
「汚れやカビが目立ってきた」「もっと快適なお風呂にしたい」と思ったら、ユニットバスの交換を検討しましょう。ユニットバスの交換にかかる費用はグレードによって異なるため、相場を知った上で予算を組んだり、リフォーム業者を選んだりすることをおすすめします。
本記事ではユニットバス交換を検討するタイミングや、交換にかかる費用の相場、活用できる補助金の概要、費用を抑えるコツについて紹介します。
ユニットバスの交換費用を知りたい方や、費用を抑える方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
- ユニットバスの交換費用の目安は50~150万円が相場
- 交換費用はグレードによって大きく左右されるため、適切なグレードを選ぶことが大切
- 補助金や助成金を利用すればコストの節約が可能

住宅設備協同組合
東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。
ユニットバスを交換するタイミングは? 交換を検討した方が良いサイン

ユニットバスを交換するタイミングはおおむね15~20年といわれています。ただし、15年を迎えるまでにも、部品の交換やメンテナンスは必要です。例えば、コーキング材や目地材、ドア障子、枠パッキンなどは5年ごとの交換が推奨されています。
定期的なメンテナンスを怠ると、お風呂の水が壁と浴槽の間などから入り込み、内部から腐食する原因になります。メンテナンスをしていなかった場合、15~20年を待たずにユニットバスが寿命を迎える可能性があるため、定期的なお手入れはしっかり行いましょう。
特に以下のような症状が現れた場合は、ユニットバスの交換を検討した方が良いかもしれません。
浴槽・洗い場にひび割れがある
浴槽や洗い場には強度が高く、腐食に強いFRP(繊維強化プラスチック)やステンレスなどの素材が用いられていますが、経年劣化によりひびが入ることがあります。ユニットバスのひび割れは水漏れの原因になるのはもちろん、隙間に汚れが入り込むと見た目も悪くなります。
軽度のひび割れであればコーキング材などで修繕できますが、ひびが大きい場合や、浴槽全体が古い場合はユニットバスそのものを交換するのがおすすめです。
シャワー・カランから水が漏れている
シャワーホースやシャワーヘッド、カランの結合部分やパッキンが劣化すると、水漏れが発生します。
シャワーヘッドやパッキンの交換なら自分でもできますが、カラン本体が劣化している場合は専用の工具が必要になります。浴槽なども劣化しているのなら、ユニットバスの交換と合わせてメンテナンスした方が手間を省けるでしょう。
スムーズに排水されない
排水管や排水トラップに詰まりが生じていると、水の流れが悪くなります。
排水トラブルが悪化すると、水漏れが床下にまで及び、腐食の原因となる場合があります。簡単な詰まりであれば排水管や排水トラップの掃除で解消できますが、手の届かない部分に汚れがたまったり、詰まりが発生したりした場合はユニットバスの交換を検討した方が良いでしょう。
ここまで、ユニットバスの交換を検討するタイミングの目安についてご紹介しました。なお、上記のようなトラブルが発生していなくても、使い勝手が悪いと感じる場合は交換を検討するのがおすすめです。
例えば「浴室の床が冷たくてヒートショックが心配」「掃除の手間を省きたい」など、現在利用しているお風呂に悩みや不満がある場合、部分的な補修や改善では解決できないこともあります。そのようなときには、ユニットバスの交換を検討してみましょう。
ユニットバス交換にかかる費用相場

ユニットバス交換にかかる費用は、ユニットバスのグレードやオプションの有無などによって異なります。マンションなら50~100万円、一戸建てなら60~150万円が相場とされています。
価格帯に幅があるのは、ユニットバスのグレードによって価格に差が生じるためです。グレードの数や種類はメーカーごとに異なりますが、一般的にはローグレード、ミドルグレード(スタンダード)、ハイグレードの3種類に分類されます。
ローグレードは必要最低限の機能を備えたシンプルなタイプで、価格は50~75万円が目安です。費用を抑えてユニットバスを交換できる点がメリットですが、ドアの種類を選べなかったり、浴槽に断熱材が使われていなかったりと、デザインや機能面では物足りなく感じる場合があります。
ミドルグレードはスタンダードな仕様のグレードで、価格帯は70~90万円です。断熱材を用いた浴槽や、乾きやすく滑りにくい床材、メタリックでおしゃれなシャワーやカランなど、デザイン性と機能性のバランスが取れています。
ミドルグレードは標準仕様としておすすめしているメーカーも多いため、特に人気があります。ただし、より洗練されたデザインや高い快適性を求める場合は、ハイグレードのユニットバスを選ぶのがおすすめです。
ハイグレードはミドルグレードの機能に加えて、扉を引き戸・開き戸・折れ戸などから選べたり、タイル調のおしゃれなパネルを使えたりする他、肩湯やジェットバスなどの設備も設置できるため、高級感あふれる仕様になっています。
そのため、価格帯は150万円以上と高めに設定されています。またハイグレードにしか対応していないオプションなどもあるため、お風呂場にこだわりたい方はハイグレードを選ぶことが多いようです。
重視するポイントは人それぞれですが、快適なお風呂を長く使いたいのなら、ミドルグレード以上のものを選ぶと良いでしょう。
ユニットバス交換費用の内訳
ユニットバス交換費用には、以下のような製品・工事が含まれています。
| 内訳 | 費用相場 |
| ユニットバス本体 | 25~120万円 |
| 既存ユニットバスの解体・撤去 | 4~10万円 |
| ユニットバス組み立て | 5~10万円 |
| 搬入出・養生 | 2~5万円 |
| 給排水管工事 | 2~8万円 |
| 間仕切り壁・袖壁・浴室入口扉枠の工事 | 5~6万円 |
| 運搬費・廃材処分費など | 3~15万円 |
交換費用の内訳で最も費用が高いのはユニットバス本体であるため、グレードの選び方によって価格に大きな差が生じることが分かります。
なお、上記はあくまで目安であり、現場の状況や工事内容によって相場は左右されます。例えば在来工法の浴室からユニットバスに交換する場合や、壁の腐食が進行しており大規模な下地補修などが必要になる場合は、さらに費用がかかると考えておいた方が良いでしょう。
また肩湯やジェットバス、テレビの設置といったオプションを付ける場合は、それぞれオプション料金が上乗せされます。オプションの数が多くなるほどトータルの施工費用もかさみやすくなるため、予算との兼ね合いに注意しましょう。
詳しい費用や工事の内訳が知りたい場合は、リフォーム業者から見積もりを取り寄せてみることをおすすめします。
ユニットバス交換費用を抑えるコツ
ユニットバス交換の費用をなるべく抑えたい場合は、以下のコツを押さえてリフォーム計画を立ててみましょう。
複数の業者から相見積もりを取る
ユニットバス交換の見積もりは、複数の業者から同時に取り寄せるのがおすすめです。
1社のみだと業者から提示された金額が適正な価格か判断できず、施工費用が相場より高くなる可能性があります。見積もりは3~5社を目安に取り寄せ、内容をじっくり比較して適切な条件を提示してきた業者を選ぶと良いでしょう。
なお、見積もりをチェックする際は価格だけでなく、細かい内訳が記載されているか、項目ごとに単価が明記されているか、などの確認も大切です。
例えば「リフォーム工事一式」などと曖昧に記載されている場合は、後から追加料金を請求されたり、必要な工事が行われなかったりする可能性があるため、注意が必要です。
適切なグレードを選ぶ
前述の通り、ユニットバス交換費用の大部分はユニットバス本体の価格が占めています。そのため、適切なグレードを選択すれば、費用を大幅に抑えられます。
コストを重視する場合は、最低限の設備・機能を備えたローグレードのユニットバスを選ぶことで全体の費用を抑えられるでしょう。ただし、ローグレードはミドルグレードやハイグレードと比べて、機能や性能で劣る点が多くなります。
「せっかくお金を出してユニットバスを交換したけれど、不満が絶えない」と後悔する可能性もあるため、性能や機能をよく理解した上で、自分や家族のニーズを満たせるかどうかをきちんと確認しましょう。
不要なオプションを付けない
ユニットバス交換では任意でオプションを付けられますが、オプションが多くなるほど費用もかさむため、不要なオプションを付けないことがコストを抑えるコツの一つです。
例えば、浴室乾燥機は悪天候でも洗濯物を乾かせる便利な機能ですが、乾燥機能付きの洗濯機を持っているのなら活用する機会はそれほど多くないでしょう。
このように、便利だと思って付けたオプションが実は不要だったというケースは少なくありません。実際に導入した場合をシミュレーションして、必要性を慎重に見極めることが大切です。
補助金・助成金制度を利用する
国や自治体が実施している補助金・助成金制度を利用すれば、ユニットバス交換費用の一部を助成・補助してもらえます。補助金は貸与ではなく支給であり、返済の必要がないため、制度を利用すればユニットバス交換費用の大幅な節約が可能です。
ただし、補助金・助成金制度を利用するには一定の要件を満たす必要があります。要件や補助率は制度によって異なるため、ユニットバス交換を検討する際は活用できる制度があるかどうか事前に確認しておきましょう。
補助金・助成金制度について、詳しくは次章で説明します。
ユニットバス交換で利用できる補助金・助成金制度
ユニットバス交換で利用できる補助金や助成金制度は、国が実施するものと自治体が実施するものの2種類があります。
ここでは国の制度と自治体の制度についてそれぞれ詳しく説明します。
国が実施する補助金・助成金制度
国が実施する補助金・助成金制度のうち、ユニットバス交換に利用できる可能性があるものの代表例は以下の通りです。
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 子育てグリーン住宅支援事業
以下ではそれぞれの制度について詳しく解説します。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、住宅の性能を向上させたり、三世代同居に対応したりするために行われるリフォームに対して、補助金を支給する制度です。
補助率は、補助の対象となる工事にかかる費用の1/3、補助限度額は1戸につき80万円(長期優良住宅認定を取得する場合は160万円)となっています。ただし、補助対象工事費等が30万円以下は補助対象外となるため注意が必要です(※1)。
また制度を利用するには以下4つの要件を全て満たしている必要があります(※2)。
- 少なくとも1の階の床面積(階段部分除く)が40m²以上かつ延べ面積が55m²以上であること(その他、居住環境と、維持保全計画の策定に関する条件もあり)
- 実施するリフォーム工事が住宅性能基準に適合させるための工事、三世代同居対応改修工事、子育て世帯向け改修工事、防災性、レジリエンス性向上改修工事のいずれかであること
- リフォーム工事実施後の住宅が、当該事業が定める住宅性能に係る評価基準に適合するものであること
- 工事前にインスペクション(現況検査)を行うこと
※1参考:国土交通省.「令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」.“事業タイプ毎の補助申請額”
※2参考:国土交通省.「令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」.“補助を受けるための要件”
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、省エネ改修や子育て対応改修などを目的としたリフォーム工事に対して補助金を支給する制度です。
補助額は実施した工事の内容によって異なります。以下の1~3全てのカテゴリーを実施した場合は上限60万円/戸、1~3のうちいずれか2つのカテゴリーを実施した場合は上限40万円/戸が支給されます(※)。
- 開口部の断熱改修
- 躯体の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
ユニットバスを省エネ性の高いものに交換した場合は、カテゴリー3に該当します。ただし、補助金を受け取るためには、2つ以上のカテゴリーに該当する工事を同時に行う必要があります。そのため、ユニットバスの交換に加えて他のカテゴリーに該当するリフォームについても検討が必要です。
例えば、高断熱の窓や玄関への交換、外壁の断熱工事の実施などがあります。この制度は、ユニットバスの交換だけでなく、家全体の断熱性能を高めたい方にもおすすめです。
※参考:国土交通省.「子育てグリーン住宅支援事業」
自治体が実施する補助金・助成金制度
自治体によっては、独自のリフォームに関する補助金や助成金制度を設けている場合があります。補助の対象となる住宅や工事内容、補助額などは自治体ごとに異なるため、詳しい情報は各自治体のWebサイトを確認するか、役所に直接問い合わせてみましょう。
なお、地域密着型のリフォーム会社に相談すれば、地元の補助金や助成金制度について詳しく説明してもらえます。
さらに、補助金や助成金の申請手続きもリフォーム業者が代行してくれるため、各自治体の補助金や助成金の活用を検討している方は、地元事情に詳しいリフォーム会社への相談がおすすめです。
ユニットバス交換を検討する際は費用相場や補助金をよく理解しておこう
ユニットバスの交換費用は、選ぶグレードやオプションなどによって異なりますが、一般的には50~150万円が相場です。希望に合わせつつも交換費用をなるべく抑えたい場合は、複数業者への相見積もりやグレードの見直し、不要なオプションを外すといった工夫を取り入れましょう。
また要件を満たしていれば、国や自治体が実施している補助金や助成金制度も利用できます。ただし、制度によって要件が異なるため、まずは制度の概要をよく確認してから申請手続きを進めましょう。
住宅設備協同組合では、ユニットバスの交換をはじめとする浴室リフォームや、その他の水回り全般の改修工事を承っています。県内で豊富なリフォーム実績があり、お客さまのご要望やご予算に適したリフォームプランを提案します。さらに、補助金を活用したリフォームも可能です。
ご相談はお電話の他、Webサイトの問い合わせフォームやLINEでも受け付けています。ユニットバスの交換を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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