タンクレストイレへの交換費用はいくら?設置のメリットや補助金を用いた節約術を解説

タンクレストイレへの交換費用はいくら? 設置のメリットや補助金を用いた節約術を解説

タンクレストイレは、使い勝手やデザイン性の良さから近年人気が高まっています。しかし、多くの方が気にしているのは、その交換費用ではないでしょうか。

結論、交換費用はリフォーム箇所や本体価格、追加工事の有無などによって大きく変わります。本記事では、タンクレストイレへの交換費用の相場や節約方法、設置のメリット・デメリットを詳しく紹介します。

【この記事で分かること】

  • タンクレストイレの交換費用は30~50万円だが、リフォームの規模や導入モデルなどによって変動する
  • 交換費用を抑えるこつは、必要な機能を絞った上で活用できる補助金がないかを調べること
  • タンクレストイレを設置するか迷ったら、何を重視したいのかを基準に検討すると良い
この記事の著者

住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

タンクレストイレへの交換費用の相場は30~50万円

タンクレストイレへの交換費用の相場は30~50万円

タンクレストイレへの交換費用は、導入するモデルや搭載機能、リフォームの範囲などによって変動します。

国土交通省の「部位別リフォーム費用一覧」によると、一般的な相場は30~50万円です(※)。ただし、これはあくまで相場であり、実際の費用は以下の項目によって大きく前後します。

  • 本体交換のみなのか
  • 内装工事を実施するのか
  • 和式トイレの撤去を伴うのか など

本体交換のみであれば10~35万円で済む可能性がありますが、内装リフォームを伴う場合、それ以上の金額になるケースがあります。

参考までに、国土交通省の同資料で紹介されているタンクレストイレ + 内装リフォームの費用相場は、20~100万円です(※)。費用は業者によっても差が出るため、複数業者の見積もりを比較し、総額の内訳をしっかり確認しておきましょう。

※参考:国土交通省.「部位別リフォーム費用一覧」

タンクレストイレへの交換費用を構成する項目

タンクレストイレへの交換費用を構成する項目

タンクレストイレへの交換費用は、主に以下の3項目で構成されています。

  • 便器本体の価格
  • 設置作業にかかる費用(工事費)
  • その他の追加工事(内装リフォーム・配管工事など)

便器本体の価格

タンクレストイレの交換費用を大きく左右するのが、便器本体の価格です。タンクレストイレは組み合わせ型に比べて機能やデザイン性が高いため、本体価格がやや高めに設定されています。

シンプルなモデルであれば、10万円以内で購入できる場合がありますが、自動洗浄やオート開閉、脱臭機能などが搭載されているモデルは、20~40万円になるケースも少なくありません。

設置作業にかかる費用(工事費)

設置作業にかかる費用(工事費)も、交換費用を左右する項目の一つです。

工事費には、主に以下のような作業が含まれます。

  • 既存トイレの撤去・処分
  • タンクレストイレの取り付け
  • 電源・配管接続の確認
  • 水漏れチェック
  • 動作確認

トイレを交換するには、既存のトイレの撤去・処分が必要です。電源や配管接続、水漏れチェック、動作確認なども実施するため、その分の費用が本体価格に加算されます。

その他の追加工事(内装リフォーム・配管工事など)

本体の設置以外にも、以下の追加工事が必要になる場合があります。

  • 床材・壁材の張り替え
  • 床の防水処理
  • 給排水管の位置変更・延長のための配管工事
  • コンセントの設置工事
  • 照明器具の設置工事

タンクレストイレを設置する際は、本体交換と同時に内装リフォームを実施することも多いです。特に古いトイレで経年劣化が目立つ場合、壁紙やフローリングを新しくして、空間を一新するケースもあります。

またタンクレストイレは電源を必要とするため、必要に応じてコンセントの設置工事が必要です。さらに、給排水管の位置が新しいトイレに合わない場合は、配管工事が発生し、その分の費用が加算されます。

追加工事が必要になるかどうかは、既存トイレの状況や設備、予算などによって変わります。業者と相談しながら、付帯工事の有無を検討しましょう。

タンクレストイレへの交換費用を抑えるためのポイント

タンクレストイレへの交換は快適さやデザインの向上につながりますが、費用負担が大きいと感じる方も多いでしょう。

ここでは、予算を抑えながら快適なトイレ空間を実現したい方に向けて、3つのポイントを紹介します。

1. 国や自治体の補助金制度を活用する

国や自治体では、省エネ化やバリアフリー化を目的とした住宅リフォームを支援するための補助金制度を設けています。タンクレストイレへの交換も対象となる場合があるため、見逃さないように最新情報をチェックしましょう。

例えば、国主体の「子育てグリーン住宅支援事業」は、開口部・躯体の断熱改修(必須工事)と合わせて節水型トイレを設置する場合も補助対象とされています。補助額は実施する工事のカテゴリーによって異なり、Sタイプで上限60万円/戸・Aタイプで上限40万円/戸です(※1)。

本制度では、節水型トイレの設置は必須工事の「エコ住宅設備の設置」に該当します(※2)。具体的には、開口部または躯体の断熱改修のどちらか一方とセットで実施することが補助の条件です(※1)。

また自治体が補助金制度を設けている場合もあるため、Webサイトで最新情報を確認しましょう。神奈川県横浜市では、バリアフリー化の一環でトイレリフォームを実施した場合に限度額20万円の補助金があり、所得に応じて給付額が決まります。例えば、自己負担が1割の場合は、保険から18万円が給付されます。(※3)。

補助を受けるには、工事契約日や申請時期、対象製品の型番などに細かな要件が設けられています。工事を依頼する前に、公式Webサイトで対象条件や申請の流れを確認しておきましょう。

※1参考:子育てグリーン住宅支援事業.「事業概要」.“補助対象”“補助額と上限額”

※2参考:子育てグリーン住宅支援事業.「エコ住宅設備の設置」.“対象となる製品の基準”

※3参考:横浜市.「介護保険の住宅改修費について」

2. 必要な機能のみ搭載しているモデルを選ぶ

費用を抑えるなら、必要な機能だけを搭載しているシンプルなモデルを選ぶと良いでしょう。

近年のタンクレストイレは、自動洗浄や除菌機能、自動開閉などの便利な機能が搭載されています。このような多機能モデルは快適性が高い一方で、本体価格が高くなる可能性があります。

どのモデルにするか悩んだときは、ライフスタイルや家族構成などを考慮した上で、本当に必要な機能をリストアップしましょう。

3. 相見積もりで複数業者の見積もりを比較する

適正価格でタンクレストイレに交換するためにも、複数業者に見積もりを依頼しましょう。

製品や工事内容が同じでも、業者によって工事費や諸経費の設定が異なるため、見積もりの金額に大きな差が生じる場合があります。複数業者に見積もりを依頼することで、費用やリフォームプランの内容を比較でき、優良業者と出会える可能性が高まります。

見積もりでは、価格帯はもちろん、施工実績やアフターサポートの充実度などを確認し、信頼できる業者を選びましょう。

タンクレストイレに交換する4つのメリット

タンクレストイレを導入すべきか悩んでいる方に向け、主な設置のメリットを4つ紹介します。

1. 省スペースかつデザイン性が高い

タンクレストイレの第一のメリットは、省スペースかつデザイン性が高い点です。タンク付きトイレと比べて高さや奥行きがコンパクトなため、限られた空間でもゆとりを感じられます。

また曲線を生かしたデザインやマット調の素材などのインテリア性を重視したものも多く、住宅の雰囲気に合わせてモデルを選べるのもメリットです。

2. 掃除の手間が少なくなる

タンクと便器が別々のタイプでは、接合部分や隙間にほこりや汚れがたまりやすく、掃除に手間がかかります。タンクレストイレなら凹凸が少ないため、日々の拭き掃除やお手入れがスムーズにできるのが特徴です。

近年のモデルは防汚加工が施されているものや、自動で便器を洗浄・除菌する機能を備えたタイプもあります。掃除のしやすさを重視する方にとって、タンクレストイレは日々の家事効率を上げてくれるうれしい設備といえるでしょう。

3. 節水による水道代節約が期待できる

タンクレストイレは、従来型に比べて使用する水量が少なく、節水効果が高い点が大きな魅力です。

従来のトイレは、一回の洗浄(大)に約13Lの水を使用するのが一般的でした。一方、最新のトイレには、一回の洗浄で5L以下の水しか使わないモデルも登場しています(※)。このように水の使用量が減ることで、年間の水道代の節約が期待できます。

※参考:一般社団法人日本レストルーム工業会.「最新の便器で一回に流す水の量は何Lくらいですか?」

4. タンクに水がたまるのを待たなくてよい

従来のトイレで連続して流す際は、一定量の水がタンクにたまるのを待つ必要があります。タンクレストイレは水道直結式のため、常に一定の水圧で水を供給でき、連続して流せる点が大きなメリットです。

特に家族の人数や来客が多いケースでは、次の人が使うまでの待ち時間がなく、スムーズに利用できるでしょう。

タンクレストイレに交換すると後悔する? 4つのデメリット

タンクレストイレは快適さやデザイン性に優れるものの、インターネットでは「交換して後悔した」といったマイナスな声も寄せられています。

ここでは、タンクレストイレを検討する前に知っておきたい4つの注意点を紹介します。

1. 手洗い器の設置が必要になるケースがある

タンクレストイレを導入する場合、別途手洗い器の設置が必要になるケースがあります。

タンクレストイレには、タンク上部に手洗い器が付いていません。そのため、これまでタンクの上で手を洗っていた人は、交換後に不便さを感じる場合があります。

ただし、洗面台とトイレの距離が近い場合は、あえて手洗い器を新設しなくても不便を感じにくいでしょう。

2. 水圧が足りない場合設置できない可能性がある

タンクレストイレは水道直結式のため、一定以上の水圧がなければ設置できない場合があります。水圧が足りない場合、水の流れが滞って排泄物を流せない、もしくは配管内で詰まりが発生する可能性があるためです。

特に古い住宅やマンションの高層階では水圧が弱いケースがあり、設置を断られる可能性があります。

ただし、メーカーによっては水圧の低い環境でも設置できるモデルもあります。リフォームを検討する際は、事前に施工業者に設置条件を満たしているかを確認しましょう。

3. 故障時に全体を交換する必要がある

タンクレストイレは便器と便座が一体化した構造のため、一部が故障しても部分的な交換が難しい点がデメリットです。従来のトイレのように「タンクだけ」「便座だけ」といった部分交換ができず、内部機器の不具合によっては本体ごと交換が必要になるケースがあります。

本体交換は、部分交換よりも費用が高額になる場合があります。リモコンの動作不良で修理費用がかかるケースもあるため、ランニングコストを把握した上で導入するかどうかを判断しましょう。

4. 停電時・断水時に不便さを感じる場合がある

タンクレストイレは、電気でバルブを開閉して水を流す仕組みのため、停電時は水を流せず不便さを感じる場合があります。

ただし、最新のタンクレストイレの中には、停電時でも水を流せるように乾電池で動作するタイプも登場しています。非常時でも使えるモデルを選んでおけば、停電時のリスクを回避できるでしょう。

なお、断水時は水そのものが供給されないため、どのタイプのトイレでも使用が制限されます。この場合は、バケツに水をくみ、便器内に直接流し込んで排泄物を流すなどで対処する必要があります。

タンクレストイレか従来のトイレにするか迷ったときの判断基準

タンクレストイレか、従来のトイレか、どちらを選ぶか悩んだ際は、自分が何を重視するかを基準に考えましょう。

以下のような方には、タンクレストイレがおすすめです。

  • 光熱費を削減したい方
  • スタイリッシュなトイレ空間に仕上げたい方
  • 掃除やお手入れをできるだけ楽にしたい方
  • 価格よりも快適さ・機能性を重視したい方

一方で、できるだけ費用を抑えたい人や、修理・交換のしやすさを重視する人は従来型トイレの導入を視野に入れましょう。

このように、見た目や機能性、費用、メンテナンス性など、何を重視するかによって適したモデルが変わってきます。業者やメーカーによって取り扱いモデルが異なるため、複数の製品を比較して長期的なメリットを感じられるものを選びましょう。

タンクレストイレへの交換費用は複数業者の見積もりを比較しよう

タンクレストイレは、デザイン性や快適さに優れており、節水効果や掃除のしやすさから人気が高まっています。ただし、便座機能や付帯工事の有無、設置条件によって費用が大きく変わるため、複数の業者に見積もりを依頼して比較することが重要です。

神奈川県の住宅でタンクレストイレへの交換を検討している方は、住宅設備協同組合にご相談ください。当組合は、これまでにトイレや洗面台などの水まわりリフォームを数多く手がけています。

県知事認可法人として、お客さまのご予算やご要望に合ったプランをご提案いたします。費用面や補助金制度の活用についても丁寧にご案内いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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