リノリウムの床材とは?抗菌・抗ウイルスって本当?

「抗菌・抗ウイルスの床材はある?」「耐久性のある床にリフォームしたい」「環境に良い床材が欲しい」などと考えている方には、リノリウムをおすすめします。リノリウムは、住宅だけでなく公共施設でも広く活用されており、その環境への影響や人体への影響が少ないという特徴から再び注目を浴びています。

今回は、リノリウムについて、注目されている理由やメリットデメリット、注意点などのポイントを厳選して解説します。

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住宅設備協同組合

東京、神奈川、大阪、兵庫エリアで年間1000件以上の実績を誇る住宅設備協同組合。神奈川県許認可法人(神奈川県指令企支第3453号)、大阪府許認可法人(大阪府指令経支第1061-28号)。リフォームの専門家として、水回り(キッチン、浴室、トイレ)、和室工事、外壁、屋根まで広く深くをモットーにリフォームに関するお役立ち情報を発信。

リノリウムとは

ここでは、床材であるリノリウムについてや注目されている理由などを徹底解説していきます。

リノリウムとは?

リノリウムは、植物性の天然素材である亜麻仁油や木粉を原料として作られた建材であり、通常は床材として使用されます。

しかし、人気上昇に伴い、低価格で利用できるリノリウム「風」のクッションフロアやタイルも広く販売されるようになりました。

これらは本物のリノリウムとは性能が異なりますが、外見が似ているため、「リノリウム」と総称されることもあります。

リノリウムが注目されている理由は?

リノリウムは100年以上前に開発され、20世紀の初めに最も人気のあった床材でした。しかし、その後は高いコストや施工の難しさから使用が減少し、塩ビ系の床材に置き換えられるようになりました。

しかし、最近では世界的に環境への配慮が重視されるようになり、天然素材であるリノリウムが再び注目を浴びています。

リノリウムの製造過程ではクリーンなエネルギーを使用し、使用済みのリノリウムは土に還元することができるため、環境に優しい選択肢として評価されています。

さらに、リノリウムは抗菌・抗ウイルスの性質も持っており、ハウスダストや感染対策にも効果が期待されています。健康的な住環境を求める人や、エコロジーへの貢献を考える人にとって、リノリウムは魅力的な選択肢となっています。

リノリウムとクッションフロアの違いは?

クッションフロアは塩化ビニル樹脂で作られた柔らかい床材で、水に強いため水まわりの場所によく使われます。

見た目はリノリウムに似ていますが、より低価格であり、リフォームに適しています。デザインも豊富で木目調や石調、花柄などさまざまな種類があります。

クッションフロアにはペット対応のバリエーションもあります。滑り止めや消臭効果があり、ペットの安全性と清潔さを保つことができます。また、クッション性と耐久性の両方を兼ね備えており、爪痕がつきにくいという利点もあります。

こちらの記事では、クッションフロアなどの床材の特徴や費用を詳しく説明しています。

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リノリウムのメリットデメリット

ここでは、リノリウムのメリットとデメリットについてそれぞれ詳しく解説していきます。

メリット①:抗菌・抗ウイルスの性質を持っている

リノリウムの主成分である亜麻仁油は、抗菌作用があります。

複数のウイルスや菌に対して効果があり、現代の感染対策の重要性が高まっている時代に最適な床材として認識されています。

さらに、亜麻仁油はアンモニア臭の脱臭効果も持っています。

実証された結果によれば、わずか3時間で臭いをほぼ完全に除去することができます。そのため、トイレのアンモニア臭対策にも特におすすめです。

メリット②:環境汚染の心配がない

リノリウムは天然素材で作られており、環境への負荷を最小限に抑えることが魅力の一つです。

リノリウムの原材料にはリサイクル品が多く使用されており、耐久性も高いため、長期間にわたって使用することができます。

また、リノリウムを処分する際には有害ガスの発生がなく、自然に分解して地球に還元することができます。

さらに、リノリウムの製造工程でもクリーンなエネルギーが使用されており、原材料の成長から出荷までの過程でカーボンニュートラルを達成しています。

メリット③:耐久性・耐火性が高い

リノリウムは非常に耐久性が高く、寿命は通常30〜40年に及びます。

他の素材と比較すると、複合フローリングは約15年、クッションフロアやフロアタイルは約10年、畳は約20年で傷みが目立つようになる傾向があります。

このように考えると、リノリウムは非常に長寿命な素材であることがわかります。リノリウムは傷がつきにくく、家具の重さで凹みができにくいという利点もあります

また、リノリウムは耐火性が高く、床材として使用すると火災が広がりにくくなるメリットもあります。そのため、キッチンなど火を使用する場所にも適しています。

デメリット①:紫外線で変色する可能性がある

リノリウムのデメリットとしては、紫外線の影響を受けやすいことがあります。

紫外線にさらされると変色してしまい、見た目が損なわれる可能性があります。

特にリビングや寝室など日当たりの良い場所に使用する場合は、紫外線対策を行うことで変色を防ぐことが重要です。

デメリット②:特有のニオイがある

リノリウムの主成分である亜麻仁油は、特有のニオイがあります。

このニオイは個人の好みによっては苦手に感じられるかもしれませんが、健康に害はありませんので安心して使用できます。

ただし、経年とともにニオイは薄れていくため、気になる間は定期的な換気を行うことがおすすめです

デメリット③:価格が高い

リノリウムは天然素材で作られているため、製造工程が煩雑であり、他の床材に比べて価格が高くなる傾向があります。

しかしその代わりに、耐久性や衛生性に優れています。ただし、リノリウムを施工できる業者が限られているというデメリットもあります。

リノリウムを利用する際には、施工が可能かどうかを業者に事前に確認することが重要です。

 

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リノリウムを使用する際の注意点

ここでは、床材であるリノリウムを使用する際の注意点ご紹介します。

掃除では中性の洗剤やワックスを使用する

リノリウムはアルカリ性には弱い床材です。アルカリ性のものでメンテナンスを行うと、変色してしまい元通りに戻すのが難しくなる可能性があります。

そのため、リノリウムのお手入れには中性の洗剤やワックスを使用することをおすすめします。中性の製品を使用すれば、変色の心配もなく安心して利用できます。

また、リノリウムは耐久性がありますが、経年劣化により表面が摩耗してくることがあります。表面が摩耗すると水分を吸収しやすくなり、劣化の原因になる可能性があります。

このような場合にはワックスを定期的にかけることでカバーできますので、定期的なお手入れが重要です。

紫外線のあたる場所の設置は控える

リノリウムは紫外線の影響によって変色する可能性がある床材です。

リノリウムの美観を長く保つためには、紫外線の当たる場所での施工を避けることが重要です。リノリウムを使用するスペースを選ぶ際には、紫外線の影響が少ないキッチンや脱衣所などの水まわりの場所が適しています。

窓のあるスペースにリノリウムを取り入れる場合は、紫外線が当たりにくい部分にリノリウムを配置することを検討してください。また、デザイン面でも他のフローリングやクッションフロアとの調和を考慮することができます。逆に、リノリウムをアクセントとして活用することも魅力的です。

部屋全体にリノリウムを使用する場合は、窓に対して紫外線対策を行うことも考慮してください。紫外線をカットする特殊な窓ガラスやフィルムを利用する方法があります。

リノリウムのリフォームまとめ

リノリウムは、抗菌・抗ウイルスの性質を持っており、ハウスダストや感染対策にも期待できるため、再注目を浴びている床材です。耐久性や耐火性が非常に高いが、価格が少し高かったり紫外線で変色する恐れがあります。また、お手入れやメンテナンスでは、アルカリ性で行うと変色し、元に戻すのが難しくなるので注意しましょう。
施工経験が豊富な業者に相談して、費用や張り替えの工法などご希望に合ったプランを提案してもらうとよいでしょう。
リノリウムを導入して、理想的な住まいづくりを実現しましょう。