4月にかけての気温が低い時期に集中しているのも特徴です。全ての死亡原因がヒートショックではありませんが、ヒートショックで意識を失って溺れ、死亡してしまうケースも少なくないと考えられています。

※参考:政府広報オンライン.「交通事故死の約2倍?!冬の入浴中の事故に要注意!」

今すぐできる!お風呂の寒さ対策6選

では、どのような対策をすればお風呂の寒さを軽減できるのでしょうか。ここからは、今すぐできるお風呂の寒さ対策方法を6つご紹介します。

入浴前・入浴中は換気扇をオフにする

お風呂の寒さを軽減するためには、入浴前・入浴中は換気扇をオフにしましょう。

換気扇をオンにすると、せっかくお湯で暖まった空気が、外に逃げ、冷たい外気が入り込む恐れがあります。入浴前に換気扇をオフにすると、浴室内の温度をキープしやすくなります。ただし、24時間換気システムを導入している場合は、換気扇をオフにせず、そのままご使用ください。

窓を開けて換気をしている場合は、入浴の2時間〜3時間前から窓を閉めておくのがおすすめです。ただし、入浴後に換気扇をオフにしたままだったり、窓を閉めっぱなしにしたりすると、湿気の影響でカビが繁殖しやすくなります。入浴後は換気を行いましょう。

入浴前に壁や床に熱めのシャワーをかける

入浴前に壁や床に熱めのシャワーをかけることによっても、お風呂の寒さを軽減できます。

壁や床にシャワーをかけることで、浴室全体の温度が上昇しやすくなるため、快適なバスタイムを楽しみやすくなるでしょう。特にタイルなど、冷えやすい床材・壁材の場合は、この方法が効果的です。

窓に断熱シートを貼る

窓に断熱シートを貼ることによっても、浴室内の寒さは軽減できます。断熱シートを貼ると、窓周辺の空気が冷えにくくなるため、浴室内の温度の低下を防ぐことができます。脱衣所に窓がある場合は、脱衣所にも貼っておくと良いでしょう。

断熱シートはホームセンターやオンラインショップなどで購入できます。また、割れ物を梱包する際に使用する気泡緩衝材でも代用できます。

床にマットを敷く

床にマットを敷くことで、足元からの冷えを防げます。タイルなど冷えやすい床材に直接足が触れることがないため、入浴の際のストレスも軽減できるでしょう。滑りにくい素材のマットを選べば、転倒防止にも効果的です。

脱衣所の床が冷えやすい場合は、脱衣所にもマットを敷くと、ヒートショック防止につながります。すのこでも代用できますが、できれば保温性の高い素材のマットがおすすめです。また、水はけの良いものを選ぶと、入浴後の手間も軽減できます。

浴槽にふたをしない

浴槽にふたをしないことで、浴室内の空気を暖めることもできます。浴槽にためたお湯から発生する蒸気は、浴室内の空気を暖める効果があります。ふたをしてしまうとその効果が得られなくなるため、入浴中はふたを開けておきましょう。

ただし、ふたを開けておくとお湯自体が冷めやすくなるので注意が必要です。保温機能のないお風呂では、あらかじめお湯の温度を少し高めに設定しておくと良いでしょう。

この方法はカビが生えやすくなるリスクがあるため、実践する場合は通常以上にしっかりと換気を行うようにしましょう。

脱衣所に暖房機を設置する

脱衣所に暖房機を設置し、浴室のドアを開けておくことで、お風呂の寒さを軽減できます。

暖房機を設置すれば、脱衣所の冷えも効果的に防げるので、脱衣所でのヒートショック予防にも効果的です。持ち運びやすさや安全性を重視して選ぶことをおすすめします。

お風呂の寒さを効果的に改善できるリフォームの種類

前述した方法でもお風呂の冷えを軽減できる場合はありますが、根本的な解決には至りません。お風呂の寒さを根本から改善し、過ごしやすい空間にするには、断熱性や気密性を高めるリフォームを行うのがおすすめです。

ここからは、お風呂の寒さを効果的に改善できるリフォームの種類をご紹介します。

断熱材を入れる

壁や床、天井などに断熱材を入れると、お風呂の寒さを効果的に改善できます。

断熱材には、室内の空気を逃げにくくし、外気の入り込みを防ぐ効果があります。全体に断熱材を入れるのが予算的に難しければ、特に冷えやすい床に入れるのがおすすめです。また平屋の場合は、天井に入れることで、より効果を感じやすくなります。

断熱材にはさまざまな種類があります、湿気が多いお風呂場に施工するため、防水効果が高いものを選ぶようにしましょう。

二重窓にする

二重窓にするのも、お風呂の寒さ改善に効果的な方法です。

二重窓とは、今ある窓の内側にもう一つ窓を追加することを指し、内窓とも呼ばれます。二枚の窓ガラスの間にある空気が断熱材のような役割を果たすため、暖まった空気が逃げにくくなり、外気が入り込みにくくなる効果が期待できます。

今ある窓枠を残したまま設置が可能なため、比較的簡単な工事で済むのも二重窓の特徴です。結露を防止する効果もあるため、カビの発生を防ぐ効果も期待できます。

複層ガラスに取り替える

複層ガラスに取り替えるのも、二重窓にするのと同様の効果が期待できます。

複層ガラスはペアガラスとも呼ばれ、2枚以上のガラスを組み合わせて作られたガラスのことです。ガラスの間に空気層ができ、その空気が断熱材のような効果を発揮します。

二重窓の場合、既存の窓ガラスの内側に新たに窓枠を設置しますが、複層ガラスの場合、専用の窓枠を新たに設置した上で、窓ガラスを組み込む仕組みです。二重窓よりも断熱性が高いとされているため、浴室内の温度をより維持しやすくなる効果が期待できます。

遮熱シートを貼り付ける

天井や床、壁に遮熱シートを貼り付けることによっても、お風呂の寒さを和らげられます。

遮熱シートはアルミニウム層を持ち、熱を遮る効果が期待できるシートです。熱の移動を防ぐ働きもあるため、浴室内の暖かい空気が逃げるのを防げます。外からの熱を遮断して、室内の温度が高くなるのを防ぐ効果も期待できるため、夏場の浴室でも快適に過ごせるようになるでしょう。

ただし、遮熱シートは適切に施工しなければ、結露やカビが発生する原因となることがあります。浴室内の環境を整えるためには、実績が豊富なリフォーム会社に依頼することが大切です。

床材を取り替える

床材を取り替えて、床だけをリフォームするのも、お風呂の寒さを和らげる有効な方法です。前述した通り、お風呂の床がタイルの場合、足元の空気が冷えやすくなります。タイルを浴室用クッションフロアや樹脂製の床に変更すれば、足元の冷えを抑え、浴室内をより快適に保てるでしょう。

床材を選ぶ際には、転倒防止加工や水はけを良くする加工が施されたものを選ぶことが大切です。また、浴室向けの床暖房を導入すれば、足元の空気がしっかり暖まり、より快適な入浴空間を実現できます。ただし、床暖房を導入する場合は、給湯器の交換が必要になるケースもあります。

浴室暖房乾燥機を設置する

浴室暖房乾燥機を設置するのも、おすすめの寒さ改善方法の一つです。

浴室暖房乾燥機は、暖房・乾燥・換気機能を備えた設備を指します。お風呂の寒さ対策はもちろん、カビの増殖防止効果や、天候が悪い日の洗濯物の乾燥などにも活用可能です。ほとんどの場合、涼風機能も付いているため、夏場の入浴を快適にする効果も期待できます。

また、浴室暖房乾燥機を作動させた状態で、脱衣所との間にあるドアを開けておけば、脱衣所の冷え対策にもなるのがメリットです。

浴室暖房乾燥機は、浴室の広さをカバーする暖房能力を持った製品を選ぶことが大切です。種類は大きく分けて、天井埋め込みタイプ・天井付けタイプ・壁かけタイプがあります。できるだけ短い工期で、費用を抑えてリフォームしたいなら、既存の換気扇を外して取り付ける天井付けタイプがおすすめです。

ユニットバスに変更する

お風呂の寒さを改善するには、タイルからユニットバスに変更する方法もあります。かつて主流だった在来工法では、ほとんど断熱材が使われず、床や壁にタイルが用いられていたため、浴室が冷えやすい傾向がありました。

一方、現在主流のユニットバスは浴室全体に断熱材を使用しているため、在来工法よりも浴室内を暖かく保つことができます。近年は素材そのものに断熱効果を持つ床や壁、浴槽も登場しており、さらに性能が高まっています。夏場に浴室内の温度上昇を抑える効果もあるため、一年を通して快適なバスタイムを楽しめるでしょう。

ユニットバスには掃除をしやすくする加工やカビを防ぐ加工が施されたものもあり、日々のお手入れの負担を軽減できるのもメリットです。

在来工法のお風呂で寒さに悩んでいるなら、この機会にユニットバスへのリフォームを検討してみると良いでしょう。

お風呂の寒さを改善して安全で快適なバスタイムを

お風呂の寒さは快適さを損ねるだけでなく、近年問題となっているヒートショックのリスクを高めます。まずは本記事で紹介した寒さ対策を実践し、暖かく安心できる入浴環境を整えましょう。

もし対策をしても改善が見られない場合は、リフォームを検討するのもおすすめです。浴室リフォームの内容によっては補助金の対象になることがあるため、お得にリフォームができる可能性もあります。

東京・神奈川・大阪・兵庫でお風呂のリフォームをご検討中の方は、住宅設備協同組合にぜひご相談ください。「お風呂の寒さ改善に効果的なリフォームを知りたい」「予算50万円でリフォームしたい」など、お客さまのご要望に合わせて、最適なリフォームをご提案します。ホームページに掲載している施工事例では、ビフォーアフターもご紹介中です。ご相談や見積もりは無料で、リフォーム相談会も開催していますので、お気軽にお問い合わせください。