屋根リフォームの費用はどれくらい?主な工法や依頼の流れも解説

屋根リフォームの費用はどれくらい? 主な工法や依頼の流れも解説

屋根は普段なかなか目にする機会がないため、知らないうちに劣化が進んでしまう場所です。ひび割れや雨漏りなどのサインを見逃すと、下地の腐食や構造材のダメージにつながり、結果的に大規模な修理が必要になることもあります。

さらに、屋根リフォームは工事内容や業者選びによって費用や仕上がりに大きな差が出るため、正しい知識を持って判断することが非常に重要です。

本記事では、屋根リフォームを検討すべき劣化の兆候から、工法の違い、費用の目安、工事の進め方、信頼できる業者選びのポイントまで、初めての方でも安心して理解できるよう分かりやすく解説します。住まいの安全を守るための基本知識として、ぜひ参考にしてください。

この記事の著者

住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

屋根リフォームを検討するべきサイン

屋根リフォームを検討するべきサイン

屋根は普段じっくり見る機会が少ないため、気づかないうちに劣化が進んでしまう場所です。ただし、いくつかの「分かりやすいサイン」が現れ始めたら、補修やリフォームを検討したほうがよいタイミングかもしれません。ここでは代表的なサインとして「ひび割れ・欠け」「こけ・カビ」「雨漏り・天井のしみ」「金属部分のサビ・腐食」について解説します。

ひび割れ・欠け

スレート瓦やセメント瓦などの屋根材に、ひび割れや欠けが見られるようになったら、屋根の劣化が進行しているサインです。ひと目見て分かる劣化のため軽く考えてしまいがちですが、小さなひびでもそこから雨水が入り込み、下地の木材や防水シートをじわじわと傷めてしまいます。

下地が濡れた状態が続くと、木材が腐ってしまったり、金属部分のサビが一気に進行したりして、家全体の構造に影響が出るおそれもあります。そのまま放置すると、部分補修では対応できず、屋根全体の葺き替えが必要になるケースも少なくありません。

ご自宅の屋根を見上げたときに、明らかな欠けや大きなひびが見える、落ちてきた屋根材の破片が庭や雨樋に溜まっているといった場合は、早めに専門業者の点検を受けることをおすすめします。

こけ・カビの発生

屋根の表面に、緑色のこけや黒っぽいカビ、藻のような汚れが広がっている場合も要注意です。これらは見た目の問題だけでなく、「塗膜の防水機能が弱ってきているサイン」であることが多いです。

こけやカビは水分を含みやすく、一度生えると屋根の表面が乾きにくくなります。常に湿った状態が続くことで屋根材の劣化が早まり、塗装のはがれやひび割れ、最終的には雨漏りにつながることもあります。特に北側や日当たりの悪い面、樹木のそばの屋根は、こけ・カビが発生しやすい環境です。

こけやカビが目立ってきたら、高圧洗浄や再塗装などのメンテナンスを検討するタイミングです。市販の薬剤で無理に落とそうとすると屋根材を傷める場合があるため、できれば専門業者に相談するようにしましょう。

雨漏り・天井のしみ

室内の天井に茶色い輪染みが出てきたり、雨の日にポタポタと水が落ちてきたりするようであれば、屋根の劣化がかなり進行している状態です。すでに雨水が屋根を通り抜け、天井裏の断熱材や木材まで到達している可能性が高いです。

こうした雨漏りを放置すると、天井裏のカビや腐食が広がり、柱や梁など構造材の強度低下を招きます。また、湿気の多い環境はシロアリを呼び込みやすく、二次的な被害につながるおそれもあります。電気配線に水がかかれば漏電や火災のリスクも無視できません。

バケツで水を受けてその場しのぎをするのではなく、「どこから水が入っているのか」「屋根以外に原因がないか」を含めて、早急に専門業者に調査を依頼することが大切です。なお、火災保険で雨漏りが補償されるかどうかは原因によって異なり、経年劣化が原因の場合は対象外となるケースも多いため、日頃からの点検と早めの対応が重要になります。

金属部分のサビ・腐食

屋根の頂部を覆う棟板金(むねばんきん)や、谷部分を流れる谷樋(たにどい)、雪止め金具など、屋根まわりにはさまざまな金属部材が使われています。これらに赤茶色のサビや穴あき、変形などが見られるようになったら、やはり注意が必要です。

サビが進むと金属が薄くなり、最終的には穴が開いてそこから雨水が侵入します。また、釘やビスが抜けて棟板金が浮いた状態になると、台風や強風で部材自体が飛ばされ、周囲の住宅や車に被害を与えてしまう危険もあります。

金属部分の腐食は、その周囲の屋根材や下地の劣化も早めてしまいます。屋根の縁や頂上部分を見上げた際に、サビや浮き、変形が気になるようであれば、早めに点検と補修を依頼することが賢明です。部分的な交換で済むうちに手を打つことで、結果的にトータルの工事費用を抑えられる可能性も高まります。

屋根リフォームの主な工法

屋根リフォームの主な工法

屋根リフォームには、劣化の進行具合や建物の状態に応じて、主に「塗装」「カバー工法」「葺き替え」の3つの方法があります。それぞれ特徴や費用、適しているケースが異なるため、状況に合った工法を選ぶことが重要です。ここでは3つの工法を分かりやすく解説します。

塗装

屋根の表面に新しい塗料を塗り、防水性や美観を回復させる工法です。屋根材自体の傷みが軽度で、まだ下地が健全な状態のときに適しています。スレート屋根や金属屋根など幅広い屋根材で採用されています。

メリットとしては、費用を抑えられることと工期が短いことが挙げられます。3つの工法の中でも最も安価で、作業期間も最短で5日ほどと手軽に実施できます。また、新しい塗膜によって屋根の色や質感が整い、家全体の印象を大きく改善できます。

一方のデメリットは、根本的な補修ができないことです。例えば下地の腐食や雨漏りの原因となる問題がある場合、塗装だけでは改善できません。また、塗料には耐用年数があるため、一般的には10~20年を目安に定期的な塗り直しが必要です。さらに、傷みが激しい屋根材の場合は塗装自体が適さないケースもあります。

塗装は、あくまでも「軽度の劣化に対する延命措置」と捉え、状況に合ったタイミングで検討することが大切です。

カバー工法(重ね葺き)

カバー工法は、既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材をかぶせる方法です。「重ね葺き」とも呼ばれ、近年多くの住宅で採用されています。

最大のメリットは、撤去作業が不要な分、費用と工期を抑えられる点です。既存屋根をはがす必要がないため、廃材処分費もかかりません。また、屋根が二重になることで断熱性や遮音性が向上する効果も期待できます。解体が少ないため騒音やホコリが抑えられ、生活への負担も比較的少なく済みます。

一方で、屋根が重くなることがデメリットとなる場合があります。特に瓦屋根の上に重い屋根材を重ねると耐震性に影響するため、一般的には軽量なガルバリウム鋼板などが使用されます。また、既存の下地が腐食している場合はカバー工法自体が適用できません。施工後、将来再びリフォームする際は、二重になった屋根材を両方撤去する必要があり、費用が高くなる可能性もあります。

カバー工法は、下地が健全で、中程度の劣化が見られる場合に適した工法です。雨漏りが深刻化していない場合や、コストを抑えて寿命を延ばしたい場合に向いています。

葺き替え

葺き替えは、既存の屋根材と下地(ルーフィングなど)をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する工法です。屋根の構造そのものをリセットできるため、最も根本的な解決ができるリフォーム方法です。

メリットとして、屋根全体の耐久性と防水性を完全に回復できることが挙げられます。下地まで丁寧に点検・補修できるため、雨漏りや腐食などの問題を根本から改善できます。また、素材の選択肢も豊富で、軽量な屋根材に変えることで耐震性を高めることも可能です。

一方、デメリットは費用と工期が最も大きくなる点です。既存屋根の撤去と処分、新しい屋根材の設置が必要なため工事全体の規模が大きくなり、騒音や廃材も発生します。

葺き替えは、屋根の劣化が激しい、雨漏りが深刻、築年数が古く下地まで傷んでいるといったケースで選ばれることが多い工法です。長期的な安心を重視したい場合には、最も確実な選択肢といえます。

屋根リフォームにかかる費用の目安

屋根リフォームにかかる費用は、採用する工法や屋根の状態によって大きく変わります。まずは、一般的な一戸建て住宅を想定した工法別の費用目安を一覧表で確認しておきましょう。

工法費用の目安
塗装20万~80万円
カバー工法50万~150万円
葺き替え100万~200万円

ただし、上記はあくまで目安であり、実際のリフォーム費用は使用する材料や下地の傷み具合、足場の設置費用などによって変動します。

例えば、塗装の場合は使用する塗料の種類によって費用が大きく変わります。ウレタン系の塗料は安価ですが耐久性が短く、シリコン、フッ素、無機塗料とグレードが上がるにつれて価格が高くなる一方、その分耐用年数も長くなります。

また見落としがちな点ですが、どの工法でも足場の設置費用が発生します。屋根リフォームでは安全確保のために足場がほぼ必須となるため、総額を考える際にはこの費用も含めて考える必要があります。

屋根リフォームの依頼から完了までの流れ

屋根リフォームは、現地調査から引き渡しまで、いくつかのステップを踏んで進んでいきます。全体の流れを把握しておくことで、工事中の不安を減らし、適切な判断がしやすくなります。ここでは、一般的な屋根リフォームの流れを順を追って紹介します。

1.現地調査・見積り依頼

最初のステップは、専門業者による現地調査です。屋根の状態を正確に把握するため、業者が自宅を訪問し、屋根材のひび割れや汚れ、下地の状態、防水シートの劣化などを細かく確認します。このとき、写真や動画で状態を記録するケースが多く、住まいの現状を視覚的に把握することができます。

調査後は、確認した内容をもとに最適なリフォームプランと見積書が提示されます。雨漏り対策を重視するのか、外観を美しく整えたいのか、といった希望も反映されるため、最初の相談段階でしっかり要望を伝えておくことが大切です。見積りの提示には、通常数日から数週間ほどかかります。

2.工事内容・材料の決定

提示された見積書をもとに、どの工法で進めるか、どの屋根材や塗料を使うかを決めていきます。複数の業者に相見積もりを依頼している場合は、この段階で内容を比較し、工事内容・費用・保証内容などを総合的に検討します。

また、見積りの説明で不明点があれば必ず質問し、納得できるまで業者とすり合わせを行います。屋根材や塗料の種類、色、耐久性、価格などもここで選定します。仕上がりのイメージを共有するためにも、カタログや施工事例を見ながら決めると安心です。

3.契約とスケジュール調整

工事内容と金額に納得できたら、正式な契約を結びます。契約書には、工事内容・工期・使用する部材・総額・保証内容などが明記されており、クーリングオフの説明も行われます。

契約後は、工事開始日や完了予定日を含めたスケジュールを調整します。工程表を受け取れることが多いため、生活への影響を考えながら確認しておきましょう。また、工事前には業者が近隣住民へ挨拶回りを行い、騒音や車両の出入りについて説明するのが一般的です。

4.足場設置・工事開始

スケジュールが確定すると、いよいよ工事がスタートします。まずは安全に作業するための足場を設置し、必要に応じて飛散防止ネットを張ります。

その後、契約した工法に応じて作業が進んでいきます。

  • 塗装工事では洗浄 → 下地処理 → 塗装の順に作業
  • カバー工法では既存屋根の上に防水シートを敷き、新しい屋根材を施工
  • 葺き替えでは既存屋根の撤去、下地の補修、新しい屋根材の設置

工事期間中は、作業終了後に業者から進捗説明を受けられることも多く、不安なく見守ることができます。

5.完了確認・保証内容チェック

工事が完了したら、お客様立ち会いのもとで最終確認を行います。足場が残っているうちに、普段は見ることのできない屋根の上もチェックできるため、気になる箇所があればその場で確認してもらいましょう。

問題がなければ「完了報告書」に署名し、引き渡しとなります。その後、業者から工事保証書が発行されるため、保証期間や対象範囲をしっかり確認して保管しておくことが大切です。引き渡し後も定期点検やアフターサービスを行う業者が多く、万が一のトラブルにも対応してもらえます。

屋根リフォームで失敗しないためのポイント

屋根リフォームは費用も工期も大きく、依頼後に「失敗した」と感じるケースも少なくありません。ここでは、トラブルを避けて安心して工事を進めるために、特に重要な3つのポイントを紹介します。

雨漏りは早急に対処する

雨漏りは「単なる不具合」ではなく、建物全体の劣化が進行している深刻なサインです。室内に症状が出ている時点で、すでに天井裏や下地材まで水分が到達している可能性が高く、放置すると被害が広がります。

特に、雨水が侵入した状態が長期間続くと、天井裏の断熱材や柱・梁といった構造材が湿り、腐食が急速に進行します。1年以内であれば部分補修で済む場合もありますが、2〜3年放置するとカビの繁殖や構造材の腐朽が発生し、補修範囲が大規模になることもあります。

また、湿気の多い環境は住む人の健康に悪影響を与えるほか、配線に水がかかると漏電・火災の危険もあります。さらに、経年劣化が原因の雨漏りは火災保険の補償対象外となることが多いため、早めに調査・修理を行うことが重要です。

複数の業者に見積もりを取る

屋根リフォームで失敗を防ぐうえで最も有効なのが「相見積もり」です。複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用を比較することで、適正価格を知ることができます。

相見積もりを取るメリットは次の通りです。

  • 費用相場を把握でき、不当に高額な請求を見抜ける
  • 複数の意見を聞くことで適切な判断がしやすくなる
  • 業者の対応力や信頼性を見極められる

単に金額だけを見るのではなく、保証内容や使用する材料、工事の工程なども含めて比較することが大切です。

訪問販売には慎重に対応する

屋根リフォームに関するトラブルで特に多いのが「訪問販売による勧誘」です。突然自宅を訪れ、「無料で点検します」「近くで工事をしていて特別価格でできます」などと声をかけてくるケースは注意が必要です。

悪質な業者は、以下のような手口を使ってくる場合があります。

  • 不要な工事を高額で契約させる
  • 火災保険が使えると虚偽の説明をする
  • 点検と称して屋根を傷つけ、工事を誘導する

訪問販売で契約を迫られても、その場で即決しないことが最も重要です。「家族と相談して決めます」「すでに業者に依頼しています」など、はっきり断るようにしましょう。

信頼できる業者を選ぶには、地元での実績や許可証の有無、口コミなどを自分で確認することが確実です。また、不安を感じた場合やトラブルに巻き込まれた場合は、消費者ホットライン(188)や国民生活センターといった公的機関に相談することをおすすめします。同記事にふさわしいまとめを300文字程度で作成してください。その後、近畿医療専門学校について紹介して記事を締めます。

まとめ

屋根リフォームは、「劣化のサインを見逃さない」「自分に合った工法を選ぶ」「信頼できる業者と進める」ことが成功の鍵です。ひび割れや雨漏りなど、気になるサインが出たら放置せず、早めに対応を検討しましょう。

さらに、塗装・カバー工法・葺き替えといった工法の違いや費用の目安を理解し、複数の業者から見積もりを取ることも大切です。急な訪問販売には慎重に対応し、契約前には必ず内容を確認しておくことが安心につながります。こうしたポイントを押さえておけば、安心して屋根リフォームを進めることができます。

住宅設備協同組合は、東京・神奈川・大阪・兵庫の4エリアで住宅リフォームをお手伝いしています。各都道府県の認定を受けた組合として、屋根リフォームをはじめ、外装・設備まで幅広い工事を手がけてきました。

屋根や外装について不安があれば、お気軽にご相談ください。ご自宅の状態を正しく診断し、お客さまのご予算や住まいの状況に合ったプランをご提案いたします。

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