キッチンの老朽化や使い勝手の悪さが気になっていませんか。リフォームにいくらかかるのか分からず、不安を抱く方も多いでしょう。100万円以上かかるのが普通なのか、疑問に思う場合もあります。
本記事では、工事内容別の費用相場や価格が変わる要因を詳しく解説します。さらに、失敗しない選び方や工期、費用を賢く抑えるコツも紹介します。
ご自身の予算や暮らしに合った計画を立てる参考にしてください。

住宅設備協同組合
東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3463号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。
キッチンリフォームの費用相場はいくら? 工事費込みの総額目安
キッチンリフォームの費用相場について、工事の規模や範囲別に解説します。全体像を把握すると、予算に合わせた計画が立てやすくなります。
まずは、具体的な価格帯について詳しく見ていきましょう。
部分交換・機器取り替えの費用相場
ビルトインコンロや食洗機など、特定の設備のみを交換する場合の費用相場です。全体交換に比べて、工事費用を安価に抑えられます。
主な設備ごとの費用相場と工期は以下の通りです。
| 設備・工事内容 | 費用相場 | 工期の目安 |
|---|---|---|
| ビルトインガスコンロ・IH | 3万〜30万円 | 半日〜1日 |
| ガスからIHへの変更工事 | 9万〜25万円 | 1〜2日 |
| ビルトイン食洗機の交換 | 6万〜20万円 | 半日〜1日 |
| ビルトイン食洗機の新規設置 | 10万〜50万円 | 1〜2日 |
| レンジフード・換気扇の交換 | 4万〜25万円 | 半日〜1日 |
ガスからIHへ変更する際、専用回路がない場合は電気配線工事が必要です。食洗機を新規設置する際は、設置環境に応じて給排水管工事やキャビネット加工が必要な場合があります。
コンロとレンジフードを同時に交換するセットプランを利用すると、費用を抑えられる場合があります。
同じ場所で本体を丸ごと交換する場合の費用相場
既存のキッチンと同じ位置・同じサイズで、新しく入れ替える工事です。工事費込みの総額目安は、50万〜100万円が中心帯となります。
総額には以下の費用が含まれます。
・システムキッチン本体代金
・既存キッチンの解体処分費
・搬入取付費
・給排水・ガス・電気の接続費
シンプルモデルであれば、工事費込みで50万〜70万円程度で施工できます。機能やデザインを高めたミドルグレードでは、80万〜100万円前後が目安です。
配置を変更しないため、配管工事が最小限となり、費用を抑えやすいでしょう。
壁付けから対面式・レイアウトを変更する場合の費用相場
壁付けキッチンから対面式へ変更するリフォームの費用相場です。工事費込みの総額目安として、55万〜200万円程度かかります。
レイアウトや既存設備に応じて、以下の追加工事が必要となるためです。
・給排水管やガス管の延長・移設工事
・排気ダクトの移設工事
・間仕切り壁の撤去・造作工事
・周囲の壁紙や床材の張り替え工事
レイアウト変更に伴い、内装工事を併せて行うケースが多いといえます。調理中も家族とコミュニケーションが取りやすく、人気のスタイルです。
キッチンの位置移動・大規模改修の場合の費用相場
キッチンの設置場所を別室や階層へ移動させる大規模工事の費用相場です。工事費込みの総額で、100万〜250万円以上が必要となります。
高額になりやすい理由は以下の通りです。
・床下や天井を通る配管・ダクトの長尺移設
・床や壁の広範囲な解体および補修工事
・構造上必要な場合に行う壁撤去や補強工事
ハイグレードモデルやオーダーメイド品を採用すると、300万円を超えることもあります。
戸建て住宅では柔軟な移設が可能ですが、建物の構造に注意が必要です。撤去できない耐震柱が存在する場合があるため、事前に現地調査を依頼しましょう。
キッチンリフォームの費用が変わる4つの主な要因
キッチンリフォームの価格差を生み出す、主要な4つの要因について説明します。同じような工事に見えても、条件によって金額は上下するものです。
予算調整をスムーズに行うためにも、各要因を正しく理解しておきましょう。
システムキッチンのグレード・モデルの違い
システムキッチンのグレードは、価格を左右する大きな要因となります。一般的に3つのグレードに分類されます。
グレードごとの特徴と本体価格の目安は以下の通りです。
| グレード | 本体価格(メーカー希望価格)の目安 | 特徴・素材 |
|---|---|---|
| シンプルモデル | 50万〜70万円台 | 基本機能を備えたコスト重視型 |
| スタンダードモデル | 70万〜150万円台 | 機能性とデザインのバランスが良い |
| ハイグレードモデル | 90万〜220万円以上 | セラミック天板や高品位ホーローなど |
同じサイズでも、グレードによって本体価格が2〜4倍近く変わります。高価格帯モデルでは、熱や傷に強いセラミック天板などが選択可能です。
使用頻度やこだわりに合わせて、適切なモデルを選びましょう。
キッチンのレイアウトと形状
キッチンの形状によって、本体価格や施工の複雑さが異なります。代表的な形状と費用相場の一覧です。
・I型キッチン:40万〜210万円
・Ⅱ型(セパレート型)キッチン:100万〜250万円
・L型キッチン:50万〜270万円
・ペニンシュラ型キッチン:50万〜180万円
・アイランド型キッチン:70万〜350万円
I型キッチンは製品ラインナップが豊富で、施工費も抑えやすい傾向にあります。
L型ではコーナー部分の特殊ユニットの追加、Ⅱ型では配置条件や施工によって費用が上がる場合があります。アイランド型は開放感がある一方で、設置場所によっては配管工事やダクト工事が複雑化します。
ワークトップや扉の素材・オプション機能
天板や扉の素材選びも、見積もり金額に大きく影響します。ワークトップの素材には、主に以下の種類があります。
・ステンレス(手頃で耐久性が高い)
・人工大理石(色柄が豊富でインテリアになじむ)
・セラミック(熱や傷に対して強い耐性を持つ高価格帯素材)
扉材も、表面仕上げのランクによって数万円から十数万円単位で変動します。
さらに、以下のオプションを追加すると費用が増加します。
・シャワー付きタッチレス水栓
・自動洗浄機能付きレンジフード
・深型ビルトイン食洗機
予算オーバーを防ぐためにも、必要な機能を見極めて選択してください。
配管工事・電気工事・内装補修などの工事費
リフォーム総額には、商品代金だけではなく各種施工費用が含まれます。主な工事費用の内訳は以下の通りです。
・解体・既存キッチンの処分費用
・搬入および取付工事費用
・給排水管・ガス管の接続費用
・電気配線の新設・移設費用
・壁紙や床材の補修・張り替え費用
IHクッキングヒーターへ変更する際、専用回路がない場合は回路の新設工事が必要です。
現場管理費や会社運営費としての諸経費は、工事費用全体の10〜15%程度が一般的な目安です。
見積書を確認する際は、工事費の内訳明細まで細かく目を通しましょう。
失敗しないキッチンの選び方|押さえるべき5つのポイント
日々の使い勝手や満足度を高めるためのポイントを紹介します。デザイン性だけではなく、実用性にも目を配ることが大切です。
失敗を防ぐために押さえておきたい5つの視点を見ていきましょう。
家族の暮らしに合ったレイアウトと動線を選ぶ
調理中の動きやすさを決める要素が作業動線です。シンク、コンロ、冷蔵庫の3点を結ぶ線を「ワークトライアングル」と呼びます。この3辺の合計長さを360〜660cmの範囲に収めるのが、作業しやすい目安です。
ライフスタイルに合わせた選び方のポイントをまとめました。
・一人で作業することが多い場合:壁付けI型など
・家族と会話しながら調理したい場合:対面ペニンシュラ型など
・複数人で並んで料理する場合:通路幅を100〜120cm程度確保した配置
普段の調理スタイルや間取りを振り返りながら、最適な配置を検討しましょう。
使いやすいワークトップの高さと素材を選ぶ
高さが体に合わないカウンターは、身体への負担につながる場合があります。適切な高さを計算する目安の一つが「身長 ÷ 2 + 5cm」です。一般的なシステムキッチンでは、80cm、85cm、90cmなどの高さが用意されています。
ショールームでは、普段履くスリッパの厚みを考慮して体感してください。
天板素材の特徴は以下の通りです。
・ステンレス:衛生面や耐久性に優れる
・人工大理石:インテリアに調和しやすい
・セラミック:傷や熱に対して強い耐性を持つ
毎日触れる場所だからこそ、触り心地や清掃性も確かめて選びましょう。
お手入れ性や利便性を左右する設備機器を選ぶ
加熱機器やレンジフードなどの設備は、家事効率を左右します。加熱機器は、直火で調理できるガスコンロと、火を使わずお手入れが容易なIHから選びます。
レンジフードは、油汚れを弾くコーティングや自動洗浄機能が付いたモデルも選択可能です。ビルトイン食洗機には、手洗いに比べて節水効果が期待できる製品もあります。
家族の人数や使用頻度に合わせて、浅型か深型かを選定しましょう。家事の負担を軽減できる機器を導入すると、日々の満足度が高まります。
出し入れしやすさを考慮した収納の量と質を選ぶ
収納は、量だけではなく取り出しやすさも重要なポイントです。足元まで活用できるスライド式の引き出し収納が一般的で、奥にしまった重い鍋も楽に出し入れできる設計になっています。
高い位置にある吊戸棚には、昇降式ユニット(ダウンウォール)が便利です。手元まで降ろせるため、高い場所の収納空間を活用しやすくなります。
背面に同シリーズのカップボードを配置すると、統一感が出ます。
戸建て・マンションの建物構造や施工制限を確認する
建物の構造や規約によって、希望する改修が行えない場合があります。特にマンションリフォームでは、以下の制限を受けることがあります。
・床下の排水管勾配による位置移動の制限
・排気ダクト経路によるレイアウトの制限
・管理規約による床材の防音規定
戸建ての場合でも、撤去できない耐震柱や筋交いが存在するケースがあります。早い段階でリフォーム会社へ現地調査を依頼することが大切です。
プロの判断を仰ぎながら、実現可能なプランを組み立てましょう。
キッチンリフォームにかかる工期と工事中の過ごし方
工事規模に応じた工期の目安と生活への影響を説明します。施工期間中はキッチンが使用できなくなる点に注意しましょう。
あらかじめ準備を整えておくことで、工事中も快適に過ごせます。
工事内容ごとの工期目安(2日〜3週間)
システムキッチン本体の入れ替えやリフォームにかかる期間は、工事内容によって異なります。
工事内容別の工期目安は以下の通りです。
| 工事内容 | 工期の目安 |
|---|---|
| 同位置でのキッチン本体交換 | 2〜4日程度 |
| キッチン交換 + 内装工事(クロス・床) | 5〜10日程度 |
| レイアウト変更・位置移動を伴う改修 | 2〜3週間程度 |
同じ場所での本体交換であれば、数日で作業が完了します。壁紙や床材の張り替えを伴う場合は、使用する材料や施工工程によって時間がかかることがあります。
間仕切りの撤去や配管の移設を伴う場合は、数週間単位の期間を見込みましょう。
キッチンが使えない期間と生活への影響・対策
給排水管の接続作業時には、一時的な断水が発生する場合があります。断水時間は通常1〜2時間程度ですが、大幅な配管変更を伴う場合は長くなるケースもあります。
工事期間中の食事対策として、以下の方法を準備しておきましょう。
・カセットコンロを利用した簡易調理
・電子レンジを活用した惣菜の温め直し
・外食や宅配サービスの利用
断水していない場所(洗面所や浴室など)を仮の水汲み場として利用できるか、確認しておきます。工事が長期化する場合は、仮設キッチンの設置について業者へ相談できる場合もあります。
事前に対策を講じておくことで、不便さを抑えられるでしょう。
キッチンリフォームの費用を抑える3つのコツ
予算内で満足度の高いリフォームを実現する方法を紹介します。無理に安価な製品を選ぶだけが、コスト削減ではありません。
工夫次第で費用を賢く抑えることが可能です。
優先順位を整理して無駄なオプションを削る
リフォームの目的を明確にして、優先順位を整理してください。「清掃性を高めたい」「収納力を増やしたい」などの軸を決めます。
自分たちの暮らしに不要な高機能オプションは削りましょう。予算配分にはメリハリをつけることが大切です。
・扉のカラーグレードは標準帯に抑える
・毎日触れる水栓やワークトップのみこだわる
過不足のないグレードを選択して、無駄な出費を防ぎましょう。
キッチンの位置を変えずに既存の配管を生かす
既存の配管位置をそのまま生かすと、移設工事費用を抑えやすくなります。位置を変更しない入れ替えであれば、大幅な配管・ダクト移設工事費(10万〜30万円程度)をかけずに済む場合があります。
ただし、同じ位置であっても配管の接続調整は必要です。
対面風の空間に仕上げたい場合の工夫例は、以下の通りです。
・キッチンの位置は動かさず、前面に造作カウンターを設置する
・状態や接続条件が合えば、既存のレンジフードやコンロの一部について再利用を検討する
既存設備の状態を見極めながら、賢く予算をコントロールしてください。
国や自治体の補助金制度・優遇措置を活用する
公的な補助金制度を利用すると、費用負担を軽減できる場合があります。省エネ性能を高める改修などに対し、国の補助金制度(「みらいエコ住宅2026事業」など)が活用できる場合があります。
対象となり得る設備の例は以下の通りです。
・節湯水栓
・掃除しやすいレンジフード
・ビルトイン食洗機
ただし、これらの設備を単独で交換するだけで補助対象になるわけではありません。対象製品の使用や必須となる省エネ工事との組み合わせ、登録事業者による施工などの要件を満たす必要があります。
また、自治体独自のリフォーム補助金制度が設けられている地域もあります。制度ごとに契約・着工・申請の時期や条件が異なるため、事前にリフォーム会社へ相談しましょう。
キッチンリフォームの費用は見積もりで確かめよう
キッチンリフォームの費用相場は、システムキッチンの交換工事で50万〜150万円程度が一般的な目安となります。価格は、選択する製品グレードやレイアウト変更の有無によって大きく変動します。
条件を満たせば、キッチンの位置を変えない工事や補助金制度の活用によって費用を抑えられます。満足のいく改修を行うには、正確な現地調査とプロによる適切なプラン提案が欠かせません。
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