【決定版】高齢者が安心できるお風呂リフォーム!費用相場・ポイント・注意点を徹底解説

ご家族の介護やご自身の将来を見据えて、お風呂をバリアフリーにするリフォームを行う人が増えています。どのようなリフォームを行えば、高齢のご家族や介護する方が安心できる浴室環境を整えられるのでしょうか。

本記事では、高齢者向けのお風呂リフォームを検討している方のために、お風呂リフォームをするべき理由や、リフォームのポイント、費用相場、注意点などを解説します。

現在ご家族に要介護者や要支援者がいる場合、介護保険制度を利用して、お得にリフォームできる可能性もあります。ご家族の安全を守るためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

【この記事で分かること】

  • 浴室は高齢者の家庭内事故が起こりやすい場所の一つで、ヒートショックのリスクもある
  • 浴室のリフォームを行うことで、高齢者が抱える浴室でのリスクを軽減できる他、介護する人の負担も軽減できる
  • 代表的なリフォームには手すりの設置や段差の解消、床材や浴槽、ドアの変更などがあり、一部のリフォームは介護保険や補助金の対象となることがある
この記事の著者

住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

高齢者がいるご家庭がお風呂リフォームをするべき理由

高齢者が安心して入浴できる環境を整えるために、なぜお風呂リフォームが必要なのか、その理由から見ていきましょう。

浴室は家庭内事故が起きやすい場所の一つ

浴室は家庭の中でも、特に高齢者の事故が起こりやすい場所の一つとされています。

厚生労働省人口動態統計(令和5年)を基に消費者庁がまとめた資料によると、高齢者(65歳以上)の浴槽内での不慮の溺死および溺水の死亡者数は6,541人でした。同じ年代の交通事故による死亡者数は2,116人であり、入浴中の事故による死亡者数は交通事故の約3倍にもなっています(※)。

また浴室は床が濡れやすく滑りやすいため、転倒事故のリスクも高い場所です。このような背景から、高齢者がいるご家庭では浴室の安全対策が特に重要だといえるでしょう。

※参考:消費者庁.「コラム Vol.12 高齢者の事故 冬の入浴中の溺水や食物での窒息に注意

冬場はヒートショックのリスクも高まる

冬場は、ヒートショックのリスクが特に高まる点にも注意が必要です。ヒートショックとは、暖かい場所から寒い場所へ移動するなど、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、めまいや立ちくらみ、失神などを引き起こす現象を指します。

入浴時は、暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動し、さらに浴室で体を温めた後、再び脱衣所へ戻るという温度差の大きい動線になるため、ヒートショックが起こりやすい状況です。

実際に、前述した高齢者の浴槽内での不慮の溺死・溺水事故は、毎年11~4月にかけて増加する傾向が見られます(※)。ヒートショックによって意識を失い、そのまま溺れてしまうケースや、立ちくらみによって転倒事故につながるケースも少なくありません。高齢者がいるご家庭では、特に冬場の入浴環境への対策が重要です。

※参考:政府広報オンライン.「交通事故死の約3倍?!冬の入浴中の事故に要注意!

介護する家族の負担も軽減できる

お風呂をバリアフリー仕様にリフォームすることで、介護をする家族の負担も軽減できます。

例えば、浴室内に手すりが設置されていたり、またぎやすい高さの浴槽であったりすると、介助時の動作がスムーズになり、身体的な負担を減らすことができます。また浴室内に十分なスペースが確保されていれば、介助する側と受ける側が一緒に動きやすくなるため、安全性も高まるでしょう。

介護が必要な方の転倒やけがを防ぐことはもちろん重要ですが、無理な姿勢での介助によって、介助者自身が腰や膝を痛めるケースも少なくありません。そのため、お風呂リフォームによって、要介護者だけでなく、介護をする家族の安全や負担軽減にもつながります。

高齢者がいるご家庭向けのお風呂リフォームの6つのポイント

高齢者がいるご家庭でお風呂のリフォームをする場合、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか。以下で、6つのポイントをご紹介します。

手すりを設置する

高齢者がいるご家庭におすすめの代表的なお風呂リフォームの一つが、手すりの設置です。

浴室内や浴槽の出入り口、立ち上がりの際に手すりがあることで、高齢者自身が体を支えやすくなり、バランスを崩して転倒するリスクを軽減できます。手すりの設置は比較的費用を抑えて行えるため、取り入れやすいリフォームといえるでしょう。

ただし、必要以上に取り付けると動線を妨げ、かえって危険になることもあります。使う人の動きを考慮し、業者と相談しながら設置箇所や本数を決めることが大切です。

段差をなくす

高齢者がいるご家庭では、浴室まわりの段差をなくすことも重要なポイントです。

脱衣所と浴室の間に段差があると、つまずきやすく、転倒事故につながるリスクが高まります。足元が不安定になりやすい高齢者にとっては、小さな段差でも大きな危険になりかねません。

近年主流のユニットバスは、床の勾配設計や水はけの良い床材を採用しており、段差をなくしても水漏れしにくい構造になっています。また扉に埋め込み式のレールを選べば、つまずきにくくなるだけでなく、車いすやシャワーキャリーでも出入りしやすくなるでしょう。

滑りにくい床材に変更する

浴室の安全性を高めるためには、床材を滑りにくい素材に変更することも効果的です。

浴室の床は水で濡れるだけでなく、シャンプーやボディソープが付着することで、さらに滑りやすくなります。手すりが設置されていても、足元が滑りやすい状態では転倒のリスクを防ぎきれません。

滑りにくさに加えて、クッション性のある柔らかい床材を選べば、万が一転倒した場合でも衝撃を和らげられます。保温性に優れた床材であれば、足元の冷えを防ぎ、ヒートショック対策にもつながるでしょう。

また床は汚れが蓄積しやすく、カビも発生しやすい場所です。安全性に加え、掃除のしやすさも考慮して床材を選ぶことをおすすめします。

またぎやすい浴槽に変更する

またぎやすい深さの浴槽にするのも、高齢者がいるご家庭におすすめのリフォームです。

浴槽の縁が高いと、出入りの際に足を大きく上げる必要があり、バランスを崩して転倒するリスクが高まります。一般的に、縁の高さが30〜40cmの浅めの浴槽は、高齢者でもまたぎやすいとされています。洗い場よりも少し低い位置に埋め込まれているタイプを選ぶのもおすすめです。

また浴槽の一部に腰掛けスペースが設けられているタイプであれば、入浴時や立ち上がる際の動作が楽になり、安全性の向上にもつながります。

引き戸や折れ戸に変更する

浴室と脱衣所の移動をスムーズにするために、浴室ドアを引き戸や折れ戸に変更するのもおすすめです。

一般的に採用されることの多い押し戸は、扉の開閉スペースが必要なため、間口が狭くなりがちです。一方、引き戸や折れ戸であれば、比較的広い開口部を確保しやすく、要介護者と介護者が同時に出入りしやすくなります。また車いすやシャワーキャリーを使用する場合にも、スムーズな動線を確保しやすいです。

折れ戸は引き戸に比べてコストを抑えやすいため、予算を重視する場合にも取り入れやすい選択肢といえるでしょう。

浴室の断熱性・気密性を高める

ヒートショック対策のためには、断熱性・気密性を高めるリフォームもおすすめです。

例えば、天井や壁、床、窓に断熱リフォームを施すと、浴室内の暖かい空気が逃げにくくなり、外からの冷たい空気の侵入も防ぎやすくなります。冬場でも浴室を暖かく保ちやすくなり、入浴時の寒暖差を軽減できるため、ヒートショック防止に効果的です。

また断熱性の向上は夏場の快適性にもつながるため、年間を通して過ごしやすい浴室環境を維持しやすくなります。断熱効果を高めるには、二重窓への変更や内窓の設置もおすすめです。

高齢者がいるご家庭向けのお風呂リフォームの費用相場

高齢者がいるご家庭向けのお風呂リフォームには、前述したように安全性や使いやすさを高めるためのさまざまな工事があります。リフォーム内容ごとの大まかな費用相場を把握しておくことで、予算に合わせた計画を立てやすくなるはずです。

以下に、代表的なリフォームと費用相場をまとめました。

リフォーム内容費用相場
手すりの設置0.5〜5万円
段差の解消5〜28万円
床材の変更3~20万円
浴槽の変更10~100万円
引き戸・折れ戸への変更5~16万円
壁への断熱材の追加3〜5万円
床への断熱材の追加3〜5万円
二重窓の取り付け4~30万円
ユニットバスへの交換60~150万円

手すりの設置や段差の解消、床材の変更といった部分的なリフォームであれば、比較的費用を抑えて行うことが可能です。一方、浴槽の交換やユニットバスへの変更など、工事規模が大きくなるほど費用も高くなる傾向があります。

他にも、高齢者が安心して入浴できる環境を整えるためのリフォーム方法は数多くあります。実績が豊富な業者に相談し、ご家庭の状況や将来の介護も見据えた上で、適切なリフォーム内容を検討すると良いでしょう。

高齢者がいるご家庭向けのお風呂リフォームの注意点

高齢者が安心して入浴できる環境を整えるためのリフォームを行う上では、いくつか注意しておきたい点があります。後悔しないためにも、ここで解説する注意点を押さえておきましょう。

希望通りのリフォームができないことがある

浴室リフォームでは、希望している内容を全て実現できない場合があることも理解しておきましょう。

浴室のタイプは大きく分けて、ユニットバスと在来工法の2種類があります。ユニットバスは、壁・床・天井が一体化しており、比較的短期間で施工できるのが特徴です。ただし、規格化された製品のため、細かなデザインの指定やサイズ調整には限界があります。また既存の浴室が在来工法の場合、広さや形状によってはユニットバスへの変更が難しいケースもあるので、注意が必要です。

一方、在来工法は現場で一から作り上げる浴室のため、デザインやサイズの自由度が高い反面、ユニットバスに比べて費用がかかりやすく、工期も長くなる傾向があります。

どのようなリフォームが可能かは住まいの条件によって異なるので、事前に業者へ相談し、現地調査を踏まえて提案してもらいましょう。

15〜20年以上使用しているなら、全面リフォームも検討する

15〜20年以上使用している浴室であれば、全面リフォームも視野に入れることをおすすめします。

一般的に、浴室を含む水まわり設備の耐用年数は15〜20年とされており、この期間を超えると不具合が起こりやすくなります。表面上は問題がなくても、配管や下地など目に見えない部分で劣化が進んでいる可能性も少なくありません。

そのため、15〜20年以上使用しているお風呂の場合は、手すりの設置や段差解消といった部分的なリフォームではなく、浴室全体を見直す全面リフォームを検討すると良いでしょう。

リフォーム中の入浴方法を考えておく

お風呂のリフォームを行う際は、工事期間中の入浴方法についても事前に考えておくことが大切です。

リフォーム内容によっては、数日から数週間にわたって自宅で入浴できなくなる場合があります。例えば、在来浴室からユニットバスへのリフォームでは、工期の目安は7〜10日です。在来浴室を作り替える場合は、2週間から1カ月ほどかかることもあり、下地補修などの追加工事が発生すると、さらに期間が延びる可能性があります。

工事期間中に不便を感じないよう、事前にどのように入浴するかを検討しておきましょう。工期が長い場合や住まい全体をリフォームする場合には、短期賃貸マンションやホテルを利用するのも一つの方法です。

要介護者や要支援者がいるご家庭のリフォームなら介護保険制度を活用しよう

ご家族に要介護者や要支援者がいる場合は、お風呂のバリアフリーリフォームに介護保険制度を活用できる可能性があります。対象となる工事には、手すりの設置や段差の解消など、安全性を高めるためのリフォームが含まれます。

介護保険による住宅改修は、工事費用の上限が20万円で、所得に応じて7〜9割が給付される仕組みです。例えば9割給付の場合、自己負担は2万円で、最大18万円まで支給を受けられます(※)。限度額の範囲内であれば、複数回の申請も可能です。申請時には「住宅改修が必要な理由書」が必要となり、ケアマネージャーなどの有資格者に作成を依頼しなければなりません。

また自治体によっては独自にバリアフリーリフォームへの補助制度を設けているケースもあります。国の長期優良住宅化リフォーム推進事業が補助金の対象となるケースもあるため、あわせて確認しておくと良いでしょう。

※参考:厚生労働省.「介護保険における住宅改修

高齢者が安心して入浴できる環境づくりは早めのリフォームが鍵

高齢者にとって浴室は、転倒や溺水、ヒートショックなどのリスクが高い場所です。そのため、お風呂リフォームによって安全性と快適性を高めることは、ご本人の安心だけでなく、介護をする家族の負担軽減にもつながります。

ご家族に高齢者がいる方は、ご紹介したリフォーム内容を参考に、ご自宅のリフォーム計画を立ててみましょう。またご自身の将来を見据えたお風呂リフォームは、「必要になってから」ではなく「安心できるうち」に行うのが理想です。ご家族が毎日安心して使える浴室環境を整えるために、ご家庭に合った適切なリフォームを検討してみましょう。

神奈川県住宅設備協同組合は、浴室を含めた家のリフォームに豊富な実績があります。リフォーム内容によっては最短1日で工事が可能で、在宅のまま施工できるケースもあります。補助金申請のサポートにも対応していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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